真理への道って?(後編)

思いがけず催眠療法を学び、化粧療法の門を叩き、ヨガの講師としてデビューすることが決まった頃。

一方で、True Colorsの屋号で催眠療法を用いるカウンセリングを始めていた。
その頃、どうにも納得できないことがあった。
学んだ催眠療法では、お悩みの原因を過去に求めることが常だった。
「前世療法」や「退行催眠」。
前世は生まれ変わりを肯定し、今の悩みは生まれ変わる前に残してきた問題が影響を与えているから、催眠で前世に戻ってやり残したことを終わらせましょうというもの。
退行催眠は母のお腹に命を宿してから昨日までに経験したことがトラウマとなって問題を起こしている。だからそれを経験した時間に戻って癒しを提供しようというもの。

私は早い段階からそこへ疑問を持っていた。
不確かな原因を追究することよりも、癒しが優先されるべきでないか?
また「前世療法」にはこの催眠誘導を用い、「アダルトチルドレン」の療法にはこの催眠スクリプト(誘導時のセリフのようなもの)でと、まるですべての問題が3つの方法で解決するかのような教え。
また「カウンセラー」と「クライアント」の関係性が、「癒しを提供する人」と「問題をもっている人」とに分類されることにも抵抗を感じた。

化粧療法を学んでいるとき、毎日目に留まった心理学の文献を読み漁った。まるでカラカラに渇いた喉を潤すかのように知識が必要だった。
この学びはどこへ向かっているのだろう。自分でも分からなかった。
知れば知るほど疑問がわいてきて、興味が募ってきてまた調べる。その繰り返し。
心理学の道って、なんと遠い道のりだろうと苦慮することもあったが学びは止められなかった。
大学などで心理学を専攻したらこの苦労はなかっただろう。最初に基礎を学び、それから深めていくというようにスムーズに学べただろうと思ったが、今振り返れば私にはこの学び方が最適だったと実感する。
大学で学べば体系的に学べただろう。でも何を学ぶかは自分で選べなかっただろうと思う。

学ぶにつれ、自分の中に、ある種の確信めいたものが浮かんできた。
私は大半のセラピーが推奨する『問題の原因を求める』よりも、『もっか起きている問題を解決したい』。
そのための方法は、私が学んできた催眠療法の3つの種類からカウンセラーが選び取るようなものでなく、クライアント自身が抱える問題によって、最適な手段を選びとることが必要なのではないか。
言うなれば、オーダーメイドのカウンセリングだ。それを提供したい。
そうして様々な精神技法(心理技法とも言う)の習得に時間を費やした。

カウンセラーになるために、どこか病院や施設で研修をするのが近道な気がした。
しかし調べてみるが私のような考えやスタイルのところが見つからない。
だから自分の道を行くことにした。

こうして自分のカウンセラーとしてのスタイルをつくっていくことが出来たのは、ヨーガ哲学から学んだことの影響も大きい。

ヨーガは宇宙の成り立ちを何千年も前から説いている。
人としてどう生きるべきか、何をすべきか、答えはどこに求めるか。
知るにつれ私の中で言語化できずに渦巻いていたことが「そうそう、これを言いたかったの!」「この気持ちを言葉にするとこうなるのか」と納得させられる連続だった。

そうしているうちに気付いた。
「これが私のカウンセラーとしてのスタイルだ」。
心理学という学問の中では語られてこなかった原理に触れる叡智。
その観点が無ければ私のカウンセリングは成立しない。
そう心が決まるにつれ、そのスタイルのままに私自身の在り方が重なっていった。
つまり、これって私が生み出した”私の哲学”。
いつだったか石屋のおじさんが「哲学の本を読みなさい」と私に言った言葉が脳裏に浮かんだ。

私は思う。

誰もが精一杯、この一瞬一瞬を過ごしている。
その結果、それが望ましい状態とならなかったかもしれないけれど、選びとった思考や行動はその瞬間は「最善」であったのだ。
「現実」は過去の積み重ねであり、過去の出来事を変えることはできないけれど「解釈」はいつでも変えることができる。
「未来への不安」は「現実が作り出す思考」であり、思考には人それぞれ特有の癖がある。
その無意識の癖は習慣化されたものであり、そうしたければ新たな習慣に置き換えることが可能だ。
世の中に「ポジティブなもの」とか「ネガティブなもの」は無い。どこから見るかで評価は変わる。「ネガティブ」が無ければ「ポジティブ」は存在しない。ちょうど「陰」が無ければ「光」が存在しないように。

そんなことを考え続け、折りに触れてクライアントさんへ熱弁をふるっているうちに10年の歳月が過ぎた。
その間に、自分自身が霊能者であることにも気付き、高い次元の存在達と共働していく上で授かった叡智が私自身の成長を助け、カウンセリングにも活かされている・・・と思っている。

私が霊能者に気付いたエピソードはまた改めて・・・。
今日も読んでくださってありがとうございます。
佳い日をお過ごしください!

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