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MLB最強世代とは

よくテレビや雑誌の特集で組まれる最強世代特集。

日本のプロ野球だと1980年度生まれの松坂世代、1988年度生まれのマー君世代(ハンカチ世代?)、1973年度生まれのイチロー世代などなど、よく議論をされている。

日本の学校年度は4月から始まり3月に終わるため、それに合わせて4月2日生まれ~翌年4月1日生まれの児童・生徒が同じ学年となるが、もちろんこれは日本流。アメリカやイギリスでは9月~8月が年度となっている。

で、MLBの最強世代はいつなのだと思ったのだが、上記の年度の概念がクソほど面倒で頭がこんがらがった。てわけで日本人の私が同級生!と言えるために日本の年度と同じ概念にてMLBの最強世代を独断と偏見で決めた。むしろこの世代だ!というのがあれば教えて頂きたい。

最強と言うのはあくまで試合で闘うバランスが必要であることが前提である。ペタジーニをライトに置いてまで打撃に振り切ってくるのは違う。というわけで1つは日本からもメジャーリーガーを3人(田中、前田、秋山)も輩出している1988年世代だ。

1(CF) マルテ(ARI)
2(SS) アンドラス(TEX)
3(1B) ルメイヒュー(NYY)
4(3B) エスコバー(ARI)
5(DH) ムスタカス(MIL)
6(LF) ベルト(SF)
7(RF) イートン(WSH)
8(C) グランダル(MIL)
9(2B) ゴードン(SEA)
SP デグロム(NYM)
SU プレスリー(HOU)
CL キンブレル(CHC)

何と言っても先発投手陣だ。デグロム(NYM)、ポーセロ(BOS)、ストラスバーグ(WSH)、田中将大(NYY)、アーチャー(PIT)の5本柱は世代トップではいだろうか。88年3月生まれのカーショーや1月生まれのカイケルを選出することが出来ないことが、自分で決めた縛りながら辛いものはある。そこから最多ホールドのプレスリー、昨年は不調だったものの抑えのキンブレルへと繋ぐリレーは絶頂だ。チャップマンがあと1か月、ベタンセスがあと10日程生まれるのが遅かったらここに更に名を刻めたと思うと今回の縛りが悔しい(しつこい)。打線は9~2番で30盗塁以上が見込める機動力に、パワーのあるクリーンナップで返すというバランスの取れた打線だと感じる。

トラウト、ブライアント、イエリッチ、アレナド、スコップなどのスターが揃った1991年も良かったがバランスが悪い。というかスターの輝きが半端じゃない分、サードでアレナドを使うことにより、ファーストでブライアントを使うことになるのが非常に歯がゆい。といっても、2019年シーズンのブライアントは守備率やDRSがリーグワーストだったのでこじつけられるが。というわけでやはり大事なのはバランスだ。

1979年はどうであろう
1(CF) クリスプ(OAK)
2(1B) プホルス(LAA)
3(DH) ハワード(PHI)
4(3B) ベルトレ(TEX)
5(RF) ダン(CIN)
6(LF) ホリデイ(STL)
7(SS) ウリーベ(LAD)
8(C) レアード(DET)
9(2B) イズトゥリス(LAD)
SP 王建民(NYY)
SU ジーグラー (ARI)
CL ソリアーノ(TB)

台湾のスーパースター王建民を先発に、通算700登坂をし引退年で80試合以上に登板した鉄腕ユニコーンことジーグラーをセットアッパー。3球団で30セーブ以上を上げたソリアーノ(球団選定が難しい)を抑えに選定した。ホワイトソックスのエースで200勝以上をあげたバーリーや、2度のサイヤング賞を受賞したヨハン・サンタナが79年3月生まれなのが悔やまれる。しかし1番には俊足のクリスプ、2番に10年連続3割30本100打点を記録した21世紀最強の打者プホルスが入る。全盛期はバリーボンズを超えると言われたハワードを3番に置き、3000本安打を達成したベルトレ、当たればホームランのアダムダンへと続く打線は超魅力的だ。キャッチャーが思い当たらなかったが千葉ロッテでも活躍しているブランドン・レアードの兄、ジェラルド・レアードを選出する。2009年にはタイガースの正捕手を務め、打率は2割前半ながら盗塁阻止率は両リーグ最高の42%を記録しているのが魅力だ。

