「ラストリゾート」+企画書

【キャッチコピー】
__勝者は大金、敗者は食糧__

【あらすじ】

2041年

デストロバッタの大繁殖による穀物の不作、と、
世界人口の増加が、切磋琢磨して、

その年……世界は、”未曽有の食糧危機”に襲われた。

これを受け、世界連合は、
人口の減少食料の確保を並行して実現できる、
自主参加型デスゲーム、を、法的に認可する。

そんな狂い始めた世界で、僕は、両親が遺した借金を抱え、高校生ながら借金取りに追われていた。

通う高校は、日本有数の進学校で、アルバイトは勉学の妨げだからと校則で禁止。

故に、詐欺まがいの方法で、返済のお金を稼いでいたのだが、ある日、標的にした男にそれがばれてしまう。

警察に通報されるのを覚悟するも、彼はデスゲーマー組織のスカウトマンで僕を……


【第一話】

昨日は、780円だった購買部の焼きそばパンが今日は790円になっていた。

幼馴染のエイジがそれを頬張る中、僕はその隣で、形がいびつな塩むすびにがっつく。

「一口くう?」

次の一口が一番美味しいところで、エイジは僕に声をかける。

「遠慮なく」

僕は、豪快に美味いところを頂いた。それをもぐもぐしながら、塩むすびをエイジの口の前に差し出すが、エイジは首を振った。

「それで、お前大丈夫なの?」
エイジは空っぽの口を動かす。

僕はもぐもぐしながら、
「今日、部活行けねーわ」
そう言うと、
「頑張ってこい」
、そう返ってきた。


帰宅して、一息つくと

どん、どん、どん。

ボロアパートのドアが強く叩かれた。

これは、僕の家だ。

「おーい、したらくーん、いるんだろー、金返せー」

気だるそうな男の声が響く。

「今、行きます」

そう言って、部屋の奥にある封筒を手に取り、ドアを開けた。

「おー、おー、どうもね」

男は封筒を奪い取り、中身を確認する。

「あれれ、40万円足りないぞ?」

「いや、10万円の約束でしたよ」

「は?うるせぇよ。足りないんだよ」

「でも、今はないです」

「じゃあ、2週間後までに100万円だ。それができないなら、お前は終わりだ」

僕の肩を強く叩くと、男は去っていった。

2週間で100万円。

僕は、ふふと笑う。

「舐めんじゃねぇよ」


「ってなことで、2週間後までに100万円稼ぐことなったわー」
翌日、部員達に昨日のことを打ち明けた。

僕らの部活は、僕の借金を知り、返済を手伝うと言ってくれた幼馴染三人と僕の計四人で構成される、あぶのーまるな方法でお金を稼ぐ部活である。

「それで、作戦はあるんだろうな?」
エイジが僕を見つめて、尋ねるから、
僕は、
「もちろん」、と、応える。

「また、詐欺的な作戦は嫌よ。私、人騙すの嫌いだから」
ミカが、足と腕を組んでいうと、

「私もですよー、騙すと返ってきますからねー」
読書をしながら、ひまりも口を挟んだ。

蝉の鳴き声を挟み、良さげなタイミングで僕は口を開く。
「まあ、ご希望通りには行きませんが、100万円は稼げるから、今回もよろしくね」
僕は、彼らに作戦を説明した。

