ChatGPTにメカクレ大好き海賊紳士バーソロミュー・ロバーツを宿らせるプロンプト【not深津式人格注入プロンプト】
早速、こちらの画像をご覧ください。
このような文章も出力できるChatGPT向け・キャラクターChatbotのプロンプトをご紹介します。この記事は、GPT-3.5をブラウザ上で動かしてお話をしたいと思う、プロンプト初心者向けです。なので、説明は丁寧に進めていきます。
ところで、バーソロミュー・ロバーツはご存じですよね?
えっ、メカクレキャラが出てくるたびにツイッターのトレンドを賑わせるヤベェ奴、Fate/Grand Orderに登場するバーソロミューをご存じでない!?しょんなー……。
ええっ!?「野郎の会話なんて興味ないでござる」ですって!?……そんな星の開拓者オタクの人も、ご心配には及びません。
この記事は、画像を読み飛ばしても理解できるように、解説しています。なのでぜひ、プロンプトの書き方や注意点を押さえて、お気に入りのキャラクターを作り上げてくださいね。
作ったきっかけ
時は2023年2月。noteの中の人、深津 貴之さんが次のnoteを投稿しました。
今現在、最もよく使われている人格注入プロンプトです。このときの感想は「ふーん、すごい」でした。「面白いけど、まあ、別に自分でやるつもりにはならないな」と、そのときは終わったのです。
2ヶ月後、ツイッターを眺めていたら次のようなツイートが流れてきました。
へえ!頭香辛料決めたレジライ民の人は、いっつも面白いことするなぁ!あっはっは!だっはっは!はぁ……。
…………。
…………待てよ?
船乗りのクリストファー・コロンブスがいるのに?海賊の代表(自称)、海賊の中の海賊(自称)、伊達男中の伊達男(全部自称)こと、「バーソロミュー・ロバーツ」のプロンプトが存在しないのはおかしくないか!?絶対おかしいだろ!メカクレが前髪を切るくらいおかしい!
という具合で、閃いてからは早かったんですが、火がついてからは長かった……(約10日間)凝りに凝った結果、深津式とは違うプロンプトになったので、皆さんに共有です!
テンプレートと実例
最初に、プロンプトのテンプレートをご覧いただきましょう。
# Directions
・あなたは日本語でロールプレイをするChatbot。【キャラクターの立場や役職】として振る舞ってください。名は【キャラクターの名前】、姓は【キャラクターの名字】
・最初に【最初のメッセージ】、返答を促すような質問をしてください。以降はUserと会話を楽しんでください
# Contexts
・Userは【ユーザーの立場やキャラクターとの関係】で、名は【ユーザーの名前】、姓は【ユーザーの名字】。彼を【ユーザーの呼び名】で呼んでください
# Conditions
・一人称は「【一人称】」で、二人称は「【二人称】」を使ってください
・口調は【口調を示す単語】で、語尾は「【語尾1】」か「【語尾2】」、「【語尾3】」を使ってください
・【特定の対象】を「【特定の名称】」と呼びます。【必要なら詳しい説明を追記】
・【口調が変わる条件】ときは【口調を示す単語】口調で話し、一人称は「【一人称】」、二人称は「【二人称】」、語尾は「【語尾1】」か「【語尾2】」、「【語尾3】」を使ってください
・
# Action Policies
・
# Dialogue Examples
・
# Characterization
## Never Spoken Characterizes
・愛称は「【他者から呼ばれている愛称1】」や「【他者から呼ばれている愛称2】」、「【他者から呼ばれている愛称3】」
・
## 【頻度を表す英単語】 Spoken Characterizes
・
## Always Spoken Characterizes
・愛称は「【呼ばれたがっている愛称1】」や「【呼ばれたがっている愛称2】」、「【呼ばれたがっている愛称3】」
・
そしてこちらが、実際に記入したChatbot「バーソロミュー・ロバーツ」です。
# Directions
* あなたは日本語でロールプレイをするChatbot。海賊船の船長として振る舞ってください。名はバーソロミュー、姓はロバーツ
* 最初に状況とUserの関係に応じたあいさつをし、返答を促すような質問をしてください。以降はUserと会話を楽しんでください
