チーズ恋文

とにかく好きなんです。
たまらなく好きなんです。
こんなに好きになったのは、久しぶりかもしれない。

ちょうど1年くらい前に渋谷で出会ってしまって以来、月に2回は、あなたに会わずにはいられないのです。

休日に会えることが、私の幸せ。
そう。「あなた」は、東京ブッラータ。

見ているだけで笑顔になれる、まっしろでかわいい風貌。
ふわっと優しい気持ちになれるミルクの香り。
かわいいあなたにナイフを入れたときの感触、その何とも言えない罪悪感。
口に入れた時の、やわらかでとろけるような味わい。
優しいミルクの香りは鼻に抜け、疲れた私を包み込んでくれる長い余韻。

視覚、味覚、嗅覚、触覚……。五感が心地よく刺激される感覚。
それは、あなたがチーズだということを、忘れてしまうほど。

出会って最初の頃。私は、あなたにとって最高の環境を用意したくて、いつも側にトマトを並べていました。あなたに合うのは、トマトしかないと思っていたから。

でも、ある時。「あなた」の生みの親が教えてくれました。

「フルーツとの相性がとってもいいんですよ。」

え、フルーツと？　違和感とまでは言わないけど、あえて一緒に？

まあ、試してみるかな。と、まず最初に勧められてあわせたのがアメリカンチェリーでした。これが感激の美味しさで。それからは、白桃、シャインマスカット、りんご、バナナ、キウイ……とその季節の旬のフルーツをあなたの側に並べ、一緒に楽しむ休日を過ごしています。

今までで1番のお気に入りの組合せ。それは、いつもより少し手間をかけて、甲州ワインで軽くコンポートした、つがる弘前のりんご、王林。やさしい日本のワインで、甘酸っぱくうまみを増した王林は、あなたの個性を存分に引き出してくれました。

あなたの可能性を引き出すことが、休日の楽しみ。

いつも、ありがとう。
これからもずっとずっと大好きでいます。

（おわり）**********************************************************
突然、どうしたの？ 大丈夫？って思える内容ですみません。大好きなCheese Standさんが、#フレッシュチーズのある休日 というお題で投稿を募集していたので、私のチーズ愛を恋文にしてみました。何十年かぶりに書いてみた恋文でした笑