モノクロの諧調と露出

露出はどのように決めていますか?

大抵の場合、「平均測光」で決めているのではないでしょうか。

平均測光の場合、極端に明暗差がある場合の撮影では、自身がイメージした写真とならないケースがあります。

また、デジタルカメラによる撮影は、撮影した画像を確認して調整することも可能ですが、フィルムによる撮影の場合はそのように行きません。

自身がイメージした通りの絵を、的確な露出で撮影することで、後工程における加工が最小限となり、プリントが容易となります。

また、これはフィルムにおける撮影だけではなく、デジタルカメラを使う場合においても同様であり、適当に撮影したものをRAW現像時に補正するということは、限界がありますから、必要な知識といえます。

このnoteは、モノクロにおける諧調の考え方と露出決定をどのようにしているか、私が普段やっていることを簡単に?説明するものです😇

間違っていてもなんくるないさの精神でご覧ください😇

諧調について

モノクロの諧調は、完全な黒から完全な白までの諧調を、大抵の場合、11段階に分割することが可能です。

大抵の場合と書いているのは、一部のフィルムや高性能なデジタルカメラでは、さらに諧調を細かく分割することが可能だからです。

この諧調を11分割するという考え方は、アンセル・アダムス氏が考案したゾーン・システムに則っています。

露出計で測定して求められる露出は、レベル5の中間グレー、いわゆる18%グレーです。

このことを念頭において、露出をコントロールするのが、私のいつものやり方です。

画像3

平均測光では写真のコントロールはできない

平均測光は、ファインダー内の各箇所の明るさを測光し、平均値を算出する測光方法です。

曇天のように、光が均一に回っている場合は有用な測光方法であることは間違いありません。

しかしながら、冒頭で述べたように、極端に明暗差のあるような場所では、イメージと合致しない写真が撮影されてしまう場合があります。

イメージ通りの写真を撮影するためには、ファインダー内の各箇所に対して測光し、諧調・レベルの差を把握して、イメージを固めていく必要があります。

実際の例

ここまで文章で記載してしまったので、具体的に私が何をして写真を撮影しているか、実際にご覧頂きたいと思います。

(例1)

画像1


私の好きな撮影方法です。

可能な限り写真に写るものをシンプルにした上で、シンボリックな人物のシルエットを追加します。

やり方は非常に単純で、人物の露出を測定するとゾーン5の露出を得ることができます。そこから、黒の質感がある程度分かるゾーン3となるように露出補正して撮影します。要は、アンダーに補正するということです。実際に補正する値は、後でプリントする際にフィルターで補正できる範囲であれば、そこまで大きく補正する必要はありません。2ステップの範囲内での補正になると思います。

動いている人物を写真に入れる場合、シャッターチャンスを逃してまうことがあるので、あらかじめ中間グレーとする場所を決めておいた上で、肉眼で見て補正が必要かどうか判断するという方法もあります。

例1の写真は、後者で撮影しています。

枯れ草がレベル5となるようにあらかじめ露出計で測定して、たまたま通りかかった人が、反射率の低い黒色の服を着ていたので、諧調の差が大きいと判断してそのまま撮影しています。

本来は、写真上で黒色とする場所を測定した方が後で困らないと思いますが、動体に対してその余裕はないと思います。

待って撮るスナップでも、このような方法を用いて、私は撮影しています。

一瞬訪れたチャンスを撮影するようなスナップでは、このような余裕はありませんから、平均測光値を測定しておいて、その露出で撮影しています。

そのため、上のような露出決定はできないと思った方がいいです。

露出決定はプリントした際に最も黒色とする場所で決める(私の場合)

(例2)

画像2

こちらの写真は、人物を測定して得たゾーン5の露出値から補正して撮影しています。

2ステップほどアンダーにして、人物はゾーン3としました。

また、後工程のプリント時に4 1/2号のフィルタを使用することで、さらに諧調に差をつけています。

このようにすることで、黒色とした箇所の情報をフィルム上では持たせつつ、プリント時に不要と判断した場合は、フィルタなどで補正することでさらに諧調に差をつけて、完全な黒とし、情報を排除することができます。

以上のことから、私が露出を決定する際は、フィルム上ではゾーン3の黒を基準に決めるようにしています。

なぜかというと、写真上で黒色とする箇所は露光が足りていない箇所、ともいえるからです。露光の足りていない箇所は後から頑張っても情報を引き出すことは困難ですので、プリント時に使わないとしても、フィルムやRAWデータ上では情報を持たせられる露出に設定すべきと考えます。

逆に、撮影時点でシャドウ部の情報不要と判断する場合は、その限りではないともいえます。私は、人物シルエット前提の場合は上に書いたことは特に気にせず撮影しています。

撮影時における補正の限界

例示した通り、補正することで自身の意図した写真にある程度コントロールすることが可能となりますが、撮影時における補正には限界があります。

一部に対して極端な補正を行うと、他の箇所の諧調も併せて補正されていきますから、最悪の場合、同じレベルになってしまい諧調がなくなります。

そのようなことを防ぐためには、露出による補正ではなく、現像やプリント時に補正することで、意図した表現とする外ありません。

これら一連の動作がアンセル・アダムス氏の考案したゾーンシステムの全体の流れへ繋がるのだと思っています。

今回は諧調と露出のお話(一部後工程の話に言及していますが)としていますので、ここまでとしたいと思います。つまるところ。。。 

皆さんもスポットメーターを買いませんか?😇

特にフィルムで風景撮影される方、如何でしょうか笑

モノクロの風景やスナップは、諧調・コントラストを明確にすると分かりやすい写真となりますので、そのような場所を見つけて撮影することも大切だと思います。

以上となります。

ゾーンシステムをもう少し学んだら、続きを書きたいと思います😇




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