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今でも読みたい昭和コミックス① 「エリア88」

ずっと好きで今でも読みたい昭和コミックスを書いていきたいと思います。

第1回 「エリア88」

作品は1976年から1989年まで連載されていた漫画です。

詳細は、まぁ上を見てもらうとして、とにかくハマりました。
初めて読んだのは中学生の時だったでしょうかね。

今読むと、確かに設定とか無理のあるところは多々あるんですが、だとしても面白かった。

まず、少年誌に連載していたとは思えないくらい舞台がマニアック。

場所は中東、アスランという架空の国家。その国の王族の内戦が描かれます。
と聞くと、なんだかチープな設定、なんて思うかもしれません。
それが全くクールかつハードなストーリー。

そのアスランという国の一方の勢力、国王派政府軍、空軍外人部隊「エリア88」、司令官であるサキ・ヴァシュタールと主人公の風間真に仲間のいろいろな国から集まった訳アリの外人兵たちを中心に物語が進みます。

だいたい少年漫画なのに部隊が中東の内戦って。
まだまだ子どもだった私は、この漫画でいろんなことを学びました。

架空設定にはしていたのですが、揉めていた中東紛争の構造や、傭兵部隊の存在、当時は冷戦真っただ中でしたから、世界の勢力図などニュースでは分からないことが、ストンと入ってきたものです。
政財界や国際政治の裏舞台、裏社会との関係性、他にも代理戦争の構造なども描かれてました。

スイス銀行の存在や、会社がお金で買えること、戦争がビジネスになることなど、全てこの漫画で知りました。

他にも、国が乱れると即座に外部勢力が入り込んで好き放題やりだすなど、現在も世界で起こっていることが生々しく描かれてましたね。
そのアスランでも、内戦に乗じてマフィア系の武器商人グループが新たな兵器を持ち込んで、兵器実験をするんです。砂漠空母や無人戦闘機なんて、今でいうドローン兵器です。

それに、とにかくクールなんです。主人公の風間真は親友に騙されてパリで入隊契約をしてしまうのですが、他は基本的にそれぞれの理由で国にいられなくなったり、お金目的で入隊しているのです。
つまり、一癖も二癖もある男ばかりで、それらを束ねるサキ・ヴァシュタール司令官のハードでクールなリーダー像は今みてもカッコいい!

それに、部隊に出入りしている武器業者マッコイじいさんの存在が秀逸です。武器商人兼雑貨屋みたいな存在で、どこから仕入れたか分からないようなミサイルを格安で売りさばいたりするんです。一見お笑いキャラの親しみやすいじいさんって感じですが、実は凄味もあるという。

登場人物が語るセリフも、かっこいいんですね。いわゆる名言的なものもあくさんあります。
例えば・・・
金を払ってもらえる限り俺はこの国の味方だぜ。(グエン・ヴァン・チョム)
信用を得るために生き残るんじゃない。生き残っているから、信用がついてくるんだ。(風間真)
死ぬなよ!予定が狂う。(風間真)
金も払わずに頼みをきいてくれるのは神様だけだ(サキ・ヴァシュタール)
他にもたくさんです。

最終的には、世界中の財界など、いろいろな人たちが集まって作った裏の結社「プロジェクト4」が中東の紛争地を実験台に、持続可能なように世界の戦争を武器や兵員、資金をコントロールし半永久的に戦争ビジネスで利益をあげ続ける仕組みを実行に移します。その中には、クローン技術による人造兵士など、リアル社会でもどっかの国が研究してるんちゃう、みたいな内容もでてきます。

いやいや、書き出したらキリがありません。
確かに現在の作品と比較したら、絵柄やセリフ回しに古さはあると思いますが、多分若い人が読んでも面白いと思います。
そりゃ、F-14トムキャットが最新鋭って書かれたりしてますけどもね。そこは古い作品なのでご愛敬。

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