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歌舞伎が消えた春

新型コロナの猛威が止まらない。総理のいうところの1~2週間が過ぎたとたん、10日間の自粛要請の一声で強制的に日本の演劇が全て止まった。私の手から13枚のチケットがこぼれ落ちた。そのうち8枚はスーパー歌舞伎セカンド「新版オグリ」の切符、2枚はオグリ関係のイベント。残り3枚は「ねじまき鳥クロニクル」と「天保十二年のシェイクスピア」ねじまき鳥と天保十二年は歌舞伎と違い何カ月も前から予約し楽しみにしていたものだ。それが要請という名の強要で全ての演劇が止まった。
万全の態勢で宝塚劇場が開演するという英断も10日間の自粛要請と劇団に寄せられた心ない非難であっけなく中止になった。可能な限りの安全性を保ちファンも素晴らしいマナーでの観劇だったと聞く。
命あって安全があってこその文化だけど、エビデンスも明確でない要請は如何なものだろう。安倍総理のやり方は納得いくものではない。
 宝塚歌劇も全面的に中止。楽しみにしていた猿之助さんの「新版オグリ」は公演全ての中止が発表された。待ちに待った南座の初日は幻となってしまった。南座で本番通りの舞台稽古を所々映像を猿之助さんのインスタライブで見せてくれた。あぁ、こんなに進化してるのか。ここをこれだけ変えてきたのかと僅かな映像だけでも心振るえる様な感動を覚える。上演されない舞台の舞台稽古、きっちりと拵えをして完璧な舞台稽古を魅せてくれるこのチームに感謝。隼人オグリで観る変更箇所に驚く。博多座からこれだけ新しいオグリを練っていたとは。
それだけに生の舞台を観たかった。猿之助さん達も観せたかったはず。

今日20日が南座『新版オグリ』の初日だった。そして猿之助オグリで本番通りの舞台稽古を済ませてチームオグリは解散した。猿之助オグリ、隼人遊行上人、新悟照手と演出邦生君の晴れやかな笑顔と共に邦生君のSNSで報告された。ファンの気持ちをぐっと惹きつける。高橋洋君のブログでは猿之助さんといちゃつくキュートなツーショット。笑三郎さんは素敵な幸子、門之助さんのブログ、若手のSNSでも様々な形でチームオグリの終わりを告げてくれた。舞台は観られなかったけどこの人のファンでいて良かったと心を熱くした。そして舞台が観られない無いとこんなに萎れてしまう自分に驚く。
コロナ感染に席巻された日本の3月を私は忘れない。
コロナの威力がどうぞ治まります様に。猿之助さん達の熱い心を見せてもらって確信した。歌舞伎は死なない。消えもしない。贔屓もがんばる。
しかし、さほど資力と体力のない演劇集団はどうなのだろう。国策として文化を封じた責任は重い。フリーランスの芸能を支える人々により手厚い保障をと願わずにはいられない。

#市川猿之助 #新版オグリ #南座 #上演中止 #コロナのバカ #要請という名の強要

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