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需給ギャップ

日銀から四半期毎に公表される需給ギャップと潜在成長率の統計が発表されています。「なお、推計値は、推計手法によってかなり異なる値をとりうるほか、様々な推計誤差が含まれるため、十分な幅を持って評価する必要があります」と日銀自身が述べているように、いろんな見方や解釈ができ取り扱い注意のため、以下は個人的な印象です。

(1)潜在成長率がゼロ・・・

これは残念です。高齢化社会への対応・長時間労働の改善を目的として、労働力(就業者数×労働時間)を資本ストックと生産性の代替させる試みはグラフを見る限り限定的にしか成功していないようです。経済がサービス経済へ移行するればするほど、資本ストックは増えそうになくなるので、生産性を引き上げる方向ことが重要になってきますが、中々上手くいっていないためです。

生産性とは効率をあげる事。一般に仕事には「効率を上げること」と「フロンティアを広げること」の二つがあると思います。日本人が得意なのは前者で、後者は苦手、と世の中的に理解されていると思います(最近の若者を見ると、必ずしもそうではなさそうな印象もありますが・・・)。

しかし、この手の統計が主張したいこと、或いは、政府や経済学者が訴えていることは、フロンティアを広げることのように思います。

生産要素の質を上げながら代替し、潜在成長率も高める。中長期的な難しいこの課題に対して、この推計結果から言えることは「道半ば」と思います。


(2)生産要素ギャップDIの不足感、悲願の解除への第一歩になる?

車の性能で潜在成長率を表すとしたら、アクセルを目一杯踏み込んだ時の最高スピード。実際のスピードが最高速度を超えることはありません。もし超えたらその自動車は壊れてしまうでしょう。経済でそんなことが起こったらどうなるか。オーソドックスな教科書に従えば、インフレ率が上昇することになります。

日銀短観によれば、足元では資本ストック不足感、労働力不足感が強まっているとの結果が得られています。今後生産要素の不足感がさらに強まり、一方で今後コロナ禍が収束に向かい経済活動が正常化し需要サイドも相応に立ち上がってくるとなれば、最高速度以上のパフォーマンスを日本経済が示すことになる?可能性もなくはなさそうです。さすれば日銀悲願の異次元緩和への解除の第一歩も見えてこようものです。超楽観的な見方ですが。





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