ブルーデージー(誕生花ss)
純粋な君を汚してはならない。
ぼくの中の、このおどろおどろしいもの、君に纏わりつく、どす黒い粘着質の汚物の塊で、君の水晶のような透き通った魂を汚してはならない。ぼくは、ぼくのコートが君のスカートに触れるだけでも罪悪感に苛まれる。通学バスで隣に立って、君のお気に入りのコロンの香りを吸い込んだだけで、その場に平伏して謝りたくなる。
それなのに君は、コート越しにぼくの腕に抱きついて、楽しげに話す。今日の担任の服装、お弁当のおかず、窓から見た雲の話。純粋な君の口から出てくる言葉