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guca owl『past & highway - EP』

抜けるエントランスはHighway
出口まで少し昔話
まだ早い? 照れ臭い?
どこから話せばいい? Old me

抜けるエントランスはHighway
振り返るほど生きてはないけど
いつ死ぬかわからない
どこから話せばいい? Old me

guca owl 「Old me」より引用


今から7年前、まだ学生だった頃ですが、地元の友達から久しぶりに電話があった時のことをたまに思い出します。その友達は少しやんちゃなやつで、高校も数ヶ月で戦力外通告…そんな通告を受けても「はは〜」と明るく笑っているようなやつでした。一方の僕はやんちゃでもなかったので、よく遊んでいた訳ではないのですが、その友人からは、なぜか1年に1度くらい不意に電話がかかってくることがあり、うれしく思っていました。

7年前の話の内容ですが、「地元から離れて海外へ行こうと思う」という内容でした。なぜか尋ねると「ずっと地元にいて、とりあえず働いて、なんとなく友達と遊んで、このままでいいのか、わからなくなった」ということでした。この7年前の電話以来、その友人からは電話が来なくなり、僕より仲のいい友人が電話をかけても通じなくなりました。

その電話以来、僕自身も地元に感じていたことを振り返るようになりました。僕自身も中学生の頃からか、なんとなく地元から出たい願望があって、結局18歳で地元を離れ、今でも地元から遠く離れたところに暮らしています。地元は嫌いじゃない、むしろ好きなんだけど、居心地の良さからくる焦燥感や閉塞感を感じる場所だったのかなと最近は思っています。狭い円の中をぐるぐると回っていて成長していない感覚かなあと…

前置きが長くなりましたが、地元にいる時に感じた閉塞感といった意味で、guca owlのEP『fast & highway』は、自分が見ていた視界に近いものがあるなと感じました。

このEPは、guca owlの地元での出来事、主にダークな内容が綴られています。もちろん、ヤンキーでもなかった僕は血のついた車にも乗っていませんし、朝は5時起きで部活の朝練、放課後は友達の家に行き任天堂64をやっていたような、guca owlが体験してきたダークサイドとは無縁の朝方健康生活を送っていたわけなので、歌詞に表現されている世界観と完全にフィットするかといえば、激しく首を横に振りますが、歌詞に描かれている、地元にいた時に感じた焦燥感や閉塞感は、僕の思い出と少しフィットするものがあるような気がしてなりませんでした。

また、HIPHOPによくある享楽的な歌詞やノリとは反対の内省的な歌詞にも三十路ながらグッとくるものがありました。特に1曲目の「Old me」と3曲目の「Am right?」にはやられました。

そんなこんなでリリースされてからというもの一日3回は聞いています。トラックも激し目ではないものの疾走感を感じるものになっています。ラップも感情をぶち込めてガンガン主張していくタイプではなく、落ち着いた声出しで淡々とラップをしていく感じなので、どの曲も夜に一人で走らせる車にはぴったりな楽曲となっております。

guca owl『fast & highway』

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見渡す空と町工場
出る杭は打たれる校舎
はぐれてくこの町で
超えてく着せられた身の丈

血がついた車もパクリもん
あいつ家行けばあるタバコ
俺の場所はここではないと
気づくには遅くはないだろう

guca owl 「Old me」より引用



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