33.開拓者学校①

正規開拓者としての最悪な気分での始まりとなってしまいましたが、
動機は歪とはいえずっと目標にしていた正規開拓者になって、

母にとって自慢の娘になれる、
主宰監督であるとはいえ開拓者ではないT兄弟はもう私や私の家族に嫌がらせはできないだろう、
A兄弟も私を本格的に女性として認めてくれて結婚してくれる、
と、叶うはずのないものを本気で信じていました。

それから18歳の9月から2年弱、私は正規開拓者としてこの3つの『望み』をかけてただただひた走りました。

『ひた走った』だけなので、正規開拓者時代の記憶は正直そんなにありません。

正規開拓者となって1年経つと『開拓者学校』というものに招待されます。

『夜を照らす者として輝く』という分厚いにも程がある大きいサイズの書籍を2週間平日毎日朝から夕方まで王国会館内でみっちり質疑応答するというものでした。

私はこの開拓者学校のためにホームセンターのアルバイトをまる2週間休みました、
ホームセンター側はよく許してくれたと思います。

分厚く重い書籍は学校が始まる直前に渡され、予習ももちろん必須でしたので、
私は睡眠時間を削って夜中まで一生懸命予習したのを覚えています。

開拓者学校の『司会者』は普通は巡回監督がするものらしいのですが、
私たちの時はなんとA兄弟でした。

彼も正規開拓者なのになんでなれたのだろう?と不思議に思いましたが、彼と2週間毎日会えると思うとそれは嬉しかったです。

けれど完全な『同期』となったMと、私たちより半年前に正規開拓者となっていたYM姉妹も一緒で、
A兄弟と過ごせる嬉しさ半分と、Mとおなじ空間にいないといけない憂鬱さの半分を心の中に抱いて2週間を過ごしました。

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