そして、迎える、作戦決行日当日。

第二話

日曜、午後10時、駅前の通りにて。

「青色の無地財布。良さげなターゲット発見。」
ワイヤレスイヤホンを伝って、ミカがいう。

「了解、じゃあアプローチ頼む」
僕が言うと、ミカはターゲットに近づいてく。

「こんにちは〜。ただいま、インタビューしてるんですけど、少しよろしいかしら?」
ミカは、インタビュアーになりきり、男に声かける。

「ああ、少しだけな」
サングラスをかけたその男は、鼻の下を少し伸ばし応えた。

「あなたは何しに駅前へ?」

「あー、彼女と待ち合わせだ。駅前の…」

「時計台ですね。ちなみにいつぶりのデートでしょう?」

「三ヶ月ぶりだ、だからもう行く、スマない」
そう言って、男は足早に歩き出す。

「ターゲット決定、サングラスかけた、痩せ気味の男」
ミカが細い路地に入り、口を回すと、

「了解」「りょうかーい」「オッス」
他の三人が返答する。

「じゃあ、私は次の位置へ移動するから」
ミカは細い路地を進む。

「サングラスの男の後ろについた。いつでもどうぞ」
ひまりのその言葉を合図に、自転車で俺は、その男の前で派手にこける。
その反動でターゲットに捕まり、体を揺らす。

その隙に、後ろのひまりがターゲットの財布を後ろポケットから抜く。

そして、僕は、事前に用意していたターゲットの財布に色が近い財布を鞄から取り出し、ターゲットに見せる。

「あ、泥棒」
ひまりのその言葉を合図に、僕は走って逃げる。ターゲットは僕を追いかける。

第一のポイント、細い路地にはいる。そこには、事前に蜘蛛の巣を確認している。
僕もそれに絡みつつ、後ろを追いかけるターゲットもそれに絡まる。

僕が路地を曲がるとき、イヤホンで合図を送る。

「3、2、1」

それを合図に、エイジが原付バイクで路地前を走り抜ける。事前に作った濁った水溜りをバイクが突き抜け、泥水がターゲットにかかる。

デートのために選んだ服が汚れてしまった。計画通り。

その頃、インタビュアーを終えた、ミカは、交通整備員になりきり、しばらく通行止めにしていた。

「はやくしてー、気まずいよー」

「もう終わって大丈夫」

走って疲れた僕に代わり、エイジが伝えた。

そして、ラストスパート。

三ヶ月ぶりのデートを控えたターゲットは蜘蛛の巣まみれ、服も汚れ、そのストレスは今、彼が追いかける僕に向いている。

僕は、人がいない路地裏に入り、そこで躓いた。もちろん、演技である。

さあ、準備は整った。人もいない、誰も気にしない。その溜まった鬱憤。
僕を殴って解消すればいい。そしたら、そう、傷害罪だ。示談金で稼げる。

僕の前でターゲットはたちどまり、腕をあげる。

きた、

ニヤッと笑い、僕は目を瞑る。

……

あれ、

目を開けると、ターゲットはニヤリと微笑み、俺を見下した。

「お待たせ」
そこに、警察を連れてきたひまりが合流する。
ひまりは、ターゲットから盗んだ財布を落とし物として、警察に届け、作戦に乗じて、傷害罪の現場を抑えるため、喧嘩をしている男がいると警察を引き連れてきていた。

「それで、喧嘩をしているものとは?」
警察は、ひまりを見ていう。

ひまりは助けを求めて、僕を見つめるが、僕も混乱してそれどころではない。

「喧嘩なんか、ありませんよ?ねぇ?」
ターゲットは、僕を見下して、いう

「は、はい。喧嘩なんてないです、殴られてもないし、ははは」
僕も、ターゲットに続けていった。というか言わされた。

「じゃあ、失礼します」
警察が立ち去ろうとすると、
「すいませーん、青色の財布って交番に届いてます?」
ターゲットが警察に訊く。

「はい、このお嬢様が届けてくれましたけど、」

「やっぱりか…ありがとうございます、後で取りに行きますんで」

警察は不思議そうに首を傾げると、その場をさっていった。

「それで、君たちは私をはめようとしたわけか」
たーげっとが僕らを見つめていう。

「いやー何かの間違いでは?ははは」

「すいませーん、警察さーん、こいつですよー」
ターゲットは警察を呼び戻そうとすると、

「ごめんなさい、そうですそうです」
僕は言わされた。

「僕がみんなを誘いました。責任は僕にあります」

「へぇー、君が考えたのねー、じゃあ、とりあえず、ついてきてもらおうか。せっかくのデートを邪魔したんだし」

「わかりました」

ターゲットは、彼女にいけなくなったと連絡を入れると、俺の腕を掴み歩き出した。

電車に乗り、タクシーに乗り、40分ほどでついた。すごく立派な建物。

「ここはどこですか?」
ターゲットに尋ねる。
「ここは、デスゲーマー組織、ビクトリア東京本部さ。君にはここへの、入社試験を受けてもらう。これは義務だ」
ターゲットはニヤッと笑った。

第3話

日本一のデスゲーマー組織、ビクトリア東京の入社試験は倍率100倍を超える。

僕は、サングラスマンに連れられ中にはいる。高級感あふれる内装の奥を進むと、

(時間ないので、適当に3話の構想書きます)

入社試験のお題は二つ。一つ目は、昨今、デスゲーム配信でも視聴者に人気があるミステリ探偵型のデスゲームをクリアするものだった。まあ、試験だから実際には死なないけど。

事件前の映像と事件後の映像を見せられる。被害者は女性。絞殺されたらしいが、もがいた傷がない、犯人はどのように被害者を拘束したのか。

僕は気づいた。事件前は被害者は長い爪が伸びていたのに、事件後は爪がなかった。
つまり、爪の余剰部分を使い、接着剤で拘束し、殺害後、爪を切った。

第一のお題をクリアする、と、サングラスマンがやってきた。

第二のお題は、2週間後に行われる。みんな第一をクリアした猛者だ。

お前が入社すれば俺にも金が入る。せいぜいがんばれ、そう言ってサングラスマンは背中を向けて歩いていった。










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