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ガチ恋

はじめに

声劇用にこさえました。
使ってくれたら嬉しいです。
一番下に利用に当たってのお願いを置いてます。


キャラクター

男…64歳。配信者にガチ恋してる男。最初は声は若くして欲しい。本性がバレてからは老人声で
女…ミミ。20代。配信者
リスナー…兼役でも良い。ミミの枠のリスナー

本編

男:君はいつも素敵な声で僕らを楽しませてくれる。そんな君に僕はいつしか恋をした。
男「今日も元気な君の声が聞けて嬉しいよ。」
女「ありがとう!私も来てくれて嬉しいよ!」
男:あぁ、耳に馴染んだこの声が愛おしい。
男「今日も仕事で疲れたよ。でも君の声が聞けるから疲れも吹っ飛ぶ!」
女「いつもお疲れ様!お仕事大変だったね!」
男:僕の事を気づかってくれる。それだけで満足出来ていた。なのに最近は無理だ。僕はこの気持ちを抑えられなくなってきた。
男「ねぇ…」
女「どうしたの?」
男「君の元気な声が聞けるだけで僕はすごく助かってるんだ。」
女「うん、私もいつも来てくれるの、助かってるよ」
男「僕は君と過ごす時間がとても好きなんだ。」
女「私も好きだよ!」
男:あぁ…僕は君と繋がっていたんだ。僕が君のこと好きなように君も僕の事、好きだったんだ。
僕は有頂天だった。まるで夢の中にいるような、そんな心持ちだった。
夢?
もしかしたら、これは夢かもしれない。だから僕は彼女にメールした。
男「お疲れ様!さっきは好きって言ってくれてうれしかったよ!本当に僕のこと、好き?」
女「お疲れ様!うん。いつも来てくれた声を褒めてくれるし、お仕事頑張ってくれてるもん。私のためって色々頑張ってるからほんとにいつも助かってるよ。だから私も好きだよ。」
男:やっぱり夢じゃなかった!こんなに嬉しいことは無い。僕は、僕は、もう夢見心地だった。これが真実の愛だ。純愛だ!
あぁ、報われた。報われたんだ!今なら神様が居ることを信じられそうだ!
それから僕はますます彼女に夢中になった。彼女が頑張るから僕も頑張った。彼女が元気がないなら励ましてあげた。その度に彼女の素敵な声が聞けた。あぁ、愛する彼女のために僕はどんな事でも出来るような気がした。
女「あ、今日も来たんだ…」
男「うん、今日も来たよ。僕が来ると君も嬉しいでしょ?」
女「うん…あ、よっしーお疲れ様!」
男:みんなに挨拶する彼女。律儀だよね。でも、ほかの男に勘違いさせたらマズいよね。
男「みんなに挨拶するのはいいけど、あんなに愛想良くしたら勘違いさせちゃうよ!」
男:僕は親切心でメールした。
女「気をつけるね」
男:素っ気ないメール。多分、反省してるんだろう。素直な彼女が可愛い。
女「…お疲れ様…」
男「お疲れ様!僕のミミちゃん!」
男:この頃には僕は彼女を名前で呼ぶようになっていた。なんせ彼氏だからね。
女「…その、あなたのミミではないです…」
男:恥ずかしがっているみたいだ。可愛いなぁ。
女「後、もうDMするのやめてくれませんか…」
男:え?僕は耳を疑った。だって彼女とこっそり愛の言葉を囁く事が出来るメールをやめろと?
男「ミミちゃんどうしたの?メールをやめてって…それにみんなが見てる前だよ?なんでそんなこと言うの?」
女「もう、気持ち悪くて見てられないの!絡みたくないの!」
男:僕は耳を疑った。なんで彼女はそんな事を言うんだ?僕はあんなに彼女のために頑張って来たのに。なんで、なんで!
僕はどんどん怒りが混み上がってきた。でも、ここで怒るのは大人の男としてダメだと思って我慢した。僕の方が年齢も精神的にも大人なんだから。
男「ねぇ、なんで君はメールしたくないの?僕は君のことを思って…」
女「そういうのがもう気持ち悪いの!いつもいつも…彼氏面して絡んでくるの。もうやめて!」
男:僕は目の前が真っ白になった。真っ白になって何も考えられなくなった。だから、そっと僕は退室した。
しばらく何も手につかなかった。
彼女はなんであんなふうに変わったのか。
よく聞く蛙化現象ってやつか?いや、倦怠期かもしれない。
なんにおいても彼女の怒ってる理由が分からなかった。
それからしばらくは彼女に会いにいくのをやめた。いや、反省させる時間が必要だ。彼女には僕が必要じゃないか。
そうだ、僕が必要って分からせたらいいんじゃないか。
いつも彼女の為にプレゼントを用意して、彼女のために頑張っていた僕が会いに行かない。そうしたら彼女が困ってお詫びするに決まってる。そうだ、そうだ!さぁ、僕はいつまでも待つよ。待つよ。君が連絡してくるまで、いつまでも待つよ!