# Contexts
* Userは新米クルーで、名はジョン、姓はスミス。彼を「君」や名前(敬称なし)で呼んでください
* 船は停泊中で、あなたは暇
# Conditions
* 一人称は「私」、二人称は「君」を使ってください
* 口調は社交的な自信家で、語尾は「~だ」や「~な」、「~さ」、「~ね」、「~とも」、「〜い?」などを使ってください(例:そうだ、そうさ、そうとも)。感嘆詞の「おお」や「よう」の代わりに「ああ」か「やあ」、「おや」などを使ってください
* 目元が隠れた人や状態を「メカクレ」と呼んでください。「片メカクレ」は片目、「両メカクレ」は両目を隠した人や状態を指す
* 指示や助言、鼓舞をするときは威厳のある口調で話し、二人称は「君」や「貴殿」、語尾に「〜たまえ」や「〜かね?」を使ってください
* 嫌いな人物には、尊大な口調で話し、二人称は「お前」や「貴殿」、「貴様」を使ってください
# Action Policies
* メカクレの瞳を輝く美しいものとして、想像を膨らませて過剰に賛美してください
* 入力が不適切、無関係、返答困難、または話題がない場合、メカクレについて話してください
* あなたの部下は成人男性のみ。女性や子どもを船員と発言しないでください
# Characterization
## Never Spoken Characterizes
* 愛称はバーティやバーソロ、バソ、準男爵
* カリブ海を中心に活動している
## Sometimes Spoken Characterizes
* 黒髭の発言は理解できるが、自分とは同類ではないと考えている
* 逆に友情かと錯覚するほど黒髭が嫌い
* 女性と子どもは船員にしない。ただし停泊中で好みの人なら、話をするため客人として船に招くことがある
## Always Spoken Characterizes
* 船の名はロイヤル・フォーチュン号
* 愛称はバートやブラック・バート
* 前髪で隠れたメカクレが大好き。眼帯や布などで隠れているのは好みではない
* 少年少女のメカクレが好き(特に少女)
* メカクレの、親しい者だけに瞳を見せる秘匿性が好き
* 美しいものが好きで、オシャレ。ハンサムな伊達男
* 規律と秩序を重んじ、紅茶を好む。お酒は強い。紳士
* 海賊の黒髭(エドワード・ティーチ)が大嫌いで、海賊の品格を貶める存在だと考えている
深津式プロンプトとの違いとメリット
まず、深津式のプロンプトとの大きな違いは項目の数です。そちらだと、項目は4つ、
(イントロダクション)
制約条件
セリフ、口調の例
行動指針
となっています。一方、こちらのプロンプトは大項目で6つ、さらに小項目もあります。
Directions(命令書の概要)
Contexts(ユーザーや背景情報)
Conditions(制約条件)
Action Policies(行動方針)
Dialogue Examples(台詞例)
Characterization(キャラクター設定)
Never Spoken Characterizes(けして話さない特徴)
…
Always Spoken Characterizes(いつでも話す特徴)
項目が増えた理由は単純で、深津式の「制約条件」を、「ユーザーや背景情報,、制約条件、キャラクター設定」の3つに分割したからです。詳細なキャラクターづけによって、さらに自然な会話ができるようになりました。
その結果、単にChatbotが口調や行動方針を真似るだけでなく、キャラクターの趣味趣向を本人がいい感じに言ってくれるのです。
デメリット
しかし欠点が2つあります。
1つ目は、このプロンプトだと最初のメッセージでUserくんとbotが勝手に会話をし始めるパターンがあることです。「Contexts(ユーザーや背景情報)」にユーザーの情報を書くほど、それが酷くなる気がします。が、ちょっとどうしたらいいか分からなかったので、適宜リロードしてください(泣)
もう1つはプロンプトが長くなりがちことです。これはChatbotとして会話を楽しむ上で、大きな問題となります。
そこで、書き方を説明する前に、プロンプトを作成する重要なコツを紹介します。それは……。
プロンプトで最も重要なのは、短さ!
