「AviUtlっぽさ」は「コンポジットまでの不自由さ」にあるんじゃないか?
フリーの動画編集ソフト「AviUtl」
有志による追加プラグインやスクリプトによって、より使いやすく・編集の自由度が高くなっており、「動画制作・動画編集をしたい!」という方にとっては、無料ソフトの中でトップクラスに良い編集ソフトではないでしょうか。
そんなAviUtlですが、ソフトを触ったことのある方々や、少し知見のある方々からはこんなことを言われることがあります・・・
「この映像、AviUtlっぽい(笑)」
この言葉をどう捉えるかは人によりけりでしょうが、僕個人としては「編集過程を見透かされててなんかイヤ」という感想です。くやしい!
このワードをどう思うかは今回はさておきます。
この記事で語るのは「AviUtlっぽさの原因」についてです。
とりあえず、AviUtlの原因っぽさそうなのを箇条書きで以下に挙げてみます。
①AviUtlのテンプレートのフィルタ/カスタムオブジェクトがある
②画像やテキストの画質が荒い
③1つ1つのオブジェクトが浮いている
とりあえず、各項目がどういうことなのか解説していきます。
本題のコンポジットについては③で触れるので、あんま興味のない方はそこまで読み飛ばすか、「ff外から失礼するゾ〜(謝罪)」タグの動画でも観ていてください。
①AviUtlのテンプレートのフィルタ/カスタムオブジェクトがある
具体例を出せば、どういうことか1発でわかるかと思いますので、画像をペタペタ。
あとはカスタムオブジェクトの「集中線」とか、アニメーション効果のデフォルト値の「震える」とかですね。
ちょっと目の肥えた人なら「これAviUtlスギィじゃけん夜宇宙ロケットになりましょうね」と気づくことでしょう。
ただ正直なところ、これは「AviUtlのテンプレートだから」というより、「もうみんなやりすぎてて古臭い」というのがAviUtlらしさの原因になってると思います。
AviUtlらしさというより、「これやってんな」って感じというか……
例えばですが、AviUtlのテンプレートとかに限らず、こういう素材とかも「もうみんなやりすぎ」に含まれるんじゃないかと。
創作においては、「流行り = 飽き」とされることが多いです。
昨今で言えば、8番ライクのゲーム、ディフュージョンが目立つアニメ、AI生成のような顔のイラスト……とかそんなんじゃないでしょうか
僕は「おもろけりゃいーじゃん」とは思いますが、こういうものに対して「もうええて」と感じる層は一定数存在します。
つまるところ、視聴者層や時代に合わせて「"その時代において古臭くない編集"とやらをしてやろうねー」っつー感じです。
てか、こんなこと気にするのって同業者同士だから、一般目線考えたら「別にどうでも…」って感じですね。マジでしょーもねー。
【補足】
AviUtlのテンプレートについてですが、もちろん、どれも使いようによっては十分使えます。
フォローの意味も込めて、自分なりの使い道を下に載せておくので、興味のある方は参考にしてみてください。
興味のない方は飛ばしてください。
縁取り
・横向きの長方形/正方形のオブジェクトにぼかし無しで掛ける。角まで綺麗な縁取りになる
・ぼかし100にして、簡易的なシャドーにする。少し汚くなるので注意
凸エッジ
・幅1〜2程度にして、シンプルに立体感を出す。縁取りも併せて複数回重ね掛けすると良い
・幅バカ広の高さ0.20程度にして、簡易的なグランジにする
色ズレ 赤緑A
・フレームバッファにぼかしと併せて掛ける。合成モードや透明度を調整して色調として用いる
集中線
・グローをぼかしや拡散少なめで掛けて、背景として用いる
震える
・振り幅や角度をクソ小さくする
・間隔を広めにする
→みんな自分なりのテンプレ数値覚えといた方がいい。俺は振動系統ニガテなんで具体的な数値は知らんです。
②画像やテキストの画質が荒い
みなさんはベクター画像とラスター画像についてはわかりますでしょうか。
仕組みについては、各々検索するか、このサイト読んでください
色々省略して結果だけ言えば、
・ベクター画像はどれだけ拡大しても画質が劣化しない
・ラスター画像は拡大したら画質が劣化する
・AEのテキストや図形はベクター画像
・AviUtlのテキストや図形はラスター画像
→AviUtlのテキストや図形は、よ〜〜〜く見ると画質が粗い
つーことです。
これも余程めざとく動画を見てる人にしかわからないかと思いますが、
案外こういうところがAviUtlらしさに影響することも多いです。
特に、文字装飾がテレビテロップぐらいちゃんとしてるテキストほど、こういうところが目だったりするので注意ですね。
解決方法としては、「サイズを2倍にして拡大率を50%にする」ぐらいしか知らんです。
しかもこれやると動作重くなるのでカス。
2倍-50%とは言わずとも、70%とか80%ぐらいに下げてやるだけで効果が出るんじゃないですかね?知らんけど。
③1つ1つのオブジェクトが浮いている
本題です。
しかも、本題のくせに僕の中でも上手く言語化できてないので、よくわからん文章になってるかもです。
本題 動画編集者向け イミフ文章 自己解釈アリ キャラ崩壊 エアプ
ソレでもOKという方はドウゾ↓
動画制作においては、「映像内の世界観」というのは非常に大切になります。
映像を作るにあたって、様々なオブジェクト群を、色調や配置を調整して1つのシーンに合成する作業を「コンポジット」と言います
オブジェクト群には、3DCG、アニメの原画、エフェクト、テロップなど、様々なものがあります。
