いざ、カナダへ
【Day1】
バンクーバー行きの飛行機の中、寒さに凍えながら毛布にくるまっている。セミもまだ鳴かず、梅雨が明けたばかりの暑さがじっとりとした日本からワンピースを纏って韓国乗り継ぎでやってきたのだけれど、半袖にするには早すぎたようだ。思いの外、寒い。
あと1時間ほどでバンクーバーに到着する。
不思議なことに成田行きの電車の中でも、飛行機に乗る直前でも、飛行機に乗っている今でさえも、私はバンクーバーに本当に行くのだろうかとまだ実感が湧かない。今ある現実を受けながら、時間の流れに任せているそんな感覚なのだ。
初めてのアメリカ大陸だというのに、ルワンダに、アフリカの大地に足を踏み入れたときのあのワクワク感とは全く異なっていて、あぁバンクーバーでこれから過ごすんだなという事実だけが目前に迫っている。
不安がない全くない訳ではない。
来る途中に成田エキスプレスの特急券の購入方法が分からなかったり、ワクチン接種証明書の書類の取り方が分からず電子証明書でいいのかすら分からず、乗り継ぎが50分しかないのに出発時点で20分ほど遅れるし、乗り継ぎも次のゲートの場所思いの遠かったり。
不安を上げたらキリがないけれど、思っているよりは冷静で、むしろ冷静すぎるくらい普通なのだ。
協力隊時代とは違ってエージェントを介しているものの、手続きとかもすべて自分でやらなければならない。同期や同国の仲間たちの存在の心強さ、いかに活動に専念させてもらっていたのかを実感している。
強いワクワク感もなく、不安すぎることもなく、ただただ目の前のことを一つ一つこなしていっている。バンクーバーには予定では3年ほどいる予定ではあるけれど、数ヶ月後のことも1年、2年、その先のことも考える余裕が今の私にはない。目の前のことに必死なのかもしれない。
1日、1日を積み重ねて行った先に一体どんな景色が見えるのだろうか。
特別なことは特に何もなくって、これまで積み重ねてきたことを、自分を信じて、なんのめにカナダに留学して、どうなりたいのかの軸を大切に。人に流されず、驕らず、でも頑なにシャットダウンせずに柔軟に。
日々を積み重ねを大切に過ごしていきたいと思います。
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