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ほくろが嫌で切除した話

僕は顔にほくろが多い。

顔の中心部に目視できる範囲で8個ある。

数えるたびにほくろの数が増えてきているような気もする。

小さい頃から顔のほくろで散々いじられてきたものだ。

無数のほくろのおかげで顔が汚いという印象を受けるらしい。

「桑田(元巨人の投手)みたいでいいね」という褒め言葉なのかどう受け取ればいいかわからないことも言われた。

いずれにせよ、無数のメラニン細胞が僕の顔のアイデンティティとなっていることは嫌だった。

中学生の頃の写真には、小さくて見づらいがほくろが写っている。

容姿のコンプレックスは8割方ほくろだった。

子どもは思ったことをストレートに言うもので、塾講師のアルバイトをしていたときも小学生から「先生の顔ほくろ多すぎ」と言われた。

自分の顔のほくろが憎たらしかった。

ほくろの取り方を検索し、カソーダというひまし油と重曹を合わせたクリームを塗るとかさぶたのようにほくろが取れるという情報を知った。

通販でカソーダを購入しほくろに塗ってみたものの、虚しくも取れることはなかった。

ほくろが嫌でも受け入れるしかないな、と思ってた大学3年生の頃、ほくろを切除すると決めた出来事があった。

台湾を旅行したとき、有名な占い横丁を訪れ面白半分で占いを受けてみた。

そこでの占術師の言葉が忘れられない。

「ほくろを取りなさい。ほくろがあなたの運勢を悪くしている。」

ここまで自分のコンプレックスだったほくろが「運勢を悪くしている」とまで言われたのだ。

だから決めた、美容整形でほくろを切除すると。

ネットで検索して、見つけた都内の美容整形外科に予約をした。レーザーでほくろを切除するのだ。

ほくろの大きさにもよるが、切除は1つあたり3万円とのお話だった。

家族に黙って訪れたため、いきなり大量に切除するとバレるだろう。しかも予算がない。

なのでまずは鼻の中央にあるほくろを1つ切除した。一生もののコンプレックスが3万で解消できるのは非常に安いものだ。

その二ヶ月後、鼻の左横にあるほくろを切除した。皮膚に深くメラニン色素があったため完全に切除はできなかったが、それでも色は薄くなった。

切除したほくろは2つのみだが、それまで悩んでいたことは大幅に解消されたと思う。

自然と自分の容姿に自信を持てるようになってきた。

なんだ、ほくろがない自分はこんなにも世界が美しく見えてくるんだ。

僕はほくろを取った程度だけど、自分の姿形が良くなることは生まれ変わることだといっても過言ではないと思う。

だから僕は美容整形を悪く言う人が理解できない。

自分の容姿のコンプレックスが解消できるならそれで構わないと思う。



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