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レース後の憂鬱

さて。
先週の土曜のレース、エースが大事なレース終盤でメカニカルトラブルのバッドラックがあり、その後の展開にもスプリントで誰も着れず、チーム的に全く結果が残せなかったレースでした。

まあ、そんなレース後はもちろんチーム的には、はあ。って感じですが、選手は選手でそれぞれにそれぞれの感情と思惑があり、それに加えて私はコーチからのダメ出しの嵐で、そっちの方が私を憂鬱にさせていました。
そう、だって今年は、オリンピックイヤー前年。UCIポイント貯めないといけないのです、オリンピックに出るためには。各国のセレクション基準は知らないけど、個人のポイントが必要なんですよ。 (ちなみに日本は、男子と女子で全然違うみたいですが🤷🏻‍♀️理由は、女子の世界は層が薄いからなんだかんだって、何を見て言ってるのかがわからないけど)
そりゃ、クラシックとか大きいレースで一発勝てるような選手は、小さいポイントとか気にせずに、そこに照準を合わせればいいんですけど。私みたいな選手は、少しずつ貯めるしかないんですよね。
(※UCIとはUnion Cycliste Internationaleの略。つまりUCIポイントとは、UCIに指定されたレース結果を出せば獲得できるポイント。これによって、レースの枠やチームランキングが決まります。

しかも、2019年から女子はワールドツアーに出るために、チームのUCIランキング(全選手のUCIポイントを集めた合計で決まる) が15位以内じゃないと無条件で出れないというルールになって、16位以降のチームはわざわざインビテーションを(お金かゴニョゴニョか知らないけど)取らないとレースに出れないようになりました。

ちなみに私のチームは、年明けにそのシステムが開始された時点で、13位(ちなみにボーダーラインの15位前後3チームは、かなり僅差)なので、チームはとにかくUCIポイントを1ポイントでも多く稼いでほしいし、UCIポイントを持ってる選手を集めたい。で、選手は選手で、自分のポイントもほしい、と。(オリンピックを狙ってる選手はもちろん、このルールだと契約時にUCIポイントがなかったら、契約がかなり取りにくくなるということが予想されます。)
実は、私たちのチームは昨年からエース級の選手が3人も抜けたので、2018年末のチーム体制が発表された時点でこのルールに則ると、かなり危うい位置にいたのですが、みんなでチームのポイントやばいよね?って話ていた矢先に、アジア大会やアジア選手権でUCIポイントをかなり持っている韓国の選手と契約したというニュースを突然、ツイッターで知ることになったという。。。それで数ポイント差で13位に無事に年明けには滑り込んだという訳です。

つまり、このロードレースのシステムというか、この世界の構造は、かなり複雑でして。 ご想像にお任せします🙇🏻‍♀️

チームの作戦とチームの思惑と、そこで走る6人の選手とそれをまとめる監督のそれぞれの目標とか思惑というか人間模様があったうえで、いわゆるOne for all, All for one で戦わないといけないのです。だから、そこにある感情とか、いろんな人やいろんなことを見てると憂鬱になったりすることもしばしば。

おそらく、男子ではそんなことは起こらないと思うのですが、たぶん。女子の場合、男子のようにある一定以上のサラリーを全員がもらっているわけでもなく、契約する(できる)チームによってチームのバジェット格差も凄まじい為、チームランキングが下になればなるほど、全員が、全てをチームのために、エースのために仕事して、その分の何かバックがあるかというとGoodJobって言われるくらいですし、言われた仕事ができない選手もいますし、インセンティブが何においても働きにくい構造なんですよね。

で、私の場合、UCIポイントが取れなかったり、リザルトとして結果が出なかったら、レース後コーチから個人的にダメ出しをされまくる。ということになります。これがさらに憂鬱の原因🙁

前置きがかなり長くなりましたが、ここ3年でUCIルールが毎年更新されており、そのルールをよく理解した上でチームとの契約、チームの構成、個人の成績もう整理しないとごちゃごちゃになるくらい、いろーんな要素といろーんな人間模様と最も重要なチームのベストリザルトを考えながらレースをしないといけないのです。

コーチからは、走れてる(アシストとして仕事をしてる)レースでも、UCIポイント穫れるところでなんで獲らないんだよ。(そんな簡単にとれたら、もうとっくにとってますよ😠) とか、UCIポイントがないとオリンピックに出れない。とか、なんであそこで仕事をするんだ?とか。レース直後に問い詰められ、
走れなかったレースだったら、何やってんの?なんでそんなところにいるの?と聞かれ、
チームからは、仕事してもGoodJobくらいで、あれだけ仕事してもエースが結果出せない時もありますし。(レースは水物ですからね。)