そして、コレらを組み合わせるコンポジットは、それ専門の役割である「コンポジッター」というが割り振られることもあります。
例えば、以下の動画では、動画説明文で「コンポジット」という役割があることがわかります。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm41593880
アニメーション担当の方々が、
上顎と下顎が定期的に分離しながらあけましておめでとうというリポーターやA遠野とB遠野がアーン(世界レベル)してるドアなど、色んなオブジェクトを作成。
コンポジット担当の方々が、
上顎と下顎が定期的に分離しながらあけましておめでとうというリポーターやA遠野とB遠野がアーン(世界レベル)してるドアなど、色んなオブジェクトをワンシーンにまとめる。
という感じだと思います。間違ってたらすんません。僕この動画作ったわけでも映像職でも何でもないんで、普通に間違ってるかもです。
そして、この動画においては「ポップな感じのコラージュ」という明確な動画の雰囲気のコンセプトが見受けられます。
アニメーション担当の方々はコンセプトに沿って、コラージュらしい画像の加工を行なっているように思えます。
また、コンポジット担当の方々も、色調が彩度と明度が高めのポップな感じに揃えています。
素材の加工→コンポジットの両方で、コンセプトに沿った編集をしているため、大量の素材群が纏まって見えますね。
逆に言えば、コレらが十分に出来ないと、1つ1つのオブジェクトが画面内の世界観から浮いて見えます。
↑「コレらが十分にできないと」で止まってその後の文章消し飛んでました。(追記済み)
「できないとどうなるんだ」「俺も上顎と下顎を分離させられるのか」といった不安を与えてしまいすみません🙇
さて、本題のAviUtlのお話に戻ります。
結論から言えば、AviUtlらしさの原因 ≒ AviUtlの欠点は、
・凝った素材の加工がしづらい
・コンポジットしづらい
・シーン機能やオフスクリーン描画に欠陥がある
ということです。
素材の加工とコンポジットの具体例を通して、どこでこれらの欠点に引っかかるかをお見せします。
まず、こちらの3つの画像からなるオブジェクトを作ります。
ポップな感じにするために、とりあえず縁取りとFlatShadowでも掛けてみましょうか。
グループ制御で3つの画像を1まとめにして、フィルタを掛けます。
縁取りのサイズが違う、縁取りとFlatShadowが別の画像に重なって隠してしまっている
てな感じで、「3枚の画像を1つのオブジェクトとして認識出来ていない」という感じです。
こういう際には、たしかオフスクリーン描画というのが使えた気がします。
例えば、複数画像のリサイズの向きを揃えられるなど、「グループ制御内のオブジェクトを一つのオブジェクトに纏める」みたいな効果が……
こうなったら、シーン機能を使いましょう。
「簡易的な別プロジェクトを立ち上げる」みたいな機能です。
タイムラインの左上のRootを選択して、Scene 1などから使用することができます。
こんなしょーもねー画像でわざわざシーンを挟むのは面倒ですが、背に腹はかえられランランルーです。
おそらくこれで出来上がるはず……
アラァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
と、こんなんになります。
画像の加工をし、コンポジットをしやすくをする際、複数の画像を1つのオブジェクトとして纏めなければいけません。
ですが、実際にやろうとすると、
・オフスクリーン描画は楽だが、一部フィルタで反応しない
・シーンを挟むと確実だが、メンドイ。さらにエラー落ちの可能性が高い (今回は実際にはエラー落ちしてないけど、落ちやすいイメージあるよねーって感じ)
こういうわけで、シーンを挟まずにRootだけでなんとかしようとする人が多いです。
そうすると凝った画像加工は出来ないのに加え、1つ1つのオブジェクトに対して色調補正をせず、フレームバッファだけでなんとか完結させようとします。
画像の加工もコンポジット(色調補正)もそこそこにしか出来ない。
結果、1つ1つのオブジェクトが浮いて見える。という感じです。
他にも、コンポジットの際にプレビューの画面内に囚われて、画面外まで動画内の世界を広げられないというのもありますが、今回は省略。
そんなこんなでAviUtl感がでまっせーってことです。
解決策
じゃあどうするかって話ですけど、
・シーンを積極的に使う
・画像の加工で別ソフトを通して、1つのオブジェクトを纏めてからAviUtlに持ってくる
ぐらいじゃないですかね〜
シーンをちゃんと使えるやつはさ、やっぱちげぇよ。"器"が。
あと、Not AviUtlというスクリプトで簡易シーン機能みたいなのもあるんですけど、僕が使ってる限りあんま安定しないです。
僕の導入が悪いかもなんで、みんなも使ってみて、どんな感じか教えてください。
https://github.com/sasimi0343/NotAviutl
はい終わり。もうスーパー行かなきゃなんで。終わりです。さいなら。
あと再度言いますが僕映像職でもなければ実際にAE触ったことすらないんで。なんか違うところあったらTwitterで騒いでください。反応は特にしないけど。
はい帰れ皆んな帰れさっさと動画作れ。こんなことベラベラ語ってる奴よりも、手動かしてるやつの方が100億倍偉いんで。じゃ。
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