大きなヘッドフォンの話

たまにいる、とても大きなヘッドフォンをしている人たち。あんなに大きな荷物を一つ増やしてでも着けたいのだから、あの大きなヘッドフォンでないといけない理由があるのだろう。

私は極度の内向的人間なので、他者との精神的な壁というものはかなり厚く作る方だけど、空間的には開かれていたいと思う。
完全に自分から外界をシャットアウトしてしまうのは怖い。

部屋に一人きりでいると息苦しくて外に出たくなる。寝るときに無音は怖いし暗闇も怖いから、小さな暖かい色の灯りを付ける。隣の部屋の物音が聞こえると安心する。

自分が、自分と接している周りの世界がどうなっているか知らずにいることが、不安ではないのかな。
カフェに行っても壁に向かって過ごすことが不安だ。店内を見渡せる、一番端の席に壁を背にして座りたい。

人見知りで内向的で、人と関わることをひときわ面倒だと思っているくせに、世界とつながっていたいと強く思う。世界の音を聞き、景色を見、匂いを嗅ぎ、手触りを確かめ、温度、湿度を感じる。
だからイヤホンも苦手だし、アイマスクや手袋も苦手だ。

そして、私は世界の中にただ期間限定で存在しているだけなのであって、私がいなくなろうともこの世界はゆるがないということを考え、ただただ安心するのである。

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