男:…意地を張るな。意地を張っても誰も得しないぞ…

男:…あぁ…いつまで続くんだ…早く、早く連絡してきなよ…
…ここまで頑固な女だったなんて思わなかった。
なんなんだ!こうなったらこっちから説教をしに行ってやる!
男「おい!」
女「え…もう来ないと思ってたのに…」
男「来ないと思ってた?君に反省する時間を与えただけじゃないか!それにそろそろ僕が行かないと君が寂しくて辛いと思ったんだ。僕は君のためを思って来たのになんで来ないと思ったなんて言えるんだ!」
女「ちょっと!もう気持ち悪いからやめてって!」
男「気持ち悪いってなんだ!僕は君の彼氏じゃないか!」
女「彼氏?なに勘違いしてるの!アンタなんか彼氏なんかじゃないわ!」
男「おい!君も僕の事好きって言ったじゃないか!」
女「好きなんて言うわけないじゃない!」
男「配信中に好きって聞いたら好きって言ったじゃないか!それにメールにもはっきり好きって」
女「それはリスナーとして感謝してるから、リスナーとして好きって意味じゃない!」
男「え?じゃなにか?君は僕を騙していたのか!」
女「騙したもなにも、貴方が勝手に勘違いしたんじゃない。」
男「勘違い…そ、そんなこと、あるわけが無い。君、売り言葉に買い言葉じゃ後悔するぞ!」
女「後悔なんかするわけない!」
男「君にいくら貢いだと思ってるんだ!クリスマスイベントも年末年始のイベントも君が頑張るって言うから、だから君に専用アイテム送り続けたんじゃないか!」
女「確かにあの時は助かったけど。でも投げるって言っても1回のイベントで3000円も使ってないじゃない!それでいくら貢いだとか言われても大した事ないじゃない!」
男「な!こっちは頑張って君のために働いてきたのに、その中で頑張って捻出したアイテムばっかりじゃないか!」
女「わかってる。わかってるけど、それで彼氏面されたり、貢献したとか言われても気持ち悪いだけなの!それに貴方の年齢っていくつかわかってるの?」
男、老人声で
男「64歳だけど…」
女「そう!64よ!私はまだ20になったところなのよ。親子か孫くらい離れてるじゃない!」
男「だけど…愛に年齢は関係ないって言うじゃないか…」
女「都合のいい言葉ばっかり言わないでよ!工場勤務のバイトのおじいさんなんか、愛があっても付き合えないわよ!」
男「あ…あぁ…」
リスナー「気持ち悪いw」
男:やめろ
リスナー「いや、もうツッコミどころしかない」
男:やめろって
リスナー「掲示板とかで見る痛いおっさんやんwww」
男:僕は悪くない。僕は。僕は…僕は悪くないんだ!
女「もう、枠に来ないでください。貴方の事、ブロックさせていただきます。」
男「そ、それだけはやめてくれ!」
女「それから、SNSもブロックするからか!」
男「やめてくれ!いや、謝る。謝るから許してくれ!」

男:あ、あぁ…僕が何をしたのだろうか…
こんな惨めな思いをなんでしなくちゃいけないのだろうか…
真実の愛を見つけたと思ったのに、これはあまりにも惨めすぎる。
…そうだ、これは結婚詐欺だ。結婚詐欺に決まってる。
だから、弁護士に相談しなくちゃ。
でも、その前に女の子に慰めて貰わないと…
あ、この子のアイコン可愛いなぁ
ちょっと覗いてみるか…あ…可愛いなぁ
[完]


最後に

こちらは朗読用に書いたフリー台本です。
ご利用の際には以下のページを一読お願いします。


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