2022読書① 水中の哲学者たち

哲学というものに漠然と興味がある。
でも哲学が何なのかよく分からない。
「哲」とはなんだ。
哲学入門みたいな本を買うんだけど、読み始めてすぐに訳わからなくてやめてしまう。

大学にはインド哲学科があったのでキャンパス内をオレンジの布を体に纏った髪の毛を剃った人々がたくさん歩いていて、あの人達はインドの人なんだろうか。インドの人がなぜ日本でインド哲学を学ぶのだろうかなどとぼんやり考えていた。

そんな中、一冊の本に出会った。それはとある哲学者の方が中学生に向けて書いた本で、とても面白くて一気に読んでしまった。
その本では哲学とは何かといったことは説明されないんだけど、「考える」ということについて書いてあった。
私はいかに自分が考えることを意識していないのかを実感した。

その本を読んで初めて、考えることって底なし沼の底の底にゆっくり潜っていって一粒の白い石を見つけるようなこんなにも素晴らしいものなのかと、本当に感動してしまったのだ。

そして次に出会った哲学の本がこの「水中の哲学者たち」。
すごく良かった。

私はどちらかというと周囲の人の良い部分に目が行ってしまうので、みんながとても輝いて見える。こんな人達に囲まれて私はツイているなと思う一方、比べて私はなんだろう、私には何があるんだろうと、自分に全く自信がない。

極めて内向的で自分の殻にこもっている、自己主張できない私にこの本は「そのままでいいんだよ」と言ってくれているようで、安心する。
私の中を常に彷徨っている迷い、惑う自分の感情。そのなんだか訳がわからないものに対して、それがいいんだと言ってくれている気がする。

考える、に気付けてよかった。
これからも私は自分でいたい。
結局哲学が何なのかはよく分からないんだけど。

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