追悼。

※これから先私が書くことはひとりの女性の訃報についてであり、私の憶測が入っていることを承知しています。
決して軽い話ではなく苦しくなったり不快に思われるかもしれませんので、この先を読むかどうかは各人で判断していただけますと助かります。





私は去年3月から元JW2世としてX(旧Twitter)のアカウントを作り、ありがたいことに現在『私お友だち300人できたよ』と言わせていただけるほどにたくさんの方と繋がることができています。

その中ではじめ頃から繋がることができ、Twitter上で話せるスペースで何度も話したこともあるひとりのFFさんが、先日亡くなったと、彼女のパートナーがSNSであげてくださったことにより知りました。


彼女は外国でパートナーと幸せに暮らし、お腹の中には新しい命が宿っていました。

同い年、元JW2世、排斥、妊娠出産…
私は勝手に彼女とは共通点があり、会ったことはないけれど近しい人と思っています。

私が去年7月にホルモンバランスを崩し、主人に理解してもらえず心無い言葉を投げつけられて泣きながらTweetした直後に彼女は着信をくれました、
その時は主人もいたし私も話せる状況ではなかったので電話には出られなかったけれど…

私が過去のことや現在の生活での愚痴などでTweetしたりスペースに上がると、彼女はじっくり話を聞いてくれて共感してくれて私に寄り添ってくれました。

今年の春にパートナーと産まれた娘さんと日本に来る話で『えりーにも会えたらいいなぁ』と言ってくれました。


彼女は人の悪口なんて言わないし、パートナーのことを自分の過去を含めて全てを受け止めてくれる人と話していて、お腹の赤ちゃんが産まれてきてくれることをとても楽しみにしている、私が持つことのできない愛に溢れた人でした。

その幸せの一方でJW排斥によるご両親からの忌避に苦しみ、ご両親に『あなたのパートナーと子どもには会えるけれどあなたには会えない』と直接言われても両親が亡くなった場合でも私は会うことができないのかと泣きながら話すほどの、ご両親に対しても愛に溢れた人でした。

私はその時スペースで彼女に『今の幸せを大切にしよう』と月並みなことを言うことしかできませんでした。


彼女が出産し、DMで娘さんのとてもかわいい写真を送ってくれて、私も自分のことのように嬉しくて、

しばらくして彼女をXで見ることはなくなりました。

私は彼女が元気にしているのかなと気にはなっていました。

今更の言い訳になりますが、私自身今年に入りお姑さんの介護と幼稚園の役員を引き受けたのがあり、とても忙しくXはじめSNSからしばらく離れる日々が続きました。

夏休みに入り少し時間や心に余裕ができ、ふとSNSを開いた先での彼女のアカウントからの、パートナーの投稿でした。


パートナーは彼女は『産後うつに負けた』と表現していました。

私も産後うつは経験しました、
泣きどおしで全然寝てくれない長男を抱っこして夜が明けまた1日が始まることへの恐怖感、足の裏まで象のようにむくみ激痛、乳腺炎で40℃の発熱、ガルガル期…
ホルモンって産後こんなに乱れるものかとショック状態でした。

でも私が産後うつや産後クライシスを乗り越えて今の家族と生きているのは、JWを断絶した母がいるからというのもひとつの大きな要素であったと思います、たぶん私ひとりでは乗り越えられなかったでしょう。

やはり実の親というのは子どもの立場からだととても大きく、縁を切りたいと思ったとしてもなかなか切り離せない存在なのだと思います。

遠い地でご両親とあたりまえに連絡を取ることすら許されず、いちばん甘えたい相手に頼れない不安と恐怖ともどかしさは、経験した者にしかわからないと思います。

ましてや女性の産後という過酷でいちばん頼りたいであろう時期に。



直接的な単語を使いますが『自死』『自殺』というのは、相当な体力と精神力といったエネルギーが必要です。

私も20代前半JWの世界を飛び出して自分がこんなにも世間を知らないのかと、まるで自分が社会不適合者のように思え、JW環境下で長年受けたストレスの反動でうつ病とパニック障害を発症し、私なんて生きている価値もないと絶望の気持ちを抱えて3回ODをしました。

とても苦しく自分で救急車を呼ぶという失態に終わり、結局死にきれず今を生きていますが、あの時の私は頭はおかしかったですが本気でした。

今は『死にたい』とは思いませんが、『自分消滅スイッチ』なるものが目の前に現れ『私』という存在を人の記憶からも消せるものがあれば、私は迷わずスイッチを押すだろうと思ったりもします。


私にとって近しい存在である彼女がそれを選んでしまったことはとても悲しいという感情はありますが、
それ以上に、彼女がそれを選ばざるを得ない程実のご両親に縋れないことへの絶望があったのではと推測せざるを得ず『忌避』というJW組織特有のくだらない教理に振り回された結果だと思うと、どうしても悔しい気持ちで私の心の中は埋め尽くされてしまいました。

こんなことを言う立ち位置ではないことを承知で、彼女のご両親は今どう思っていらっしゃるのか?

『愛に満ち溢れたエホバ神』を証ししていると称しているJW組織は子どもの信仰の自由をまったく尊重せず信仰を強要し、排斥や断絶となれば家族から挨拶すらしてもらえないという異常な『脅し』にかかり、苦しみ抜いた結果ひとつの大切な命が奪われてもなんの感情もアクションもない。

楽園での復活の希望があるとかないとかの次元の話ではない。

望まずJW2世になってしまった私たちは、そんなに悪いことをしたのか?

法律を犯したわけでもなし『ただの人』として自由に生きたいと願い、学業に励んでお金を稼ぎたい、恋愛をしたい、結婚して家庭を持ち幸せに生きたい、好きなものを好きと言いたい、
こういったごく自然な『夢』を持つことは犯罪級に悪いことなのか?

JW組織のどこに人の家庭をバラバラに壊す権利があるのか?

信仰はもちろん自由です、
ですが私はやはり人の人生を壊す『エホバの証人』という宗教組織が憎くて仕方ありません。


そんな中、いくら自分も日々忙しかったとはいえ彼女の無言のSOSに気づかずになにもしてあげられなかった、というよりなにもしなかった自分にもとても腹立たしい気持ちを持ちました。

私のいたJW会衆では長老たちが精神的病気になり集会にも来られなくなった人たちに対して普段無頓着で、巡回監督が訪問する週だけは『牧羊訪問』と称してそういった人たちを訪問するスケジュールを王国会館の掲示板にこれみよがしに貼り出して、なんて偽善的だと吐き気がする程でした。

私が彼女にしたことは、当時私があんなに嫌悪感を抱いた長老たちとおなじじゃないか…と思った。

私は私がだいすきと思っている人に対して寄り添いもあたたかさも表せなかった…と後悔してももうしきれません。


彼女に対してのメッセージはここには書きませんが、彼女のSNSアカウントにはDMを送りました。

JWでは『人は死んだら塵に帰り無になる』と教えられてきましたが、結局私は死んだことがないので、死んだら教えられたとおり無になるのか、魂が抜けて彷徨い成仏するのか、わかりません。

彼女にDMを送ったのはただの罪滅ぼしな行為なのかもしれませんが、私は彼女にありがとうとごめんなさいは伝えたかった。

これから私ができることは彼女を忘れないことしかありません。


とても悔しく悲しいできごとであり、JW2世であった私にとってはとても他人事ではないことだと思いましたので、彼女のパートナーに承諾を得た上で今回のブログを綴ろうと思いました。

いつもどおりの私の長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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