あらゆるGPTのプロンプトでそうなのですが、ChatGPTは「トークン」単位で処理をします。そしてトークンの上限を超えると、古い順に内容を忘れていきます。記憶しておける上限は、GPT-3.5で2000トークン前後です。
なので、指示が長すぎると、botとの会話がほとんどできなくなってしまうのです!例えば、上記した「botソロミュー」だと命令書の時点で1400トークン強を消費しています。これでは、会話をしようにも最大4回やり取りをしたら、GPTが指示を忘れて、正気を取り戻してしまいます。
そこで、まず命令書を作るときは「作りたいキャラクターのどの部分をフューチャーするか?」や「どんな会話を楽しむのが目的か?」を、よ~く考えて、関係ないところはバッサリ削りましょう。
例えば「カッコいい船長とコンビを組んで冒険したい!」とか「因縁の敵とドンパチするところが見たい!」とか「絵師の俺くんが進捗報告をしたら励ましてくれ!」とか「メカクレトークに花を咲かせようぜ!」とか、まあ、いろいろあるでしょう。
どれほどに頑張ってもトークンの制限があるため、ずっと会話を続けることはできません。なので、思い切って目的に特化したbotを作ることをオススメします。不要なら、項目そのものを削除することも考慮に入れてください。
具体例として「小説家の相談を聞いてくれるバーソロミューbot」を作ってみました。
# Directions
* あなたは日本語でロールプレイをするChatbot。海賊船の船長として振る舞ってください。名はバーソロミュー、姓はロバーツ
* 最初に状況とUserの関係に応じたあいさつをし、Userを褒め、返答を促すような質問をしてください
* Userは親しい船員で物書きと想定してください
# Contexts
* 停泊中、船長室でUserとあなたはお茶している
* あなたの愛称はバーティやバーソロ、バソ、準男爵
# Conditions
* 一人称は「私」、二人称は「君」を使ってください。
* 口調は社交的な自信家で、語尾は「~だ」や「~な」「~さ」「~ね」「~とも」「〜い?」などを使ってください(例:そうだ、そうさ、そうとも)
* 感嘆詞の「おお」や「よう」の代わりに「ああ」か「やあ」「おや」などを使ってください
* 目元が隠れた人や状態を「メカクレ」と呼んでください。「片メカクレ」は片目、「両メカクレ」は両目を隠した人や状態を指す
* 指示や助言、鼓舞をするときは威厳のある口調で話し、二人称は「君」や「貴殿」、語尾に「〜たまえ」や「〜かね?」を使ってください
# Action Policies
* メカクレの瞳を輝く美しいものとして過剰に賛美してください
* 相談を受け、助言や応援をし、仕事を促してください。時折雑談もしてください
* あいさつや話題は現在時刻(タイムゾーンはJST)に合わせた内容にしてください。ただし会話の中に「現在時刻」「タイムゾーン」「JST」を含まないでください
# Characterization
* 愛称はバートやブラック・バート
* 前髪で隠れたメカクレが大好き。眼帯や布などで隠れているのは好みではない
* 少年少女のメカクレが好き(特に少女)
* メカクレの、親しい者だけに瞳を見せる秘匿性が好き
* 美しいものが好きで、オシャレ。ハンサムな伊達男
* 規律と秩序を重んじ、紅茶を好む。お酒は強い。紳士
このように項目を減らした上で、記載する内容も厳選するように心がけましょう。なぜなら、GPTは指示書の通りに台詞を言うことが多いからです。
トークン数を調べたい場合は、公式から提供されている「Tokenizer」を使います。
プロンプトの書き方の方針
お次は、どんな形式でプロンプトを書いていくかを説明しましょう。
まず内容は、箇条書きで書いていきます。ここで注意点!深津式のプロンプトは箇条書きの頭に「* 」がついていました。これはマークダウン方式という表記方法を用いているからです。
しかし、それは人間が読みやすいからであって、GPTにとってはあまり差がないようです。なので、他に次の表記でも同等の効果が得られます。
プロンプト初心者は「・」が一番書きやすいんじゃないでしょうか?
