見出し画像

願いが生まれた場所

出合いは、ある日突然に。
ネットで見つけた、夢への扉。

大好きな国をもっと知りたい。
住んでみたい、生活したい。
でも、
お金も英語力もご縁も無いから
留学でも就労でも、婚姻でもない、
私にぴったりな方法。

そんな都合のいい方法、、あった。

ふとした時に出合った、ブログ。
そこにあった、
《Au Pair》という言葉。
そこから9か月後の出発となった。


----


いざ始まった、憧れの地での日々。
状況的には、
《毎日》が最高に幸せなはず、だった。


ホストの家族には
よくしてもらっていたし、
子供たちは可愛いし、
何より、念願叶って、
フィンランドで生活できている。

でも
「生活」するというのは、それだけでは済まない。


生活の場=職場 な環境。
家と保育園との往復。
外国語でのコミュニケーション。
初めて知る習慣や文化の違い。
経験したことのない、気象。


家族以外と、生活を共にするということ。
外国人として、外国に暮らすこと。


日本で当たり前に出来ていたことが
言葉が通じないことで
社会システムを知らないことで
「子ども以下」になったような、
恥ずかしさと、情けなさ。


日光に当たれないことが
こんなに苦しいなんて…


嬉しいことの方が
たくさんあったけど。
落ち込むことも想像以上。
多分、
『大好きな国にいる』という
強い気持ちがなければ、心が折れていた。



オーペアとしての自分。
家族じゃないけど、
保護者的な人の最適な立ち位置は?


フィンランドで働く外国人な、自分。
日本の役所って、親切だったんだな。


アジアンである、日本人な自分。。
そりゃあ、あるよね。
偏見の目。。


何者でもない、ただの私になりたい。
切に願った。


ああ、もぉ…な気分の日。
保育園に送って、家事に入る前に。
保育園にお迎えに行く前に。


途中にあるカフェが、オアシス。


いつも程良い場所に
席を見つけられる空間。

ぼーっと海を眺めて
あたたかいカップで手を温めながら
コーヒーを一口、
こくりとやって
はぁーっと出ていく、長い息。

張りつめていた糸が
はらりととほどける瞬間。

誰のことを気にしなくていい
自分だけで過ごす、ひとりの時間。


空と海に見守られて
自分に還れる場所。



ものの10分、ぼーっとするだけで
すっきりして、
何だか、また頑張れそうな気がした。


こういう場所、いいな。
・・・創りたいな。




『カフェをやりたい』夢は、
ここから。


あたたかい飲み物があって、
甘いお供があって、
目の前に
日常を忘れられる風景が広がっていて、
ぼーっとまったり過ごせる、
居て良し、な場所。


「何もしない」を、する場所。


私の経験と語彙力をすり合わせて、
こういう場所を表現する言葉は


「カフェ」か「田舎のおばあちゃん家」。


夢を語るとき
人にイメージが伝わりやすいのは
「カフェ」だろう、と。

外に合わせて
言葉を選択した時から、
ちょっとズレ始めたのかもしれない。
「カフェ」の概念に引っ張られたのかも。


だから、叶わないんだな。



本来の願いは、

△△くんのお母さん、とか
◆◆ちゃんのお父さん、とか
○○さん家の奥さん、とか
□□会社の人、とか

たくさんの役名を持って
日々頑張っている、
かつて一緒に時間を共にした、
大切な人達が

ホッと一息つけて
一番シンプルな名前で
くつろげる、、
そんな場所を、創りたい。

ゆるんだ笑顔を見たいから。



初めて、
人に言えない趣味を分かり合った、
大切な人の大切な子が
保育園に入ったこの冬。
ここがタイミングだったのかも。
・・・おばあちゃん家が、近いか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?