「やりたいことがない」は 見方を変えれば武器になる！

やりたいことがない学生さんは、「働く環境」から選ぶのがおすすめです。
そんな、新しい視点を与えてくださるのは、稲石さん。
目から鱗のいろんなアイディアを提案してもらえる様子は、まるで頼れる先輩、いや、気のおけない友人のようだと感じました。
実際に、相談にきた学生さんとは、LINEでやり取りをするほど気軽に頼れる仲になることもあるそうです。

【稲石千奈未（いないし・ちなみ）】茨城県出身。3歳から中学2年生まで水泳に打ち込み、高校時代はサッカー部のマネージャーを経験するなど、活発な幼少時代を過ごす。ブライダルの専門学校を卒業した後、レストランとチャペルが併設されたゲストハウスでプランナーとして勤務。後に人事部に配属されたことをきっかけに人材に興味を持ち、キャリアアドバイザーに転職。

共感と客観視のバランス面談

ーー稲石さんは学生さんとお話する際にどういう点を気をつけていますか？

わたしの強みは、客観視できるということだと思います。
共感しながらも、感情移入しすぎず、学生さんが自分では気付けないような提案を意識しています。

ーー確かに、自分一人で悩んでいると、視野が狭くなってしまうことってありますよね。

そうなんです。進路に関わる話で、わたしが、それを強く感じたエピソードがありました。
高校時代に、たまたまいとこの結婚式に呼ばれて、その時にすごく感動したことがきっかけで、前職のブライダル業界に興味を持ちました。
こんな風に、普段の生活において、意外と自分だけでは気付かないことってたくさんあると思っています。

「やりたいことがない」を受け止める

例えば、学生さんから「やりたいことがない」と相談されることがよくあります。
これは、①今知っている選択肢の中でやりたいことがない ②やることはなんでもよくて、楽しく生き生きと働きたい の二つに大別できるかなと思っています。

①であれば、過去の話や興味分野を聞き出してあげて、こういう職種があるんだけどと提案してあげると、意外と知らなかったということがよくあります。やりたいことに明確な名前がないだけの状態といえば分かりやすいかもしれません。

②に関しては、やりたいことがあるのがいいという社会的な風潮の中で見落とされがちなのですが、「環境」に重きを置いている学生さんも少なくないんです。

ーーなるほど、「やりたいことがない」も深掘ってみると発見がありますね。

意外と、就活にやる気をなくしてしまった学生さんでも、そもそも職種や働ける環境について知らないということが多くて。わたし自身も、キャリアアドバイザーという仕事を転職する時に知ったくらいです。
だから、まずは、「やりたいことがない」と言われた時にも、否定するのではなく、まず相談してくれたことに感謝するようにしています。

ーーそれ、嬉しいですね。

お会いする学生さんとは、LINEでスタンプを送り合うような仲になることも珍しくないです。

身構えて正解を探す就活ではなく、一緒に新しい目線で就職先や人生を見据えるお手伝いができればいいなと思っています。

ーー正解を探す就活ではない。響きますね。具体的に、「やりたいことがない」という学生さんとのエピソードなどはありますか？

はい、最初は、「やりたいことがないから、とりあえず求人ページの上から3つを見ました。」という半ば投げやりな学生さんがいました。
でも、まずは、「求人見たんだ！いいね！どうだった？」と否定せず受け止め、話を進めていきました。
やりたいことがないという言葉は非常に曖昧で、簡単に切ってしまうのではなく、しっかり向き合っていくことで、絶対にどこかに引っかかるポイントはあるというのが私の持論です。

ーー逆に、どれもこれもいいなってなっている学生さんもいるかと思うんですが、そういった場合はどうしますか？

その場合は、条件や過去の経験などから、絞っていってあげるだけなので、難しくないかなと思います。
どちらかというと、わたしの役割は、第三者の立場から背中を押してあげるようなイメージです。
もう自分の中では答えは決まっているけれど、あとはちょっと勇気が欲しいだけの場合も少なくないかなと感じています。

学生にとっての先輩のように

ーーどんな学生さんとも楽しく面談ができそうな稲石さんですが、ご自身の魅力ってなんだと思われますか？

魅力ですか...冒頭でも少し述べたように、いつも、とても距離が近くて、先輩や友人のような気軽な相談ができる仲になれることかなと思います。

もともと体育会系の出身だったこともあって、コミュニケーションは得意な方で、就活に後ろ向きな学生さんとも打ち解けやすいなと感じます。
「こんなことでも相談していいのかな？」「就活やる気出ないな」そんな学生さんでも大丈夫です！
きっと自分で思っている以上に、モヤモヤの中にも答えがあるので、一緒に発見できたらいいなと思っています。

ーー分かりました！本日はありがとうございました。

《編集後記》部活の先輩。近所のお姉さん。
そんな印象を抱きました。それは稲石さんがこれまで体育会系でずっと部活をやってきたのはもちろん、
先天的な「親しみやすさ」があるのかもしれないなぁと。
実際に「キャリアアドバイザーが遠くに感じる」学生さんとかは凄くオススメかと思いました。
親しみやすさ抜群で楽しかったです！

稲石さん情報

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