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「オタク」は「研究家」になった方がいいと思う

僕はオタクが嫌いだ。

Wikipediaによると「大衆文化の愛好者」であり、ニコニコ大百科によると「自分の好きな事柄や興味のある分野に傾倒しすぎる人」のことをオタクと呼ぶらしい。

僕自身もオタクを自称していた痛い過去があるから断言できるが、オタクであることを対外的にアピールすることは著しい機会損失である。

なのでオタクであることは好ましいことではないが、見方を変えれば「研究家」になれる可能性もある。

オタクの世間のイメージは悪い

「オタク」という言葉を好意的なニュアンスで捉える人は少ないであろう。

オタクのイメージが悪くなったといわれるのが1989年に発生した東京・埼玉連続幼女誘拐事件であり、犯人である宮崎勤死刑囚がオタク趣味であることを報道されてから30年経った現在でもオタクのマイナスイメージは拭い去れないでいる。

アニメ、アイドル、特撮、鉄道、軍事などなどコンテンツは違えど熱狂的にハマる人は偏見なのは承知で人間性に問題ありだと思われてしまいかねない。

野球が好きで学生時代は野球部、大人になっても草野球に参加する人を「野球オタク」と呼ばれることはないと思うが、野球経験はほぼないがプロ野球選手の打率や勝利数、リーグ優勝の歴史のようなデータに強い関心を持つ人は野球オタクと言えるかもしれない。

スポーツのようにチームメイトや対戦相手があって成り立つ趣味はオタクと言われることはほぼなく、自分一人で楽しみ満足できる趣味しか持たない人がオタクと呼ばれることがほとんどである。

そのためオタクは友人が少なく、友人がいたとしても同じ趣味のオタク仲間くらいの繋がりしか持てなくなる。

オタク繋がりの仲間でも知識マウンティングになることがまたオタクのよくないところである。

自己紹介で「鉄道が好きで日本全国すべての駅名が言えます」とかいう人に鉄道の話をすると知識量をひけらかしてくるのが目に見えている。

こういう人は発達障害のASDと診断される可能性が高いと思うが、その話をすると書ききれなくなるのでこれで締めることとする。

「オタク」ではなく「研究家」になるべき

僕はオタクは嫌いだけど「研究家」は大好きだ。

僕の知人にも扇風機研究家、サメ研究家、空港研究家、仮想地図研究家など多様な「研究家」がいる。

彼らは博士号を取得しているわけでもなければ専門の資格を持っているわけでもない。あくまで「自称」である。

研究家を自称するからにはそのコンテンツへの最上の愛情を感じずにはいられない。

特定の分野の愛好者であることには変わりないのにオタクと研究家の違いはなんだろう?

おそらくオタクはコンテンツを消費するだけのテイカー(Taker)であり、研究家はコンテンツに価値を付加して提供するギバー(Giver)であることだと僕は思う。

研究家はSNS、ブログ、動画を通してコンテンツの魅力を伝え、依頼を受ければ講演活動も行なっている。

コンテンツは非常にニッチであり、興味を持つ人の数は決して多くはない。

しかし活動を通して関心を持つ人が増えることは研究家としてこの上なく嬉しいことであると思う。

ニッチであるということはブルーオーシャンであり、競合相手がいないというメリットもある。なので唯一無二の研究家になりやすい土壌でもある。

やがて注目を浴びるようになれば専門家としてテレビ出演のオファーをもらえたり著書を出版できることができる可能性もある。

このパターンで最も大成した人物といえばさかなクンであろう。

彼は高校時代にテレビ東京系の番組「TVチャンピオン」の魚通選手権で5連覇を果たすと、水族館や観賞魚店などでアルバイトを経た後魚関連のイラストレーター活動をしていたことが注目されるようになる。

バラエティ番組にも出演し魚類分野の第一人者として名声を高めたさかなクンはなんと絶滅したと考えられていたクニマスの再発見という業績も果たした。

東京海洋大学の名誉博士にもなるという本来「ただの魚オタク」から半端ない立身出世をしたのである。

「自称」研究家が全員さかなクンになれるわけではもちろんない。

コンテンツの人気度や人脈や運も必要だし、その人物のキャラクター性も重要視されてくると思う。

コンテンツの知識だけではなく「絵も描ける」人が表現の幅が広く研究家として活動の幅を広げられると僕は考える。

小中学校で絵を描くのが好きだった人は「オタク!!キモい!!」と言われいじめられる傾向があったように思うが、オタクでも絵を描くスキルを身につけることで研究家になれる素養を高めることができるだろう。

オタクであることは構わないがただの愛好者に留まらず、ギバーとして魅力を他の人に伝える活動をしてみてはいかがだろうか?

ツイッターやYouTubeを通して全世界に発信することができるようになった今の時代、自称であっても研究家になれることは決して難しくはない。

オタクから研究家への転身をすることが人生の幸福度を高めることができると僕は思ってる。


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