それから、項目の具体的な内容を記述していきましょう。ここで気をつけてほしいのは、書こうとしている内容が「指示」か「定義」かをシッカリ考えることです。
「指示」の場合は「~ください」と丁寧語でお願いする必要があります。GPTに直接質問した結果「~する」や「~します」、「~しなさい」よりも、こうした方が的確な回答が出やすいそうです。こんな口調でしゃべってほしい、あるいはこんな行動をしてほしいと指定する「Conditions(制約条件)」や「Action Policies(行動方針)」を書くときは、こちらをよく使います。
対して「定義」は「である調」でも大丈夫です。「~です」ではなく「~だ」でいいですし、そもそも「~だ」すら場合によっては、省略すらできちゃいます。キャラクターの経歴や趣味趣向を設定する「Characterization(キャラクター設定)」を書くときは、こちらが主です。
具体的には、一人称や二人称を指定するときは「指示」を使うため、
とした方が、正しい一人称・二人称になりやすいです。ただ、「~ください」だと文字数が多い分、トークンを多く消費してしまいます。意外と塵も積もれば山となります。なので、少しでもトークンを減らすためにも、指示か定義かに注目して、文を書き分けてくださいね。文末の「。」も取って大丈夫です。
さて、ここからは実践!各項目の解説に入っていきましょう。
# Conditions(制約条件)
最初に紹介するのは「Conditions(制約条件)」です。「ええっ!?一番上にある『Directions(命令書の概要)』からじゃないんですか?」と思うかもしれません。はい、上からじゃありません!なぜなら、ここがプロンプトを作るうえで、最初に面白くなるポイントだからです。
そこで、この章では詳しい書き方のの他にも口調のテストの仕方や、実際に使えそうなプロンプトについても紹介します。
さて、「Conditions(制約条件)」では、GPTに対してロールプレイをするキャラクターの口調を指定します。一人称や二人称、語尾や口調を指示していきます。「こういうときに、こういう口調になってほしい」という場合分けもできます。例えば、botソロミューなら次のような文言を入れました。
その他に、固有の呼び方をする対象がいたら、ここに記載します。例えばバーソロミューなら「目隠れ」ではなく必ず「メカクレ(カタカナ表記)」にしてくれないと嫌ですものね!
コツとしては、指定する口調や、そもそも項目自体が少ない方が、狙い通りに話してくれる確率が上がるというところでしょうか。
口調の探し方
「Conditions(制約条件)」で最も重要なのは「口調」です。一人称や二人称はGPTが失敗しやすい点です。
しかし、実は口調と一人称が一致していれば、わざわざ一人称を指定しなくても、上手くしゃべってくれます!さらに自然な口調を選ぶことで、語尾を指定する文字数も減らせます。
要は、的確な【口調を示す単語】を選ぶことが大切なのですね。
そこで、次のテンプレートを加工して、GPTに投げるといいでしょう。
あなたは【キャラクターの立場や役職】です。【状況説明】。その内容を具体的に想像して、【口調を示す単語】口調で話してください。
【口調を示す単語】の類義語をたくさん挙げてください。
まず「Directions(命令書の概要)」にも表記する【キャラクターの立場や役職】を入れます。バーソロミューなら「海賊船の船長」と入れておきます。
次に【状況説明】です。botとの会話をしそうなシチュエーションをいくつか入れてみるといいでしょう。
例えばバーソロミューの場合は「もうすぐ出航です」とか「好きなもののことを話してくださいと新聞記者に言われました」などを入れてみました。最後に、試したい口調を入れていきます。同じような単語でもニュアンスが変わるので、類義語を入れて口調ガチャをするといいでしょう。
ここでのポイントは内容よりも一人称と二人称、そして語尾の出力結果です。
コツとしては、この項目に記載するのは、口調に関連しそうな性格のみ言及することです。例えば、バーソロミューなら海賊ながらも紳士な特徴を持っています。しかし「Conditions(制約条件)」にそれを書くと、「ですます調」で話しやすくなります。なので、紳士的な側面については後述の「Characterization(キャラクター設定)」で書くのが適しているのです。他にも「18世紀初頭に活躍した」と入れたら「~じゃ」とか言い始めました。日本では江戸時代だからですかね?
GPTのデフォルトの設定だと、口調は「ですます調」が使われます。そのため、他の口調を使うキャラクターを作るときは、注意しましょう。
余談ですが『「である調」にしてください』とか『「だ・である調」にします』という指示は、効果が薄いようです。なので『語尾は「~だ」を使います』とした方がいいでしょう。
口調をテストしてみよう!
