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note版オンライン絵画講座 ⑥初心者の画材


とりあえず最初に必要な画材を挙げてみたいと思います。

何もかもがわからない人向け

「絵を描く」という行為がどういうものか知らない、もしくは色々な情報を見て、やってみたいと思った人向けの道具は何か。

こういう人が私の教室に来ることはあまりありません。
なので、この場で想定した提案となります。

専門的に言えば、最初はただの鉛筆と紙があればいいのでは?と思います。
デッサンという難物にいきなり挑むわけでもないので、
その上で、どういう道具を揃えるか。

鉛筆:HB〜2Bのどこにでもある鉛筆。安価なものでいいのです。

紙 :
描きやすいモノでなくてもいいし、大小もそれほど気にしなくてもいいかもしれませんが、出来ればB4以上のものがいいのかなぁ、と思います。A4でもいいですが、出来ればB4で。初めは大きい方がいいと思います。

消しゴム:MONOとかそういうのでいいと思いますが、絵を描くという前提ならば練りゴムのようなものの方がいいかもしれません。

どうしても初めは「絵を描く=鉛筆で線を引く」という価値観が抜けなくて、消しゴムも誤った線を消す道具と思いがちです。MONOのようなプラスチック消しゴムは線を消す能力はありますが、グラファイトを薄くしたり、部分的に削ったり、線自体の太さを調節するのには向きません。

少しずつでも絵を描いていくつもりならば、練りゴムを使うことをお勧めします。
練りゴムは練って使うもので、使えば使うほど黒くなっていきます。最終的に、練れななくなる、伸びなくなったら交換し時です。例えば毎日鉛筆デッサンを8時間しても、最低でも半年くらいは保ちます。

反対に用意しない方がいいもの。

定規、コンパス、雲形定規など、製図用品

最初の初書の段階で彩色を考えるのはやめた方がいいでしょう。
なので、着彩道具は記しません。
その上で用意しなくても良いかな、と思うものは、
やはり製図道具かなぁと。

定規やコンパス、雲形など製図で使うようなものは必要になってから買うので構わないと思います。

私としては、新円を書く機会なんてそんなにないし、そもそも目と手を信じて書いてみりゃ良いんじゃないかと思うわけです。
定規だってそう。何センチかとか、何がどのくらいの長さかとかは数値でわかる必要はひとつもないと思います。むしろ、定規を使った弊害があることを考えると、むしろ、むしろ用意しないほうがいいと思います。

定規使用による弊害

定規というのは長さを測るものです。
定規は長さを測るものなのです。

重要ですここ!テストに出ます。
もしももしも、長さを測るというなら使ってもいいかもしれません。
そんな事は初めてのデッサンではまずあり得ませんが、それでも長さが知りたいというのであれば、う〜む。相手が必死にお願いするならばいいと言うかもしれません。

でも例えば、紙に16分割のマス目を書き入れたいのであれば、折り目をつけてその折り目ごとに線をつなげば良い。その場合、定規でなくても長い平らな棒でもあればいいと思います。
定規なんかいらない!

なぜこんなに強めにいうかというと、定規は直線を引くもの、もっというと角度が測れると思っている人の何と多いことか!ですね。

講師経験で言いますが、定規を持ってる人は垂直線を引くときに定規を使うことが多いのです。
最初に書きましたが定規は長さ!を測るものですからね。
差金のように直角に曲がった定規なら100歩譲って測れるかもしれませんが、単体の定規で直角は絶対に測れません。(初心者ならばとつけ加えておきます)

もし垂直線を定規で描こうもんなら、認識できるかできないかのほんの僅かな微差でズレてしまうかもしれません。
ここで一つ冷静に考えるとすれば、
「フリーハンドでも同じようにずれたり揺れたりするでしょ?」
そう、そうなんです。それはもちろんわかっています。

ですが、端っからずれると思って集中して描いたフリーハンドの線と直線が引けると過剰に意識した線では、雲泥の差です。しかもずれる前提で描いたフリーハンドは修正していけば直せますが、思い込み強めの定規の線では修正しにくいという特徴もあります。もちろん雲形なども同じ理由でお勧めできません。

そしてもう一つの問題。生で手で書かれた線は何というか、その人のそのときの感じが出てくるのです。生きているように見えるというか。
対して、定規で引いていくと、とても無味で固まった線しか引けません。
この二つが混在すると、絵がとても気持ち悪くなります。

気持ち悪くなったってできあがればいいじゃない?そんなふうな声が聞こえてきそうですが、自分の書いてる絵が気持ち悪くなってきても作業を進めるのは初心者には多分難しいと思います。

気持ち悪さを正す方法を知る頃には既に初心者ではないので、どんなことがあっても心配要りません。苦痛の中に光明を求められるかもしれないので。

紙、鉛筆、消しゴムそれだけでいい

これを言うだけなのに長くなってしまいました。
なぜこの3つでいいかを少し過剰に説明したような気がします。

最後に、少し不便な道具で始めたほうが、道具のそれぞれの使い方を知ることができるのではないか?と言う思想で、日頃から教えています。

初めから便利なものや、使い方もわからない新しい利器を持ったとしても、使い所も的外れなら活かす方法を知るのも時間がかかると思います。
そんな時間があるなら、色々書いてみたほうがいいし、間違って直して間違って直して、、、してみたほうがいいと考えます。

実は初心者が最初にやることは書くことではなく、対象をよく観察し描くと言うセットをいかに習得できるかと言うことに尽きるので、もしも、観察と描画がちゃんとセットになっているのであれば道具はそれほど問題じゃなかったりします。

その上で、私個人の希望を言えば、消しゴムもいらないと付け加えておきます。
まず描く、そして描く。消すことは意識せず。
本当に最初の最初の方にはこちらをお勧めしたい。
少し上手に描けるようになるまで消しゴム類は無しでいけますので、気になる方はお試しください。

まあ、その話の詳細は次回にしましょう。大したことではないけどね。

長々ありがとうございます。
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