時速98マイル(157㎞)を投げる投手の腰椎骨折の訳

先日の胸椎不十分伸展症候群を書いていて思い出した件がありました。
長身の投手で時速98マイル(157㎞)を最速で投げる投手の話を。

腰椎骨折のリハビリをしても痛みは常にあり
彼は高校時代に腰椎の骨折を経験しています。
理学療法士とのリハビリは主に腰部・体幹の安定を目的に行われました。
しかし、腰椎の痛みは消えることが無かったそうです。
ここまでの話では、体幹の安定はあまり効果的なリハビリでは無かったようです。

投手にとっての動くべき関節を調べると…
彼には過去に肘関節の内側の痛みもあったそうです。
それをヒントに肩関節の外旋角度を調べると、おおまかで90度。120度は欲しい!

しかし肩の外旋角度が90度でどうやって時速157㎞の速球を投げられるのか疑問です。

彼は投球時の腕の「しなり」をどこか他の関節で作り出しているはずです。どこか動き過ぎは良くない関節で。
それがどうやら腰椎なのではないか、と言うのが推測でした。

肩関節では作れなかった「しなり」を腰椎の過伸展で作り出していたのではないでしょうか。

動き過ぎは良くない関節アプローチ
投球動作中の最大「しなり」をつくるところの投手を関節を考えます。
動くべき関節は、肩関節の外旋です。また、しなりを生むには肩甲骨の後傾も必要になります。
動き過ぎで良くない関節(痛みがある関節)が腰椎の伸展です。

動き過ぎは良くない関節アプローチでの診断は、「腰椎伸展症候群」です。
腰椎の伸展を軽減するため、肩関節や肩甲骨の動きを良くするのがリハビリの目的になります。
そこでまた登場するのが、胸椎の伸展です。

胸椎の伸展は、肩甲骨の後傾を生み出し、それにより肩関節の外旋角度をも相対的に向上します。
それでいて、腰椎の伸展も軽減することも考えられる、一石三鳥の大車輪の活躍が期待できます。
とにもかくにも、その投手は腰の痛みもなくシーズンを過ごしました。

もし、このアプローチをしていなかったら、彼は再び腰椎の骨折を経験していたかもしれません。
時速157㎞を生み出す「しなり」を腰椎の伸展で毎度投球時につくられたら、たまったものじゃありませんから。

あなたの胸椎は伸展していますか?

胸椎を大切に。

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