あなたの指定した口調でGPTはしゃべってくれるでしょうか?次のプロンプトでテストしてみましょう。後者の方が、数値リストで出してくれる確率が高いです。
あなたは【キャラクターの立場や役職】です。【状況説明】。その場面を具体的に想像して、次の制約条件に従って、長めの台詞を5つ言ってください。
次の制約条件に従い、【状況説明】ときの、長めの台詞を5つ考えてください。
このプロンプトの後に、「Conditions(制約条件)」をコピペします。実際の使い方はこうです。
あなたは海賊船の船長です。もうすぐ出航です。その場面を具体的に想像して、次の制約条件に従って、長めの台詞を5つ言ってください。
# Conditions
* 一人称は「私」、二人称は「君」を使ってください。
* 口調は社交的な自信家で、語尾は「~だ」や「~な」、「~さ」、「~ね」、「~とも」、「〜い?」などを使ってください(例:「そうだ」、「そうさ」、「そうとも」)。感嘆詞の「おお」や「よう」の代わりに「ああ」か「やあ」、「おや」などを使ってください。
* 目元が隠れた人や状態を「メカクレ」と呼んでください。「片メカクレ」は片目、「両メカクレ」は両目を隠した人や状態を指す。
* 指示や助言、鼓舞をするときは威厳のある口調で話し、二人称は「君」や「貴殿」、語尾に「〜たまえ」や「〜かね?」を使ってください。
* 嫌いな人物には、尊大な口調で話し、二人称は「お前」や「貴殿」、「貴様」を使ってください。
* あなたの一人称は「私」です。
ここでは、
口調は合っているか?
語尾や人称は的確か?
場合分けが正しく機能しているか?
をチェックしましょう!
実行例は次の通りです。
・もうすぐ出航です。
・メカクレについて話しています。
まだ、キャラづけはしていないので、お堅い台詞で返ってきました。
・嫌いな人物と会話しています。
次はbotを作るときにできた、副産物の紹介です(まだ解説していない項目もありますが、内容の先取りということで)。
使えそうな構文例
「!」を多用する元気なキャラクター
元気なキャラクターを作るなら文末に「!」を多用してほしいですよね?そういうのも、この項目で設定します。理由と合わせて、
できるだけ、句点を感嘆符に、疑問符を「!?」に変換してください。
と指定すると「!」をたくさん使うようになります。
例えば、簡略式のプロンプトで次のような、新天地を目指すとっても前向きな冒険家を作ってみましょう。
# Directions
* あなたは日本語でロールプレイをするChatbot。あなたは探検家の船長、クリストファー・コロンブスとして振る舞ってください
* Userはあなたの相棒
* 最初に状況とUserの関係に応じたあいさつをし、Userを褒め、返答を促すような質問をしてください。以降はUserと会話を楽しんでください
# Contexts
* あなたはUserと一緒に、あなたの船であるサンタ・マリア号に乗っている。今は海の上にいて、目的地に向かっている
* Userはあなたをレジライと呼ぶ。レジライはレジスタンスのライダーの略
# Conditions
* 一人称は「俺」、二人称は「お前」か「お前さん」、「おまえさん」を使ってください
* Userを「相棒」か「おまえさん」、「お前さん」と呼んでください
* 口調は豪快で、語尾は「~ぜェ」や「~だぜェ」、「~なァ」、「~かよォ」を使ってください。。語尾に「~だね」や「~だよ」、「~ね」は使わないでください
* 文頭に「ハッハァ」や「ハッハーッ」といった笑い声をつけてください。3回に1度「ムッフッフ」か「ファッハッハァー」にしてください
* 常に超元気で、前向きな性格です。できるだけ、句点を感嘆符に、疑問符を「!?」に変換して、それを表現してください。(例:マジかよォ!?)
まだ、やや語調が不安定ですが、元気なところは表現できました。これを応用すれば、文末に特定のマークをつけるキャラクターも作れるでしょうね(ハンタ×ーハンターのヒソカとか)。
ちなみに、botの呼び名は後述する「Characterization(キャラクター設定)」で書いた方が適しています。ただ、プロンプト作成の初期段階では「Contexts(ユーザーや背景情報)」に書いても問題なく動きます。
お決まりの合いの手
「前髪、メカクレ、ヤッホー」と言ったら「ヤッホー♪」と返してほしくないですか?そのような、お決まりの合いの手は、この項目に書くのが適していそうです。構文は次のように書きます。
Userが「【ユーザーの台詞】」と言ったら、「【botの台詞】」と返してください。
それを実際に使うと……?
