見出し画像

本当の提供価値とは?出張シェフサービスをつかってみた

シェアダインというシェフが自宅で料理してくれるサービスをつかってみました。自宅のキッチンにプロのシェフに来てもらうというのはなかなかのハードルでありますが、これは開き直ってエイっと飛び越えてみると新たな世界が広がっていました。最近は家事のアウトソースサービスも増えてきたので、お料理を作ってもらうというのも、以前のような心理的な抵抗感は減ってきたように思います。が、実際つかってみると、お料理してもらって助かったというより、その他の部分の提供価値が大きいのではないかと感じました。

1)レパートリーの広がり

在宅ワークが増えるまで毎日三食作るわけではないのでワンパターン料理もさほど気にならなかったのですが、食事回数が増えるともっとレパートリーが欲しくなるし、栄養面など色々気になりだします。今回シェフにお願いしたのは低糖質高タンパクメニュー。イタリアンで栄養面でも優れてるとか自分ではどうやっても捻り出せないメニューです。自分では使わない食材や、きっと使ったほうがいいんだろうけどどうやって使ったらいいかわからなかった大豆ミートなどがみるみるステキイタリアンに変身していくのです。一回サービスを使っただけでもこの学びは大きいものでした。

2)キッチンを掃除する自分を手に入れる

こんなサービス使ったよ、と友人に話すと大体一言目は「うちのキッチンには入れられない」というものです。わかります、とってもよくわかります。でも予約いれちゃいましょう。そうすると予約した日までになんとかキッチンを片付ける自分がいるのです。よく資格試験は勉強してから受験じゃなくてまず申し込むというアレと同じです。ルンバに働いてもらうために掃除するのも似ています。ルンバに掃除してもらっているんじゃなくて実はルンバを働かせるために片付けている自分を買ったのかもしれません。お掃除サービス使っている人がよく言うのは「明日お掃除の人が来るから片付けないと」というものです。矛盾していますが、実はサービスの本質はここにあるのではと思います。常に誰かが来ても人としてどうかと思われない程度にキープする緊張感を買っているのです。シェフが来る緊張感を常にもっていると、キッチンをきれいにキープするのはもちろん、道具もちゃんとメンテしないととか、食材の期限や在庫なども気を配るようになります。他人に入ってもらうことで食に関係する様々なことを丁寧に扱うようになる気がします。

3)ちょっとファンビジネスぽい

これは一度しかサービスを使っていないのでわからないのですが、我が家にきてくれたシェフというのはいい仕事してくれたらファンになっていくのではないでしょうか?もし我が家に来てくれたシェフがどんどん人気になってレシピ本だしたりYouTubeで伝説のなんとか、、みたいになったら「この人うちにも来てくれたんだ」などと自慢するでしょう。そんなふうになったらいいなあとか応援モードになったりするでしょう。一種のファンビジネスなのでは?とも思いました。実際うちに来てくれたシェフは料理も絶品だったので一気に応援モードです。

4)新たなエンターテイメント

引き篭もり生活が長くなってきましたが、やはり食事は生活のなかで大きな楽しみです。目の前でプロのシェフが作ってくれて、その手さばきや見事なマルチタスクをこなすさまは圧巻ですし、料理のお悩みなど聞いてくれたりとレストランでは絶対に出来ないエンターテイメントです。贔屓のレストランのシェフなど話しかけたくても忙しそうなのでなかなか話すことはできませんが、プライベートシェフなら(佳境のときは遠慮しますが)これも可能です。作ってもらったお料理で家族とも会話が弾むし、食事の楽しみ方の方法が一つ増えたなと感じました。

5)結論>1食○○○円という価値だけではない

今回サービスをつかって時間的余裕が生まれたのはもちろん、今日の夕食はどうしようという心のリソースを開放もできました。3時間で10品つくってもらい、冷凍などもして、おそらく10食分くらいですが、単純に材料費と調理代だけで割り算してお得かどうかを判断するのはもったいないと思います。このサービスを通じて体験できる料理以外のことにも価値を置けばとても納得感のある価格なのではと感じました。スターバックスが販売しているのはコーヒーではなく3rdプレイスという場所といった本当の提供価値が存在するように、シェアダインは家で料理してもらうことで真の提供価値を発揮するのではないでしょうか。ぜひともシェアダインには「自宅で作る」ことに拘って貰いたいなあと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?