団地図解のはなし。
十年間毎日ずうっとやって、
もしそれでモノにならなかったら、
俺の首やるよ
ほぼ日で吉本隆明さんのこの言葉を見てから17年経つわけですが、結局10年続けてることが未だにない。「SpecialistではなくGeneralist、器用貧乏ばんざい!」という物言いが許されるのはいつまでかしら…。
などとブツブツ言うわたくしの隣で、コツコツ10年続けてきたことをモノにした人がひとり。「西の団地マニア」こと夫・吉永健一がついに団地の本を出します。しかもいわゆるドボク趣味層向けではなくて、本気の専門書枠。
いくつかの団地をテーマに、そもそもの地形的な成り立ちを読み、その地をどう活かして建物を建てるか、空間を設計するか、どんな形の建物を立てて、そこにはどういう間取りを詰め込むか…。これまでバラバラに論ぜられることの多かった土木と建築と暮らし、ひとめで見渡せるような構成。地形の起伏を見通す鳥の目と、壁の立て方ひとつに意図を見出す虫の目を行ったり来たりして読み解く推理モノのような趣さえあります。
団地のノスタルジアに浸るとか間取り分析や歴史的な資料を集めた団地本はこれまでにもいろいろとあるようですが、本書に関しては、まちを歩き、建物を愛で、すてきな暮らしの場として団地をコツコツと広め、ライフスタイルの変化に合わせたリノベを手がけてきた10年があってこその内容だなあ、としみじみ。とーちゃんエライ!同じようにランドスケープをてがかりとして、コツコツと団地の研究を続けて来た共著の篠沢さんもエライ!
出版日は10/10(書店にはもうちょっと早く出回るのかな)、月末には東京と大阪で出版記念のトークイベントも開催されます。ぜひお手にとって、話を聞きにきてくださいませね。家族総出でお待ちしております!
団地図解
地形・造成・ランドスケープ・住棟・間取りから読み解く設計思考
団地はどれも同じ…だなんて大間違い。地形を生かしたランドスケープ、コミュニティに配慮しつつ変化に富む住棟配置、快適さを求め考案された間取りの数々。目を凝らせば、造成から植木一本まで連続した設計思考が行き届き、長い年月をかけ育まれた豊かな住空間に気づくはず。あなたも知らない団地の読み解き方、教えます。 ▼学芸出版社ウェブサイト(一部内容が見られます)
【東京編】白熱討論!団地読み解きlive|『団地図解』出版記念トーク
10/26(木)19:00 - 21:00
場所:建築書店 Archi Books(東京都港区芝5-26-20)
ゲスト:石川 初・大山 顕
http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1710_danchi_1/index.htm
【京都編】知られざる千里ニュータウン。そのつくり方を読み解く。
10/27(金)19:00 - 21:00
場所 : 学芸出版社3階ホール (京都市下京区木津屋橋通西洞院東入)
ゲスト:武田重昭
http://www.gakugei-pub.jp/cho_eve/1710_danchi_2/index.htm
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