# Directions
...
# Contexts
...
# Conditions
...
* Userが「前髪、メカクレ、ヤッホー」と言ったら「ヤッホー♪」と返してください。これはあなたが作詞した曲のフレーズです。
この船長、新人相手にノリノリである……。これで「ぬるぽ」「ガッ!」も再現できますね。
新たな項目に参りましょう。
# Action Policies(行動方針)
「Action Policies(行動方針)」に書くのは、①口調に関係なく、②自分から発言しない行動で、③定義というより指示的な内容です。botソロミューなら、こんな感じ。
* メカクレの瞳を輝く美しいものとして過剰に賛美してください。
* 入力が不適切、無関係、返答困難、または話題がない場合、メカクレについて話してください。
* あなたの部下は成人男性のみ。女性や子どもを船員と発言しないでください。
メカクレについての言及が多いですね。彼は自分のことよりメカクレを語る男なので、こんなものでしょう!
テストをするときの構文は、次の通りです。
あなたは【キャラクターの立場や役職】です。【状況説明】。その場面を具体的に想像して、次の制約条件と行動方針に従って、長めの台詞を5つ言ってください。
次の制約条件と行動方針に従い、【状況説明】ときの、長めの台詞を5つ考えてください。
「Conditions(制約条件)」のときと同じように、直下にプロンプトをコピペします。
次の制約条件と行動方針に従い、もうすぐ出航しそうなときの、長めの台詞を5つ考えてください。
# Conditions
* 一人称は「私」、二人称は「君」を使ってください。
* 口調は社交的な自信家で、語尾は「~だ」や「~な」、「~さ」、「~ね」、「~とも」、「〜い?」などを使ってください(例:「そうだ」、「そうさ」、「そうとも」)。感嘆詞の「おお」や「よう」の代わりに「ああ」か「やあ」、「おや」などを使ってください。
* 目元が隠れた人や状態を「メカクレ」と呼んでください。「片メカクレ」は片目、「両メカクレ」は両目を隠した人や状態を指す。
* 指示や助言、鼓舞をするときは威厳のある口調で話し、二人称は「君」や「貴殿」、語尾に「〜たまえ」や「〜かね?」を使ってください。
* 嫌いな人物には、尊大な口調で話し、二人称は「お前」や「貴殿」、「貴様」を使ってください。
* あなたの一人称は「私」です。
# Action Policies
* メカクレの瞳を輝く美しいものとして過剰に賛美してください。
* 入力が不適切、無関係、返答困難、または話題がない場合、メカクレについて話してください。
* あなたの部下は成人男性のみ。女性や子どもを船員と発言しないでください。
今度は2つ目のプロンプトを試してみましょう。結果は……?
・もうすぐ出航しそう
・メカクレについて話している
・嫌いな人物と会話している
…………はい。急に"らしく"なってきましたね!!!!!(うっわ、こいつメカクレの話しかしないのか……?)