しかも、私はバカ正直で、変なとこだけ日本人的な義務感とか正義感があって、そうしてると都合よく利用されるし、その利用されてることも(鈍感そうに見えてそういうのは敏感)気づくし、この不思議な自転車の世界で生き残るのに必死な人をたくさん見て、私もそうやって必死に、スマートに(あんまり良くない意味で)しないと生き残れないのかなあ。と考えて、また憂鬱に🙁

というのも、先週末のレースでは、いろいろチーム的にエースのバッドラックがあって、チームもポイントは取れないは、自分も取れないは、仕事させられただけだよお前は。🤷🏻‍♂️🤦🏻‍♂️とコーチから個人的なダメ出しの嵐。自分としては、あれだけ仕事して、かなり良い走りをしてた(※当社比)のに、まあこういう日もあると思うしかないんですけど。
また今年もこうして私を憂鬱にさせるレース後の反省会の日々が始まるのかと、シーズンインを感じた今日この頃でありました。

まあわかりますよ、コーチは私のパーソナルコーチで、実際ロードレースをよく理解してるし(ただ選手のチーム内での人間関係とかを理解してるのか、してないのかは微妙)、チームのパフォーマンスじゃなくて私のパフォーマンスを考えた上での話であり、サジェッションであり、フィードバックであり、コーチングであること。
そう言われたって走るのは、私ですし、流れるレース中に判断を下すのも私です。無線があったとしても、いちいちレース展開をどうする?ってチームに確認するなんてこともできないし、その瞬間に個人がチームのベストを判断して動かないといけないわけで。
かといって、チームのために全てを犠牲にして走ったとしても、お給料が上がるわけでもなく、UCIポイントもとれないし、つまり来年の契約が難しくなるというわけです。
で、女子は中継してくれるレースも少ないので、観る方も順位のリザルトしか評価基準がないですし。本当、憂鬱にさせる要素しかない世界ですよ🙈

コーチが言うことも良くわかります。そして、言われることが間違ってないので、腹が立ちます。でも、私がやってることも間違ってないとも思います。まあ、そもそも箸にも棒にもかからない、評価の仕様のないレースしかできないレベルの選手だったら、コーチもこんなこと言わないでしょうし。
チームからは、仕事しないと評価されない、コーチからは仕事しても評価されない。
だからいつも衝突して、議論になって、結論のでないまま去年は過ぎました🤷🏻‍♀️

今年?今年は、コーチは何を考えてるか知らないですが、私はいろいろ諦めたし、いろいろ考えないようにする努力をしています。
まずは、「他人から何か評価されようと思わないこと。評価されるために仕事しないこと。」
だって仕事してもしなくても、誰が仕事しても、誰が仕事しなくても、エースもチームも勝てばハッピーですし、負ければアンハッピーなんですもん。ただそれだけです。だから、別に仕事しても評価されても一喜一憂しないことにしました。あ、どうもありがと🙋🏻‍♀️くらいでおしまい。

それに「何にも期待しないこと。」特に、相手に。相手が何かしてくれるとか、相手は良い人であるとか。チームに、チームメイトに、仕事したことに対するバックを心のどこかで、期待していたんだと思います、去年の私は。それを、位置どり、レース勘、100%いやレースでの120%の負荷を養うために仕事してるんだよね、と思うだけで、かなり何も感じなくなりました。もちろん、できることと言われたチームのロールは全うしますけどね👌🏻
そして、自分にも期待しないこと。もっとできるはず、とかそういう何の根拠もない期待。できないことはできないし、できなかったことはできなかった。と良い意味で割り切って、コーチから言われることも、「じゃあ自分がやってみろよ。」って心の中で思いつつも、まあ間違ってはいないって認めて、次に進まないと疲れちゃいますからね。また次も何かしら言われるんですけどね。

本当、不思議な世界ですよ。プライズマネーは、チームみんなで分けるんだったら、UCIポイントもせめて完走したライダーで分けてほしいものです。それだけで、チームのインセンティブがかなり働くと思うし、私もコーチからごちゃごちゃ言われるタネが一つ減るのになあ。
チームスポーツとか言いながら、個人のUCIポイントが必要で、オリンピックと世界選手権は国別で、国ごとにセレクションがあって、って
本当、心から「やってられねーよ!」って叫びたくなることばっかりで(実際たまに叫びますけど📣)、普通に考えて憂鬱になることしかない世界なんだけど、明日からの2日間のレースに備えて、今日も私は、自転車に乗って、レースに向けてコンディションを整えて、体重も食事もコントロールして、それ以外はベットの上でリカバリーして、っていう一日を過ごすんだろうなあ。また自分も一緒に勝利の蜜を味わうために。

まとめると、この世界にいるには昔、一発屋的に流行った世界のナベアツさんの「3の倍数と、3が付く数字のときだけアホになる」っていうネタみたいな賢さとアホさ が必要ですwww (思い出せなくてググりました🙈)

注)憂鬱、憂鬱ってめっちゃ書いてますが、私は元気ですwww

では、また次回👋🏻

#今日のエリさん #今日のエリnote

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