2O24.O5.19 poetry

背中と手


ぼくの視界の左のあたりで

誰かがぼくの背中を見てる

ぼくのふりみて わがふり直し

伸ばした背でまたスマホに戻る


ぼくの視界の右で彼女は

つないでいた手をふとはずす

背中にぬくもり やさしいほほえみ

もう戻らないぼくの背中


かのじょの視界はうす暗闇で

ぼくらはまた手をつなぎなおす

電車にのりこみ ぼくはつり革

変わりゆく人々 静かな車内


彼女の手はきっとこれからも

ぼくのまがった背中のうえに

ぼくの背中はきっとこれからも

彼女がそえる やさしい手のために


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