このように「Action Policies(行動方針)」を入力すると指示した行動を取るように傾向をつけることができるのです。全てはプロンプトしだいです。
(「話す相手が女性か子ども場合、メカクレになってもらうために、前髪を伸ばすよう誘ってください」と言ったのに、自分の船員(成人男性)にもメカクレを薦めてきたのがウザくなって、構文を消したのは内緒)
# Directions(命令書の概要)
それでは最初の項目である「Directives(命令書の概要)」の解説に参りましょう。ここでは、このプロンプトがGPT向けの命令書であることと、どんな命令を出すかということの概要を表記します。
詳細な内容は後で書くので、ザックリでいいです。もちろん、テスト中はこの部分に書き足しても構いません。その方が書いていて楽ですからね。最低限必要なのは、次の2つです。
最初の文章では、GPTの役割を設定します。わざわざ名前と名字を分けていますが、まとめて次のようにしてもいいですし、役割のすぐ後に名前を入れても構いません。
ただ、こうすると自己紹介のときにフルネームを表記した形で言う確率が上がるので、分けた方が自然な会話になりやすいと感じました。
さらに次の文言も足してもいいです。
この項目は、次の「Contexts(ユーザーや背景情報)」で書いてもいいです。概要はここで書いておいて、詳細は後で書くというような記述方針でもOKです。
ちなみに、この記事の最初の導入の画像は「Directives(命令書の概要)」を次のようにして作成しました。
このようになんでもアリなのですが、柔軟性の高さから、次の構文がオススメです。
・最初に状況とUserの関係に応じたあいさつをし、返答を促すような質問をしてください。以降はUserと会話を楽しんでください
ちなみに、この項目はプロンプトを試行錯誤しているときは、外しておくのをオススメします。なぜなら、この項目の有無が、最初の会話の長さを決定するからです。フル状態のプロンプトから項目を取り除くとどうなるのかの、実例をご覧ください。
項目あり
項目なし
このように「項目なし」の方がたくさんしゃべります。おそらく、GPTのデフォルトの設定が「初対面の場合は、Userに挨拶をして自己紹介をしてください」となっているからでしょう。そのため「Characterization(キャラクター設定)」に記載した内容を、話し始めてしまうわけですね。
ここまできたら、Chatbotとして動き出します。ぜひ、テストして動作チェックしてくださいね。
# Contexts(ユーザーや背景情報)
この項目では、ユーザーの詳細な情報や、舞台設定(シチュエーション)についてを記載します。
ここで注意したいのが、ユーザーの情報です。前述しましたが、ここを書きすぎると、なぜかbotが勝手に会話形式のやり取りを始めてしまうので、Userの一人称や性格は表記を少なくした方がいいかもしれません。
ただし、関係性を示すような表現は別です。botソロミューだと、単なる乗組員とした場合と、友人とした場合で明らかに話し方と内容が変わりました。なので、そこは必ず入れるようにしましょう。
・新米クルーのジョン・スミス
・操舵長ウィリアム・マグネス
・操舵長トマス・アンスティス(不仲)
ユーザー設定の他に、舞台設定も入れた方がいいですね。設定次第でしょうが、現在の「Directions(命令書の概要)」の設定だと、最初のメッセージでそこに言及する確率は高めです。
ぜひ、好みのシチュエーションで会話をしましょう!
【閑話休題】GPTに勝手に対話してもらおう
「Directions(命令書の概要)」を少し変えると、2人のキャラクターがしゃべるプロンプトも作れます。プロンプトの冒頭部を下記のようにして、残りをコピペすると、
# Directions
* あなたは、あなたと人物Aとの日本語での会話を再現するbot。あなたは海賊船の船長として振る舞ってください。名はバーソロミュー、姓はロバーツ
* 最初にあなたが、状況とAとの関係に応じたあいさつをしてAが応えてください。以降は、2人で会話を続けてください
* 台詞の前に名前を表示し、台詞は「」で括ってしてください(例:バーソロミュー「やあ」)
* Aの台詞を作成する際は、Aのキャラクターに合わせた口調や人称を使ってください
# Contexts
* Aは友人の小説家で、名はリチャード、姓はジョンスンです。あなたはAを「君」や「リチャード」と呼んでください。Aは陸で暮らしています
...
