あなたが書いた2作目の本が大ヒット。本のまえがきを書いてください

卒業した小学校に飾られている卒業制作。

「生きる」谷川俊太郎 詩

詩とともに、詩からイメージした世界を児童が描いた作品だ。

小学3年生の時、この作品が私の瞳に吸い込まれていった。
作品をしばらく眺める。

生きているということ
いま生きているということ

詩の一節が妙に気になる。

魚の骨が喉に引っかかる?
好きな人が私のすぐそばで微笑んでくれる?

深く探ぐろうとするとかえって傷ついてしまいそうな、くすぶる想い。

卒業制作とめぐり会って以降、
いまを生きるとは?を考えていた。
私の周りには、いまを必死に生きている人がいたからだ。


小学3年生か4年生の頃。
誰もが見てわかる位置に大きな傷跡を持つ手術を受けた同級生。
怖い、辛い、悲しいという気持ちはあっただろうが、学校ではいつも太陽のように笑って優しかった。


小学5年生時の女性担任。
ある日の帰りの会で、膝から崩れ落ちるように号泣した。
やんちゃな児童に体当たりで指導するほど元気な先生。
病気が発覚し、次の日から休職せざるを得ない状況を話すまでに、
私たちの前でどれだけ長い時間涙を流したのか。


私は衝撃を受けた都度、
いまを生き続けたいと心から願っていた。
しかし、時間の経過と共に、とりあえず生きていればいいやと無理をしていた時期もあった。


そして、2015年。
私自身も大病が発覚した。
自分ひとりだけの状況ならば、最良の病気の向き合い方を模索できただろう。
しかし、当時は第二子を妊娠中であった。
自分自身とお腹の子どもが、いまを生きるための選択肢。
数も限られ、更には悩む時間の余裕もなかった。

私の治療、出産の方針が決まってふと考えた。

病気が怖くて、辛いのではない。
小学生の時にいまを必死に生きる人がいたにも関わらず、
なぜいまを生きることを疎かにしていたのだろうか。
なぜくすぶっていた想いをていねいに読みとらなかったのだろうか。


涙を流す暇などない。
気づいたら行動するだけだ。
私は、病気を乗り越えて
いまを生きて、生きる。
いまを生きることに困難を感じている人が近くにいれば
そっと背中を支えたい。


大病が発覚してから6年が経過した。

発覚時に決意した、

いまを生きて、生きる
生きることに困難を感じている人の背中をそっと支える

を本を通して伝えることになった。

いまを生きるとは?を常に考えるのは難しいかもしれない。

しかし、本書をきっかけに
いまを生きるとは?を考える時間ができれば嬉しいです。

そして、あなただけの
いまを生きるとは?の解釈を大切にしながら
あなたが毎日、この瞬間を生き続けていくことを心から願っています。

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