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競馬が先かウマ娘が先か

 ウマ娘プリティダービーというゲームアプリが配信された。制作発表時点から追いかけていたコンテンツだったので、感慨もひとしおなのだが、そもそも私は競馬好きの血が流れているので、競馬そのものも好きなのだ。

① エイシンフラッシュが与えた興奮

 私は競走馬エイシンフラッシュが好きだ。ウマ娘のキャラとしても非常にかわいいので好きだが、そもそも初めて自分へ競馬の興奮を与えたのがエイシンフラッシュだったからだ。

 母方の祖父と叔父が競馬好きで、たまに週末遊びに行っても時間になると競馬を見始める。初めは馬が走ってるだけで訳わかんないし、なんかテレビの中の人が盛り上がるタイミングでおじいちゃんも叔父さんも騒ぎ出すしでなんか苦手だった。そんなある時、泊まりで遊びに行っていたのだが、競馬の大きなレースがあると聞いた母親が自分も少し買おうと言い出した。我が家では基本は祖父と叔父、現在ではそれに私を加えた3人が馬券を恒常的に購入するのだが、大きなレースの時は祖母や母親も何となく予想して買ったりするのだ。そこで「エイシンフラッシュ」という競走馬を見つけた。私の本名と似ていることもあり、母親は「アンタの馬券だからね!」といって単勝の500円馬券を渡した。競馬玄人の祖父は「エイシンフラッシュなんか来ねぇよ」と鼻で笑っていた。
まずそこで、私は名前が似ているその馬に愛着を持った。

 このnoteを書きながら調べてみるとこのレースはおそらく2010年の日本ダービーで、エイシンフラッシュはこの時7番人気だったという。来ないといわれてもおかしくない人気だ。細かいことは覚えてないが真ん中から突如現れ、勝利する姿はとても美しく、心を熱くさせたのを覚えている。
つまり、私は中学生ながらにして初めての競馬で勝ってしまったのだ。
(お金は出してないので儲けてはいない)

 YouTubeに上がっている当時のレース映像を改めて拝見した。序盤中盤は馬群がモタモタと走り、最後のコーナーから直線でスパートがかかりだす。1番人気のヴィクトワールピサが飛び出ようとするが、馬郡の真ん中からローズキングダムが出て、後を追うようにエイシンフラッシュが出ていた。二頭が競り合いながらギリギリのところでエイシンフラッシュの勝利。なんと熱いレースなのだろう。ローズキングダムも、期待されていた馬ではあったものの5番人気で、馬連で167倍、ワイドでも40倍の高配当だったらしい。

一応JRA公式のレース映像がこちらだ。なんとも画質が悪いので、気になる方は高画質のものもたくさんあるので他の動画を探してみてくださいね。

②  東京への引っ越しとウマ娘と

 そういえばウマ娘の話をしていない。ウマ娘は2016年に制作発表が行われた。①の話のように競馬がかなり身近で、グランブルーファンタジーやアイドルマスターシンデレラガールズなどのサイゲームズ関連のゲームをプレイしており、会社そのものにも注目しているところでの発表だったため、最初からかなり興味を持っていた。
 そして同年末ごろに私は色々あってあの母方の祖父母の家に引っ越すことになった。埼玉から東京への引っ越しで、やりたいことがやりやすくなってワクワクしていた。自分の部屋としてあてがわれたのはかつての祖父の部屋だった。家が古く、そもそも二階に行くには外階段で危ないとのことで、私が引っ越す数年前から一階でしか生活しておらず、ちょうどそこに収まることになった。部屋に飾りっぱなしだった一枚のパネルが、私にとってのウマ娘とのもう一つの交差になる。

 詳しいことは聞いていないがこのパネル写真は競馬場で購入できるらしい。これは1997年の日本ダービーの写真、1着馬の鞍上は武豊さんでその名をスペシャルウィーク、ウマ娘では中心となるキャラクターだ。祖父に話を聞くとこのレースで大勝したらしい。たまたま私の生まれ年でもあるのでここにきてスペシャルウィークへの愛着が急激に湧いてきたのだ。ここにスペシャルウィークがいたことで、後々の推し馬との出会いが発生する。

 私が馬券を買えるようになったのは2017年からで、当時はキタサンブラックとサトノダイヤモンドが大人気の頃であった。オタクで天邪鬼な自分はそいつらに食らいつく馬を応援しようと決めてしまった。それがシュヴァルグランである。すごく良い馬で大好きだったのだが、まあ勝てない。馬券を買い始めてからは結局17年のジャパンCしか1着はとれていないようだった。ブロンズコレクターというか、2着か3着には入ってくれるのでワイドばかりを購入する自分としてはよくやってくれたと思っているが、応援馬券は損してばかりだった。

