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黒滝@佐渡 20210426


天気予報は晴れマーク。


けれど、気温はグッと下がったこの日、

初めて本格的な滝ツアーに参加してきた。


佐渡の滝事情と石塚さん

ガイドの石塚さんいわく、
佐渡で名前のついた滝は20〜30くらいらしい。

「ほー。そんなものかぁ」と、

思っていたよりも少なく感じた。

ただ、滝は川の数だけ存在すると言われているらしく、

それでいうと佐渡の川は100くらいあるから、

名もなき滝もまだまだたくさんあるみたい。

特に装備が必要なく、どの年代でもたどり着ける
初球の滝もあれば、かなりハードな中級、
ディープ&スリリングな上級と
これまたさまざまな滝があるらしい。

ちなみにこの日の滝、黒滝は中級者向け。
(装備は、ジャージ&長靴&軍手にヘルメット)

石塚さんは明るくて、テンションも陽気で、
フットワークだけでなく雰囲気も軽くて、
きっと誰でも親しみやすさを感じる方なんじゃないかと思う。

ずっとアウトドアや山登り、
トレッキングなんかが大好きなのかと思えば、
佐渡に戻ってきた4年前までは
アウトドアにも全く興味がなかったというから衝撃的。

「目覚めた」らしい。

今や佐渡のあらゆる滝を制覇し、

山に自生する草花の名前もポンポン出てくる。

地上にいても生き生きされてるけれど、
山の石塚さんは一段も二段も増して
生き生きしていた。

「よっしゃ!」「いいね!」「よいしょ〜!!」
なんて言葉を絶妙なタイミングで浴びせてくれるから、
こっちも自然と楽しくなってくる。

あ、ちなみに石塚さん、
今年スキーにも目覚めたらしい。


スタートの合図はまさかの…

風が強く、4月にしては4枚も着込んだのに、

地上でも肌寒く感じたこの日。

かなり山を登った先で、車から降りると
「寒っっ!!」と思わずポロリが出る。

身体がギュッと縮こまる寒さ。

準備運動をしたり、ヘルメットを装着していると、
お空から曇った空から何やらちらちら降ってきた。

雨じゃない。

ん?

白…


雪だ!!!!


まさかまさかの雪がスタートの合図に。


春の山、新しい命と朽ちた命が共存する

「え?ここから登るの?」
と、
びっくりするほどの入口。

昔は立っていたという看板らしき板が

辛うじて横たわっているものの、
すでに滝の名前も消えていて、ただの板。

スタートから木や枝や倒木を
かき分け、乗り越えながら前に進む。

想像していた以上のワイルドな道に、
心はワクワクが止まらない。

冬の間、閉ざされていた山は、春を迎え、
足元では若々しく、瑞々しい可憐な草花や
山菜が至るところで自分の使命を全うしている。

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木々からは柔らかい緑の若葉や芽がのぞき、
木や植物の数だけ存在するグリーンが
まだささやかな大きさで存在している。

その一方で、
倒れた倒木や枯れ枝や朽ちた木々も
混在している。

生と死がワイルドに共存していた。

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美しき桜の感じたことのない底力

「この桜の木は、珍しい桜の木らしいです」

と石塚さん。

前を見ると、大きな桜の木が斜めに伸びていた。

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周りに自生する背の高い木々に負けまいと、
必死に太陽の光を求めて上へ上へと目指したのだろう。

まだわずかにピンク色を残した頭頂部分は、
ごくわずかだった。

幹も太く、ゴツゴツとたくましく、
あらゆる苦難を乗り越えてきた戦士の身体のよう。

すごかった。

そして、その桜の木から数十メートル離れたところに
また別の桜の木があったのだけれど、
これまた地上ではお目にかかることのないお姿。

なんと、幹が7本!!!

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どうして、君はそうなったんだい?
と思わずにはいられない神秘的な存在感。

これまたすごかった。


そして、滝目前のところに咲いていた桜は、
わたしの腰の高さほど。

よくよく見ると、
完全に倒れた主幹は、土に埋もれて同化しているにもかかわらず、
枝は上を目指し伸びる(生きる)ことを諦めてない。

見事に花を咲かせていた。

こんな桜は初めてみた。

何があっても生きようとする強さ

桜だけではなく、
どの植物も生きようとする強さが半端ない。

枝が折れようが、幹が傷つこうが、
倒木の下敷きになろうが、石に邪魔されようが、

決して、伸びることや成長することを諦めず、
別の道を見出して生きている。

誰に褒められることもなく、
誰に教わったわけでもなく、
ただひたすらに強く生きて存在している。

そんな光景を目の当たりにすると、
自分の方が偉大な何かを教わっている気がする。

自分のちっぽけさを知る。


圧倒される滝のパワーと極上のティータイム

水の音って、なんでこんなにも落ち着くんだろう。

滝が近づいてくると、
水音も大きくなってくる。

その音が癒しでしかない。

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遠くに見えた滝に、少しずつ自分の足で近づいていき、
全貌を目の前にしたときの大迫力といったら!

しかも、曇り空の雪模様だったスタートに比べ、
この時には青空&太陽の最高のお天気に。

神様ありがとう!!

落差20mくらいから流れる水しぶきの爽やかなこと。
そして、流れる水の透明なこと。

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いろんなものが浄化されていく。


わたしたち参加者が夢中になって、
カメラをパシャパシャしている間に、
何やら石塚さんが大きなリュックから出して
準備をしている。

なんと、このロケーションでのティータイム!!

しかも単なるティーではなく、
サバイバルしてきた途中に自生していた
クロモジという植物からつくったティーだそう。

あぁ最高。

おやつまで用意してくれていて、
動いて頑張った身体に染みる沁みる。

達成感、充実感、満足感、爽快感…
いろんな心地よい“感”が駆け巡る。


山に入ることで、全部完結するんじゃない?

帰りは別ルートを選んでくれた石塚さん。
こういうの好き。

ひたすら急斜面を登っていく。

枝をかき分け、倒木をくぐり、
手や足や身体を伸ばして曲げて、必死でついていく。

普段動かさない部位が目覚める。
することのない体勢に身体が反応する。

感覚が冴えていく。

と、同時に心は穏やかに、癒され、元気になる。

思考もクリアに、前向きに。
悩みなんてどうでもよくなる。

山に入るってすごい。

どんだけの恵みがあるんだって思う。

ジムに行くのもいいけど、
家で静かに瞑想もいいけど、
山にくれば、1発解決。

身体も心も思考までもが整ってしまう。

山に修行にいった仙人が覚醒するのもわかる気がする。

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地上に降りてきて、
また見慣れた風景に戻ったんだけど、
見え方が朝とちょっと違うから面白い。

最後に、石塚さんが七段の滝に行ったときの
写真を見せてくれた。

なんとそこへ行くには往復8時間もかかるらしい。

ものすごく惹かれた。

心や身体が「行ってみたい!」って反応した。

こんなほとんど誰も知らないような美しい秘境が
佐渡の中にまだまだ静かに、力強く存在してるかと思うと、
機会をみて出合いに行きたいと強く思う。


ガイドツアーに興味のある方は、
ぜひハングアウトさんのFacebookをチェックしてみてね。

定期的に滝ツアーのイベントは開催されているみたい。

佐渡在住の方であれば、
ふらっと金井のダグアウトさんを訪れるのもあり。

人数集まれば、その時期最適な滝や
参加者さんの年齢や希望に合わせたプランを
教えてくれるかと思います^^

ちなみに今回の滝ツアーの料金は3500円。
(お店から滝までの送迎、ガイド、ヘルメットレンタル、保険込)




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