2022読書⑤ 吃音 伝えられないもどかしさ
去年のある日のこと。
自分がどもっていることに気がつく。
「あ、あ、あ、あ、あのー」と、最初の一言がどもる。
そしてどもっていることを笑われた。
笑われた。「どうしたんですかw」みたいな感じで。
30数年生きてきて、どもったなと感じたのは初めてだった。
昔から私は言いたいことが言えない。
言いたいことはあるのに口から出せない。
これは私が極度に内向的だからなのだと思っていた。なにせ99%が内向的なのだ。
口数が少ないと暗くなる。しゃべらないのに明るい人をあまり見たことがない。
高校生の時、好きな人が私のことを「暗い」と友達に言っていたと聞いてショックだった。まあ暗いのは事実だけど。
それでも生活や仕事などで困ったことはさほどなかったし、家族や仲の良い友人には何でも言えるし、そんな自分と付き合ってきたんだけど、明確にどもることを意識するようになったのは去年。
そしてそれは特定の相手にだけ発動した。
ちょっと冷たくていじわるな人。
私はもしかして吃音というやつだろうかと思い、この本を手に取った。
今まで全く知らなかった吃音のこと。吃音で悩んでいる人の苦しみ。世間の理解が進んでいないこと。
私が特定の人への最初の声がけだけどもるなんて可愛いもので(笑われるのは辛いけど)。
言いたいのに言えないって苦しい。
誰とでもテンポよく楽しそうに会話できる人がうらやましい。どうしたらあんなふうになるのだろう。
もしかしたら周りにいたのかもしれない、苦しんでいる人が。この本を読んで、ほんの一部でも知ることができてよかった。どこかの場面で察してあげることができて、相手が少しでも楽になるのなら。
世の中知らないことだらけだね。
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