われ絵画講師なり その2
私の特異な絵画教室の話ですが、それよりもまず一般的な絵画教室とはどんなものかという話をしてみます。
これらはあくまで他教室から移籍された生徒から聞いた話ですので定かではないので悪しからず。
しかもこれから上げる教室は一見すると(見学や、体験講習時には)普通の教室のようなので判別が難しかったりします。
その1 経験年数順に席が決められおり、初心者で入会すると、末席に指定されお茶汲み、お菓子当番から。講師からの指導は稀で1年に数回あるかどうか。当然、見てはもらえないので上達しないが、稀に自主トレで上手くなると今度は経験者にいじめられる、という教室。
こういう教室から移籍された方々は大抵1ヶ月くらい過ぎた頃に、お茶汲みをしなくていいのか、とか、先生に質問したら怒られるだろうかとか信じられない話がポンポン出てきます。
その2 講師の絵を写すしか許されてないクラス。やりたいことがあっても即却下。講師の書いた絵をひたすら模写し続ける。できなければ容赦なく罵声を浴びせられる。
この講座は講師を知っていたので、ショックだった。加えて、講座内で泣かされて講座が怖くなってしまったという生徒さんもおられて、衝撃を受けました。スパルタ絵画講座。筆に錘をつけたり、肘の下に画鋲を置いて机に肘つけたら痛みを伴う、みたいなこともやってそうです(想像)。怖いですね。
上の二つはかなり衝撃的な教室です。でも講師の気持ちはわからないでもないです。その1の上級者にしか教えないスタイルは理にかなっているようにも思います。上級者ほど教えなきゃいけないことは多角化します。それに比べて初心者には教えることはほとんど無いように思うこともあります。だとしても極端だなぁと感じた講座でした。
このタイプの講座の講師は、確認が取れたことはありませんが、おそらく講師の所属する画壇へスカウトし、画壇における自身の勢力を拡大するためにやってると思われます。上級者となり、自分の指導で画壇の会員となれば、講師の画壇内の評価も上がるのでしょう。だからと言えども、決してダーティな話ではなく、そういう講師の意識はとても一般的な考え方と認識した方がいいことです。
その2の教室もわからないでもないです。自分の絵を模写させれば、どこに気をつけるべきか教えやすいでしょうから、これまた理にかなっています。けれども講師の人間性が最悪だなぁと思いました。この教室から移籍された方は、かなりキツく罵倒されたようで、それが元で講座に行くことができなくなってしまった、と涙ながらに教えてくださって、70歳過ぎの老婦人をここまで追い詰めるなんて、どうかしてると思ったのを覚えております。
まあ、でも、こうして色々な講座の情報が入ってくると、その問題点もさることながら自分の講座に活かせる部分もあるかもしれないと思っています。それらの情報を糧に、日々、試行錯誤を続けて行けるので、教えてくださる生徒さんには感謝しかありません。
その3 比較的多い情報としましては、講師は基本的に何も教えない。教えたとしても、講師の知ることだけでそれ以外の質問をした場合、素人がそんなことは知らなくて良いとたしなめられてしまう、という講座です。
もう一つよく聞くのが講師が気に入らなかったり、気になるところがあると生徒から筆を取り上げて全て講師が描き込んでしまう講座。場合によっては生徒が一生懸命頑張った成果を消し、上から描き直してしまうという。
これがかなり多いのです。かくいう私も美術予備校時代そういうことがあったので、未だにあるのだなぁという一種の懐かしさと胸糞の悪さが脳裏に蘇ります。
さて、ここまで色々と書き連ねましたが、たくさんの講座の情報を受けて何年もかけて私が決めた方針は
その1、生徒の希望をとことん聞く
その2、生徒の作品には極力手出しはしない
その3、わからないことやものがあった場合はちゃんと調べ試作を重ね生徒がわかりやすい形に仕立てて教えるようにする
この三つを常に意識して教室に臨むことにしています。
今回は他講座の話をしました。私の講座の方針もお話ししましたが、次回は一筋縄ではいかない生徒の話をしたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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