ER:問診スキル 4
既往歴について
no evidenceです。
救急外来に来院される患者さんの背景を素早く掴み取るためには既往歴は重要となります。
今回、この記事を投稿するにあたり言葉の定義を調べ直しましたが、私の調べられる限りでは、はっきりとしたものがありませんでした。
既往歴と一括りにしていますが、「3つ」にわけて記載します。
1.併存症:現在も抱えている問題
例えば、糖尿病や高血圧などの生活習慣病。悪性疾患で治療中など
2.既往歴:「治癒」しているが、現在の状態に影響を与えている可能性がある
例えば、腹部膨満、嘔吐主訴できた患者さんでの、虫垂炎手術歴(癒着性イレウス)
3.既往歴:「治癒」している。現在の状態に影響を与えない
例えば、急性腹症できた患者さんでの、小児期の脛骨骨折
急性腹症で来院された患者さんで、これらがごちゃ混ぜで記載すると
既往歴)大腿骨頸部骨折(昨年)、糖尿病、高血圧、大腸がん(10年前)、気管支喘息
⇒以下のように1⇒2⇒3記載するとすっきりする
併存症)糖尿病、高血圧、気管支喘息
既往歴)大腸がん手術後(10年前)、大腿骨頸部骨折(1年前)
ポイントは既往歴でひとまとめになっているが、
現在も抱えている疾患 と 治癒している疾患
に意識的にわけることである。
既往歴の問診。来週に続きます。
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