フクシア(短編・天使と悪魔シリーズ27話)
【天使のことが大好きすぎる悪魔と、彼に惹かれていく天使の、見た目BL小説群の27話目です。(これまでの話はマガジンをご参照ください)】
外で落ち合う場所としてよく選ぶ喫茶店の、陽当たりのよいテラス席で、天使がいつになくそわそわした様子で俺を見つめている。太陽の黄金色をそのまま移したような髪の毛を透かして、抜ける青空のような瞳が、ぱたぱたと瞬く。どうしたんだ、と促してやりたい気持ちを抑え、俺は愛しい相手が自ら口を開くのを待った。
「あ、あのな……」
ようやく、その桃色の唇