1973年はどうであろう
1(RF) イチロー(SEA)
2(SS) ガルシアパーラ(BOS)
3(LF) アブレイユ(PHI)
4(3B) ヘルトン(COL)
5(DF) オルドニェス(DET)
6(3B) バティスタ(TOR)
7(2B) アルフォンゾ(NYM)
8(C) マレーロ(STL)
9(CF) デイモン(BOS)
SP コロン(CLE)
SU タバレス(SF)
CLグレーブス(CIN)

イチローをMLBデビューからずっと見てきた世代だからか、やはり思い入れが深い選手が多い。日本のイチローから始まりメキシコのガルシアパーラ、ベネズエラのアブレイユ、アメリカのヘルトンという国際色が豊かな打線、6番のバティスタと7番のアルフォンゾは共に日本でのプレー経験がある(ソフトバンクと巨人)色濃い打線になった。投手が弱いがコロンは頑丈なので長くやってくれるだろう。日本のプレイヤーでも最高の選手が集まる昭和48年世代はMLBでも抜け目のない打線になった。

幾つか検証を行ったが、そんな中で私は1つの世代に目を付けた。恐らくこれがバランス、スター性、実績を踏まえた最高の世代であると思っている。1992年度世代である。

1(CF) ムーキー・ベッツ(LAD)
打率.346、HR32、打点80、盗塁30、OPS1.078
2(3B) マニー・マチャド(SD)
打率.286、HR35、打点86、盗塁20、OPS .861
3(LF) ブライス・ハーパー(PHI)
打率.330、HR42、打点99、OPS 1.109
4(RF) アーロン・ジャッジ(NYY)
打率.284、HR52、打点114、OPS 1.049
5(1B) ジョシュ・ベル(PIT)
打率. 277、HR37、打点116、OPS.936
6(SS) ザンダー・ボガーツ(BOS)
打率.309、HR30、打点117、OPS.939
7(2B) ハビエル・バエズ(CHC)
打率.290、HR34、打点111、OPS.881
8(C) ウィルソン・コントレラス(CHC)
打率.272、HR24、打点64、OPS.888
9(DH) ジェフ・マクニール(NYM)
打率318、HR23、打点75、OPS.916

SPシンダーガード(NYM)、SUエステベス(COL)、CL ブラッドリー(ARI)

この抜群のバランスは最高ではないか。
バエズが昨季はショートを守ったが、元々セカンドでのプレーが長い。そこを除いて打順、守備位置共に全て完璧にハマった布陣だ。個人的にバランスが最高の世代だと思っている。投手が若干弱く、エースはメッツのノア・シンダーガード、二番手にはレイズのサイヤング賞投手ブレイク・スネル、三番手には今季からパドレスに移籍した元ブルワーズのザック・デイビーズ、エンゼルスのディラン・バンディあたりだろうか。やはり圧倒的エース ホセ・フェルナンデスの事故死が悔やまれる。全盛期でこの世を去った彼がマイアミのエースとして君臨し続ける世界線を見てみたかった。

そしてこの1992年度世代の凄さが、何より選手層の厚さ、チームのバランスである。捕手の控えにはヤンキースの正捕手ゲイリー・サンチェス(打率.232、HR34、打点77、OPS.841)、内野の控えにホセ・ラミレス(打率.270、HR39、打点105、盗塁34、OPS.939)、トレバー・ストーリー(打率.294、HR35、打点85、盗塁23、OPS.917)、カイル・シュワーバー(打率.250、HR38、打点92、OPS.871)、マイケル・フランコ(打率.270、HR22、打点68、OPS.780)、リース・ホスキンス(打率.246、HR34、打点96、OPS.850)、外野にはジョク・ピーダーソン(打率.249、HR36、打点74、OPS.876)、マックス・ケプラー(打率.252、HR36、打点90、OPS.855)が揃う。代走では3年連続20盗塁を記録したレンジャーズのデシールズが入る。

上記に記載した数値はキャリアハイ、もしくは私の好みの数値ではあるがこれも直近5年の数字であり、今もなおバリバリレギュラーで活躍している選手たちというのは変わらない。数字で見るとマチャドよりもラミレスだと思ったりもするが、そこは好みだ。

あとはちょっと弱い投手陣に千賀滉大、有原航平、山崎康晃などが殴り込みをかけ、バエズやマチャドに山田哲人が勝負を仕掛けたりする未来が来たら嬉しく思う。

MLB最強世代は1992年度生まれということでファイナルアンサーとする。

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