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企業系検査技師って?? 自己紹介Part2

はじめに

ごきげんいかがですか、ふたこ研です。
少し空いてしまいましたが、前回の「自己紹介がてら職歴Part1」に引き続きPart2です。

臨床現場で働いているときは当たり前すぎて気づかないのですが、臨床検査技師ってほんっっとに多岐に渡る医療および関連知識と技術を備えていて医薬系企業には1人はいたほうがいいのになあ、と思います。
バイトをする時間がないくらい膨大な授業と実験の量をやっているだけあり、授業は充実していたなあと(うちの大学だけ、というわけではないはず…)。
今、海外の医薬系企業に所属している臨床検査技師と仕事をすることも多いのですが、日本の臨床検査技師はほんとにオールマイティでプロフェッショナルな職業だなと実感します。

職歴Part2

前回までは、企業系検査技師として歩みだしたところまでをご紹介しました~。

@新規ヘルスケア産業参入企業

前職の臨床検査薬・診断薬開発会社では病院の検査技師の方々と仕事をすることが多く、企業と病院との立場の違い、認定技師としての経験値の比較など、検査方法の発展とは異なる、古き慣習に日々巻き込まれて仕事をしていました。
慣習に囚われない、新しい検査技術開発の場というのはないのだろうか、と考えていた時に、ヘルスケア産業に新規参入を考えている企業に出会いました。

これまでの医療業界とは全く異なる業界なので、道を切り拓けるという楽しさがある一方で、これまでは当たり前のように話していた言葉が通じない、という衝撃。人に伝える「言葉の定義」設定がこんなにも必要なのか、というのを思い知らされました。
例えば、ヒト検体の扱い方や扱う場所の安全管理に関する要件、などゼロから説明が必要であり、かつ理解してもらうのに膨大な時間がかかります。説明するのに大学時代の教科書を引っ張り出して説明資料を作成したり、関連ガイドラインを説明したりと、本来の技術開発業務以前の業務に追われていた時期がありました。

「臨床サンプルの扱い方を心得ていること」が大きな意味を持つ、と気付いたのはこのときです。検査技師レベルでの現場の検体の扱い方が分かっている、ということが医療に関する仕事の何事を始めるにしてもスタート地点であり、このときに臨床検査技師としての基本知識、経験というのがとても重みのあることだと実感しました。

さらには認定資格を取得していて、病理・細胞診画像の判定ができることから、当時話題となり始めていた病理染色画像の腫瘍微小環境の空間解析に取り組むようになります。ここでソフトウェア開発担当の同僚などと協働して開発を進められたことで、自分の臨床検査技師としての基礎知識の展開の仕方、異職種の方との仕事の仕方、というのをとても学びました。

検査技師としてのベースに蓄積された専門性に加え、異職種との業務発展が楽しかったので、これを総合的に活かせたら、と製薬企業へ移ることとしました。

@製薬企業

「製薬企業」って広い意味で医療業界、と思われることが多いですが、医学部と薬学部で大きく学問が異なるように、まったく業界が違います。使う言葉はもちろん違いますし、同じ言葉で話していると思っても、言葉の定義が異なっていることも多々。前職で製薬企業顧客対応をしていたり製薬企業出身の同僚と話していたこともあり違いはある程度認識していたけれど、それにしても… 想像以上の苦労をしました(今も継続中…)。
会社内の非臨床部門と臨床部門でも言葉の定義でよくやりあっている(笑)のに異業種からきた人間が前線に立つなんて…毎日刺激が多くて辛くて楽しい毎日でしかありません❕

海外の関連会社や測定会社とのやり取りしていると、特に米国では臨床検査技師(MLS)が企業で多数活躍していて仕事の相手が臨床検査技師であることも多いです。仕事上の信頼をお互いに置けるというのも技師の資格がベースにあることのありがたみと実感すると同時に、日本の企業系検査技師の少なさにもったいなさを感じるわけですが。。。この辺のお話は追々。

まとめ

自己紹介として、4つの現場での職歴、企業での臨床検査技師資格の活かし方を簡単にお話しました。
このあとは、それぞれの業界での実際の働き方、必要なスキルとマインド、裏話、を挙げていきたいと思います。

それでは、ごきげんよう。

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