シノヘ歴⑪(芸歴2年目 4・5月)
芸歴1年目の終わりに、1年8ヶ月組んでいたコンビを解散。
ピン芸人としての登録を経て迎えた2年目。
11-①.4月
R-1から逃げ続けてきたことからも分かる通り、僕にはピン芸人としてのモチベーションは皆無だった。
10年近く前に、高校生芸人なんて肩書をつけてキラキラした目をしてお笑いをしていた時期がある。
当時も、もちろん漫才がしたくてお笑いをしていたのだが、相方が受験勉強をするといって解散したあとに、数ステージだけピンで立ったことがあった。(ちなみに当時の相方は勉強をした上で、聞いたことのない私立医療大学に通い、4年後に勉強をした上で理学療法士の試験に落ちたらしい)
当時、フリップと一人コントをしていたが、「笑わしてやろう!」みたいな気持ちよりも、(恥ずかしいなぁ。。)といった気持ちで舞台に立っていた。
ウケもしたし、ひと笑いもないほどスベったこともある。
こんな辛くなるなら、ピンでなんてやってたまるか!と強く誓った。
それがだよ。もうプロだから逃げ道なんてない。
これでご飯を食べるんだという気持ちでネタの種を量産して、盛らずに1ヶ月で60個くらいの設定を考えた。
コンビの頃にもここまで向き合ってなかったので、恥ずかしささえ捨てればもういけるやんと思っていた。
4月は饒舌しかなかったので、ここではユニットで漫才をした。
また4月の思い出は大阪城公園でお花見をした。
NSCぶりくらいに会う同期だったりもいて、すごく楽しかった。
こればっかりは銀矢倉 愛への感謝しかない。
11-②.5月
5月はUP TO YOU。
ピン芸人として初のよしもとのライブでのネタ。
恥ずいって!!!!
沢山作ったとはいえ、恥ずいもんは恥ずい。
バラシまではすぐに出来上がったのだが、台本が仕上がったのが3日前くらいだった。
そこからはひたすら詠唱。
ピンのコントなのに、ほぼ暗記ゲーでやり切っていた。
それに加えて、うちには大きな鏡がない。
自分の表情もろくにチェックせず、感覚だけでプロ初のピンネタ、プロ初のコントを体に刻み込んでいた。
いざ当日、今まではコンビで行っていたエントリーと検温。
一人、、、すっごく寂しい。
普段は同期と楽屋でしゃべったりしているのに、この日は一人。
普段はほっとんど吸わないのに、喋る相手がいないので、喫煙所に行きバカスカ吸う。もうひたすらにチェインスモーキング
普段から汚い難波の空気が、この日はより一層汚く臭かった。
非常に申し訳ない。
いざ楽屋に降りると、同期のロマンス道場、ともこがいた。
ロマンス道場は、元マンガ家の沖谷、実家が開業医のカンカン、芸名が意味わからないけど高学歴の夏日実のトリオ。
ともこは、ずっと不思議で本当に天才コンビ。ネタが大好き。
一気に安心感が増して、なんとかやり切れる気持ちになっていた。
(それでも全然緊張はしていた)
MCは若葉のころさん。
開演し、僕の出順はたしか6番手ほど、コントブロックの2組目。
ここまで目立ったウケもなく、面白いのにウケない、重いなぁといった印象の会場だった。
こんなのを見せられて、直前までJKくらい「無理」と連呼しながらロマンス道場にいやなプレッシャーをかけて、いざ出て行った初ピンはぼちぼちウケた。
もちろん構成の甘さもあり、右肩上がりになんて調子ではなかったが、そこそこに悪くないかなと思える程度だった。
ただそこから続くコンビがじゃんじゃんウケる。
ピンもウケる。コントも漫才もウケる。
初オペレーターを頼まれて実施したロマンス道場もギャンギャンうけていた。
勘弁してくれ、薄まるやろ。。。
なんて思いながら結果発表を待つ。ちょっとは期待したから。
UTY通過は、アシダヒモビッチさん、ロマンス道場!
なんっでやねん!!!
と心の中で叫んだ直後に、冷静な僕が出てきて、まぁそりゃそうかと自分をなだめてくれた。
恒例の応援してくれている数少ない大切なファン(シノヘチルドレン=シノチル)との交流を済ませて、作家さんにダメ出しをいただきに本社に向かった。
ダメ出しは通例なのだが、先輩芸人を先に行かせて、後輩はJR難波駅近くの女の子のように直立たちんぼスタイルで順番を待つ。
本社内の廊下で待つのでそりゃいろんな先輩芸人を目にする機会があるのだが、この日はザ・プラン9さんが打ち合わせだったようで、ギブソンさんがあまりにも不審に立ち尽くす若手芸人の列を見かねて話しかけてくださった。
大好きになった。キュンだ。こういう先輩芸人に私はなりたい。
5月もいつも通り饒舌を終え、半年ぶりに奪取も盛況に終わり幕を閉じた。
けれどもなんでか分からないが、2年目を迎えてからワクワクすることも少なくなり、シノヘのモチベーションも絶賛クローズ中だ。
誰か、火をつけてください。キッカケがなければ続けらんないわ、こんな地獄!!!
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