32.正規開拓者の最悪な発表の仕方

高校を卒業してアルバイトを始めたと同時に正規開拓者となるため4月から補助開拓者から正規開拓者になるステップとして月70時間を奉仕時間に費やすというノルマも課され、

慣れない運転も重なりその年も猛暑で私は夏バテを起こし、
ひと夏で体重は6kg落ちてしまいふらふらになりながらもなんとかその夏を超え、

予定通り9月から正規開拓者という『称号』を手にすることになりました。

私が正規開拓者を目指すことは、家族の他には主宰監督であるT兄弟、 あとはA兄弟といった長老たちしか言っていませんでした。

私が学生ではなくなったことと奉仕活動に頻繁に出れば勘づく人もいたかもしれないですが、
私は安易に他の成員に言わないと固く決めていました。

自分の目標や努力をひけらかすのもイヤでしたし、もうひとつはMの存在があったからです。

私が本格的に正規開拓者になる予定でいることを知ってMがまた私に付き纏うように追うように正規開拓者を目指してきたら…という悪い予感がしていたからです。

そしてその悪い予感は現実となります。

私が4月に補助開拓者を始めたと同時にMも補助開拓奉仕を始めました。

そして私が正規開拓者になった全く同じ9月1日付で、Mも正規開拓者となったのです。

また私が考えすぎでしょうか?
彼女がもし純粋にエホバに対する信仰心を持っていたとしたら?
それを私が疑っていいのか?
と考えたりもしましたが、

補助開拓奉仕を始めた月まで私とおなじということは、私が動くことをみんなまだ知らないはずなのでタイミングが合いすぎるのと、
今までのこととも重なりもはや疑うことしかできなかったのです。

成員の誰それがバプテスマを受けた、補助開拓者として正規開拓者として奉仕を始めた、任命などの特権獲得や剥奪、婚約、排斥断絶や復帰などの時には集会の最後の部分で演壇からみんなに発表されます。

先に発表がされたのはMでした。

Mの発表時には私の正規開拓者任命も決まっていました。

Mの発表も私の発表もあのT兄弟がすることになり、
Mの発表から1週間後に私の発表でした。

今まで私はそういう発表を聞いてきて『〇〇兄弟(姉妹)は〇月〇日付で正規開拓者として奉仕を始められます。』というシンプルな発表でした、
Mの時もそうでした。

私の正規開拓者発表の時T兄弟は

『先週M姉妹が正規開拓者として奉仕を始めると発表しましたが、ERIE姉妹もおなじく9月1日付で正規開拓者として奉仕を始められます。』

と発表したのです。

なぜT兄弟はわざわざMのことを前置きして発表をしたのでしょうか?
他人のことを前置きする発表の仕方は今まで聞いたことがなかったのでとても驚きました。

私とMの関係もなんとなく雰囲気で知っていたでしょうし、M家は T兄弟のお気に入り枠に入っていましたので、
またしてもT兄弟の嫌がらせとしかどうしても思えなくて、

正規開拓者になっても私や家族はまだまだ針の筵に立たされ続けるのか、私のこの努力は水の泡と化すのか、それが頭の真ん中をよぎりました。

とにかくめちゃくちゃ悔しくて、発表された時のみんなの拍手も、集会後の『おめでとう』というみんなの言葉も、なにもかも涙で霞んでしまいました。

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