③ いざ中山へ!ホープフルSでの新たな出会い

 「競馬場に行こう!」そう決めたのは2018年になってからだった。理由はとにかく就職してしまうと自由が減るのではと危惧したからではあったのだが、踏ん切りがついた最大の理由は珍しい平日開催があったからだった。
2018年12月28日(金)有馬に隠れた最後のG1ホープフルSが開催された。若い馬の初めてのG1であるため地味な印象が大きいが、未来のスターを発見することもできるレースなので推しを作りたがってしまうオタクな自分はかなり注目するレースだ。

 特に情報は仕入れずその場で予想しようとだけ考えて電車を乗り継ぎ到着。平日だから人も少ないだろうと思っていたが結構な人だった。写真がなくて残念だったが中山競馬場の最寄り駅から競馬場へ向かうコンコースの中ではかつての名馬たちの写真が壁面に描かれているので、ウマ娘から競馬に入った人は興奮すると思います。アニメ1期も放送された後だったので私はとても興奮しました。

 入口でもらった出馬表を見つつ予想を始めたら先ほど書いたように推し馬との出会いがあった。
 スペシャルウィークの孫にあたるサートゥルナーリアだ。これだ!と思った。正直シーザリオの子で鞍上デムーロだったので2倍を切った一番人気であり、私が言うまでもなく注目の馬だったのだが、初心者でプロの予想も見ていない自分には関係なかった。

応援馬券とルメールがらみのワイドなどを買って、とりあえずレースまで競馬場を散策することにした。

当時武豊さんがウマ娘公式プロモーターとして参加してくれていた。競馬場内に広告が張られていて競馬ファンのおじさまたちは何を思っただろう……

 キッチンワゴンで売られているG1焼き。要は今川焼。G1焼きサイドが今川焼を名乗っているのでしょうがない。形状が実は丸ではなくて下部が平たくなっており、蹄鉄を模しているらしい。だったらチュロスとかで形作ればよかったのに。

 外の広場でパシャリ。あんなにスペシャルウィークスペシャルウィーク言ってたのにトウカイテイオーのグッズを購入している自分。Machicoさん好きだから……

 当時有馬記念とコラボ中だったガンダム。これを撮影した直後に「みんなのKEIBA」のリポートのためにDAIGOさんが現れてビビった。テレビで見る10倍くらいかっこよかった……すごく背が高いし美形ですげぇ好き。当然禁止されているため写真はない。

 そしてレース前になり見に行ったパドック。写真中央はおそらくニシノデイジー、ウマ娘的に言うと母がアグネスタキオンを父に持ち、セイウンスカイとニシノフラワーの子供が母親という過積載っぷり。応援してあげてね。

 またも公式動画でのレース映像、最近のものだからかとても画質が良い。結果としてサートゥルナーリアが1着パドックで写真を撮ったニシノデイジーは3着になった。初めて行った中山競馬場を満喫し、ついでに飲み食いして電車賃を払っても小銭が手に入るくらいの利益を出すことができた。

④ ありがとうサートゥルナーリア

 楽しませてくれたことに感謝を述べたい。怪我が良くならず、1月に引退が発表された。成績は10戦6勝、ホープフル以降、私も非常にいい思いをさせてもらいました。足の怪我が致命的になってしまうことはウマ娘2期を見ていても非常に感じる。というより、2期で描かれたトウカイテイオーの怪我の描写に、サートゥルナーリアを重ねずにはいられなかったのだ。有り余る才能を発揮しきれなかったが、種牡馬として子供たちに才能を継承していくことを願うばかりです。コロナが収まったら北海道に行って顔を見に行きたいと思っています。

⑤ 最後に

 終始言っているように、私は競馬も、ウマ娘も大好きです。このコンテンツは非常に微妙なバランスで成り立っています。特にキャラクターとして扱っている馬は実在のもので、血のレースともいわれる競馬では財産そのものと言えます。ファンが少しでもコンテンツに、ウマ娘たちに乱暴な扱いをすればたちまち崩れてしまうものでもあります。ゲームが配信されたことで一大ムーブメントになっていること自体はうれしくもありますが、美少女コンテンツそのものはまだまだ白い目で見られる部分もあり、競馬を楽しんでいる世代の方々、また許可をいただいているとはいえ、権利を持つ馬主の方々も心から歓迎されているわけではありません。協力していただいている細江さん、武豊さんの思いを裏切ることなどないよう、コンテンツを楽しんでいただきたいと思っています。

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