深淵からの囁き

さて、君にある話をしよう。この地には、遠くからでも見える大きな山があって、その山の中腹に古い祠があるんだ。何世紀も昔からあるらしくて、その祠にまつわるおそろしい話が伝わってる。

それから一晩、地元の少年がこの山を探検していた。その晩は、風がヒューヒューと吹き、木々がキイキイと擦れ合っていた。少年は、祠を見つけて、中に入ってみたんだ。

祠の中には、何かが動いていた。それは、ゆらゆらと揺れる人影だった。怖がる少年は、その影に向かって逃げ出した。でも、それが最後。それ以来、少年は二度と姿を見せなかったんだ。

それが真実なのかどうかは、君が決めることだ。でも、この話は地元で古くから伝わっているんだ。今でも、山に近づくと、風がヒューヒューと吹き、木々がキイキイと擦れ合う音が聞こえてくるんだよ。

「だから、山に近づく時は気をつけてほしい。君が見るものが全て現実だとは限らないからさ...。」

呪われた誓い

さあ、物語は続くよ。君が先ほど聞いた話、それはこの村で長い間語り継がれてきたおそろしい話だった。あの祠の幽霊、実はある悲惨な過去を持っていたんだ。

その幽霊の名前はユキ。彼女はこの村で生まれ、村の人々から愛されていた。だけど、ある晩、彼女は突然姿を消した。後になって村人たちは彼女の遺体を山の祠の近くで見つけたんだ。

それから数十年後、村の子どもたち4人が禁止されていた山を探検しに行ったんだ。知らなかったんだよ、その山の呪いを。そして、その中の1人、トモくんがユキの霊に呪われてしまった。

それ以降、トモくんは変わってしまった。元気な少年だった彼は、誰とも話さなくなった。そして、ひどい悪夢にうなされるようになったんだ。彼の目には常に恐怖が宿っていて、何度も何度も「ユキが迎えに来る」とつぶやいていた。

物語の結末は、残念ながらあまり明るくないよ。トモくんは、ある日突然姿を消してしまった。そして、彼が最後に見つけられたのは、やはりその山の祠の近くだったんだ。今でも、その祠に近づくとトモくんとユキの声が聞こえてくるんだってさ。