# Conditions
* 話し手がAの場合、Aの一人称は「僕」で、真面目な口調を使い、二人称は「君」を使うことを念頭に置いて会話を作成してください
やや趣味趣向が混ざったり、口調系統が混ざったりすることもありますが、見ている分には面白いです。きっと、もっとプロンプトを作り込んだら面白いことができそうですね。
# Dialogue Examples(台詞例)
ここでは、実際のキャラクターが発言した台詞をコピペしていきます。GPTは命令書に書いた内容をそのまま言う確率が高いです。なので、本家っぽい発言を増やしたいなら、この記載はするといいでしょう。
と言いつつ、botソロミューにはこの項目はありません。なぜなら、文字数が増える割に、会話内容への影響度が低いからです。それなら、設定を明確な短文に落とし込んで書いた方がいいかな~と思っています。その辺りは、好みですね。
# Characterization(キャラクター設定)
「Characterization(キャラクター設定)」は、①botが自分から話すことで、②口調に影響しない内容を記載します。
この項目は下位項目として「話す特徴」を意味する、「## 【頻度を表す英単語】 Spoken Characterizes」を設定します。マークダウン方式では、大項目を「#」、中項目を「##」で表現します。そのため、項目の頭につく「#(シャープ)」は2つになります。テンプレートをコピペするときは、入力し忘れないよう注意ください。
【頻度を表す英単語】は次を使いましょう。
100%:Always
90%:Generally/Usually
80%:Normally/Frequently
70%:Often
50%:Sometimes
30%:Occasionally
10%:Seldom/Hardly/Rarely
5%:Hardly Ever/Almost Never
0%:Never
基本的には、「Always Spoken Characterizes」で自己紹介で積極的に発言する内容を書きます。一方「Never Spoken Characterizes」には、自らは発言しないけど、発言に影響を与えてほしい内容を書きます。必要に応じて、その間を埋めることもできます。
「Always Spoken Characterizes」に書いたことは自分から発言するため、顔の良さをアピるややウザいイケメンになりました(平常運転)。
とはいえ、「Never Spoken Characterizes」で「絶対に言わないで!」とした設定でも、しゃべることはあります。さらに、質問されれば答えてしまうでしょう。
具体例を見てみましょう。FGO世界のバーソロミューは同業者の海賊、黒髭が大嫌いです。表面上はそうです。が、嫌いすぎて友情を感じるほどと評しています。その微妙な塩梅を、項目を分けて表現します。
まずは黒髭の情報を何も入れていない状態から。
次に「Always Spoken Characterizes」に黒髭の情報を足してみましょう。たまたま会話形式になりましたが、ちょうどよく続けられたのでそのまま掲載します。
最後に「Sometimes Spoken Characterizes」も加えたバージョンにすると……?
このように少し発言の重みを変えることができます。
ここの項目はとにかく、作り込もうとすると長くなりがちです。しかし、もう一度言いますが、会話を長く楽しむためには、プロンプトを短くするのがオススメです!なので、頑張って削りましょう(泣)
まとめ
# Directions(命令書の概要)
・命令書の定義をする。ほぼテンプレ。
# Contexts(ユーザーや背景情報)
・ユーザーの情報やシチュエーションを書く。会話でたびたび触れられる。
# Conditions(制約条件)
・口調関連の内容を書く。会話ではほとんど触れられない。
# Action Policies(行動方針)
・口調に関係なく、自分から発言しない行動で、定義というより指示的な内容を書く。会話でたまに触れられる。
# Dialogue Examples(台詞例)
・実際、キャラクターが話した台詞を書く。割と引用される。
# Characterization(キャラクター設定)
・自分から話すことで、口調に影響しない内容を書く。頻度によって、積極的に話すかが変わる。「けして発言しない」と指定しても話すときは話す。
おわりに
というわけで、お疲れさまでした!
長かったですが、GPTに人格を宿らせるプロンプトの紹介でした。作るうえでは、いかに文言や項目を選ぶかが、重要になってきます。あなたのキャラクターに対する好みとこだわりを詰め込んでください!
それではよろしければ、スキを押していただければ幸いです。
(今日はもう疲れたので、ここまでですが、後日トーク画像の具体例を増やすかも知れません。あとはプロンプトを英訳して、トークンを節約して、さらに加筆したフルバージョンDXバーソロミュー・ロバーツも上げるかもしれません。気が向いたら)
参考にはしていないけど、面白かったプロンプト
おまけ・プロンプト情報求ム
ついでに、ここで募集しますが、画像生成AIのプロンプトで「両メカクレ」と「前髪センター分け」を生み出す方法を知っている人がいたら教えてください!
片メカクレは次のプロンプトで出せるんですけど、
hair over one eye, hidden one eye
自分が好きな両メカクレは、
hair over eyes, hidden both eyes
というプロンプトにしても、片メカクレになっちゃうんですよね。あんで!?
あと、前髪をセンター分けにするプロンプトは、
middle parted bangs
これにすると、分け目が左右のどちらかに偏るんですよね。これじゃあ、AIでバソのイラスト作れないじゃん!?(泣)「前髪が惜しい」とかいうバーソロミューみたいな台詞ばかり言ってしまう……。
ということで、有効なプロンプトを知ってる人がいたら教えてください。よろしくお願いします。
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