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グッバイ言うてもまた会えた!④~Deanさんが First Penguin だから 観客も First Pemguin!負のスパイラルを正のスパイラルに変える ライブの新しいカタチ(2021/9/4・埼玉・川口リリア)

【ありがとう!最大限 安全なライブを追求した新しいカタチ】

17時32分 演奏開始、19時18分 客電点灯、賞味 1時間46分。

演者と観客が お互いに手探りで歩み寄っていくような、今までとは全く違う緊張感で Musical Transmute ツアーは始まりました。
Deanさんが「実験」と表現するのも理解できます。
感染防止対策として定員は客席数の50%以内(11月から緩和と政府発表)、観客はマスク必須で歓声など一切声を上げることのできない初めてのライブ。
舞台からはきっと初めて見るマスクの群衆…どのような景色に映ったでしょうか?

Deanさんと #劇団トランスミュート の様々な思いが伝わってくるパフォーマンスに、私は声も立てず ただじっと目と耳と思いを集中させていました。
集中して歌や曲に聴き入り舞台を見つめていると、知っている曲でも違うアレンジや凝った演出。改めて入ってくる胸打たれるメッセージが沢山ありました。


曲の終わるタイミングで拍手をして感謝や感動を伝えたつもりですが、たびたび訪れる静寂の瞬間は、今まで拍手や歓声で聞き取れなかったかもしれない、舞台からの繊細な思いや願いが伝わってくるような気がしました。
Deanさんは暫く会わないうちに以前よりもずっと声が良く出るようになっていて(これがきっと第四形態!!)、新曲もたくさん披露してくれました。驚いた事に日本語歌詞が多く、国外へ移動できないコ ロナ禍の中でも勤勉に活動し続けていた事を伺い知ることができて、改めて尊敬の念が上書きされたのです。

DeanさんのMusicalにもちろん感動で涙溢れる場面も多々あったけれども、Deanさんらしいサプライズやお茶目さんにも会えたし、ワクワクする演出もたくさんありました。
そんな状況でも最後まで客席から歓声が聴こえる事はなく、アンコール後には、この日一番 大きな心のこもった温かい拍手で会場は満たされました。

客電が点灯して我に返った時に、このツアー初日が実は大きな実験であって、その実験に観客はいつの間にか参加していた事に気付かされて、改めて凄い事を成し遂げたと感慨無量でした。
観客が空間を満たして初めて完成したこのライブを、Deanさんが最後に客席へ投げてくれた言葉を思い出しながら噛み締めました。


たぶんこのライブは、今までのライブでは気付かなかった事が たくさん見えてくる仕掛けなのかも。
この斬新なライブを見せる方法は、現在進行形のコ ロナ禍の状況で、出来うる限りの安全に配慮した新しいカタチ。
演者にとっても観客にとってもこれは最後まで「実験」であり続ける。


Deanさんが First Penguin なら応える観客も First Penguin!きっとこれは安全対策上、最も良いお手本として真似されて、近い将来ライブやコンサートを見せる方法として スタンダードになる日が来るかもしれません。


【負のスパイラル が 正のスパイラル に変わる時】

思えば初日を迎える直前に気が重くなる事が続きました。
8月末に愛知県で行われたフェス「NAMIMONOGATARI」で、密集するほど観客を入れてアルコール提供も行った事が問題になり、その煽りを受けてライブやコンサートが非難の対象になってしまう残念な事が。
またミュージカル「レ・ミゼラブル」も、感染者が出て9/6~9/16の大阪公演が全て中止になってしまったのも同じ時期。
コンサートやライブや劇場が、危険な感染源としてインパクトを持って世の中に知れ渡ってしまったのです。

けれどもDeanさんの作った脚本のやり方なら、もしかしたら、何処でも誰でも安全にできる新しいライブのカタチなのかもしれない、これは一つの大きな希望に思えました。
もちろん今回は球体に例えられ多面的な活動をするDeanさんの俳優部分を、最大限に発揮した素晴らしい脚本があってこその成功で、誰もが ここまで感情移入できる作品を作れるとは限りませんが…。

さらに、これって凄く安全!凄く新鮮!今の状況での最善!人に優しい!いい事ばかり!
これから日本全国を周り、Deanさんをはじめ #劇団トランスミュート と、オーディエンスが実験を続けながらどんなふうにTransmuteし続けていくのか、過程を見守りながら体感するのがとても楽しみです。
負のスパイラルはきっと正のスパイラルに変えられる!

さて、次はいよいよ 仙台でTransmuteします。仙台は前回2019年のツアーで初日を飾った思い出の地。どのようなTransmuteになるのか、楽しみです!

【おまけ】【最後にとんでもない私の失敗談を】

開演まで僅かな時間、このライブが開催されることの感慨に浸っていた私がすっかり忘れていた事、それはせっかく買ったブレスライトの点灯でした(泣)。
ライブが始まってハッと気が付いても遅い。1曲目を聴きながらずっと暗闇の中、手元をごそごそして開封と絶縁シートを取り除くところまではできた。でも点灯の仕方が全く解らなくて泣きそう。隣の人に聞くわけにもいかない。そうこうしているうちに2曲目が始まって、私は諦めて横の扉に走って行って外へ出ました。
幸い11列目だったので前が通路。できるだけ体を低くして猛ダッシュで扉の外へ走り出ました。すぐ係の方が何事かと聞いてくれて教えてもらって点灯させてもらえて、周りにご迷惑にならずに席に戻ることが出来ました。あ~もうほんとバカバカバカ。自己嫌悪。でも11列目で前が通路だったのが不幸中の幸いでした。これから絶対気をつけなくちゃ。(ブレスライトの5色の光は本当にきれいです!)