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東京でベリーダンス(Tribal Fusion)を踊ったり教えている駆け出し会社員ダン…

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東京でベリーダンス(Tribal Fusion)を踊ったり教えている駆け出し会社員ダンサーの日記です。お笑い | ファッション | ポケモンが好きです。instagram: @wkk0

記事一覧

#31 わかたれる私たち、ままならない読書

血液型で人間の性格をたったの4種類に分けていた時代からずっと、私たちは「人間をタイプ別に分類する」という営みに奔走され続けていると思う。 巷で話題のMBTI診断、私は…

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2週間前
7

#30 泣いたあと重ね塗りするラメみたいに

(最近の日記メモです。短い順になってます) 1. 「美味しいものでも一緒に食べよう」って言ってくれる人達がいるから、 オートミールともずく酢と卵を混ぜてチンして納豆か…

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1か月前
9

#29 へびにらみ

生きることは、殺すことだった。 レシピ動画を検索していたら何故か全く関係のない「ボールパイソンがネズミを丸呑みにする動画」がヒットした。 視野が狭く耳も退化して…

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2か月前
4

#27 why i dance

朝起きるとiPhoneが8:00を示していた。1時間の寝坊を悟ると同時に跳ね起きてバスルームに向かう。アラームをかけ忘れるとは迂闊だった。 昔からなぜか時刻きっかりに目が覚…

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4か月前
7

#26 お便り送っとけます

好きなダンサーさんのとある動画投稿をもう一度見たくて、instagramの「保存済み」コレクションを遡っていたら昼休みが終わった。   この時期はK-POPよく聴いてたなあ。…

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4か月前
8

#25 まだ会えないひと もう会えないひと

あなたがそばにいないからこそ 月とか水面とか こころに灯る蝋燭がどうにも輝いて見えるんじゃないかって、そんなムードで踊りに向き合ってみたいと思う今日です。 2月を…

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4か月前
4

#24 グッドバイ、イチハチ

この歳でいることに”飽きている”。 抱いたことのない感情だった。 私は1月生まれなので、年が変わってまもなく1つ年を重ねることになる。 2023年は年末までに一年分の気…

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5か月前
15

#23 ベリーダンスはお笑いや!(違う)

静かに喜びの息を呑んだのは5年ぶりだった。 大阪時代から好きだった霜降り明星が25歳と26歳の若さでM-1を制したのが2018年。その年に結成した魔人無骨が令和ロマンになっ…

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6か月前
6

#22 哀する

少しの期間アンインストールしていたInstagramを開いたら、数年前の同じ日付に投稿していたストーリーが蘇ってきた。 慣れない仕事と先の見えない生活にその頃の私はすっか…

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6か月前
7

#21 たべたいとしにたい

「年齢確認させてください」 たどたどしく発せられた四字熟語に、言葉よりも先に苦笑いがこぼれた。 多少なりとも童顔であることは自覚しているので 知人や同じアパレル従…

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7か月前
7

#20 「暮夜に踊る、月と海」後記

師事しているYuukoKader先生主催のハフラ 「暮夜に踊る、月と海- Dancing in the night, moon and ocean -」に出演させていただきました。 (つい当たり前みたいに使ってし…

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8か月前
9

#19 夢とこころ

浜辺に建つ旅館にひとりで泊まった。 夕方、太陽が海に沈んでいくのを大きな窓から飽きもせず眺めていた。 「千と千尋の神隠し」に出てくるみたいな水上を走る電車が視界を…

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9か月前
10

#18 雨上がりを急ぐ

8月からずうっと夏風邪をこじらせている。 微熱が出たり咳が出たり治ったりを、繰り返し何度も何度も。 面白いとか思ってるなら今すぐやめた方がいい。 「体調」が変なノリ…

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9か月前
7

#17 燻る

多くはなくとも報酬をいただいて踊る立場になってから残った数少ない趣味のひとつ。 自宅からの徒歩圏内に佇む雑居ビルに シーシャバーがあると知って、スマホと財布と本を…

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9か月前
4

#16 指ぱっちんで消えたい夜に

4年暮らした街を離れた。 卒業までのモラトリアムを謳歌するだけの大学生だった当時、 ”ほどほどに大学にも通いやすくて、 ほどほどに都心に出やすければどこでもいいや…

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10か月前
11

#15 たった1人のあなたへ

高く晴れた夏の日。 「何にもしない」をする日を意図的に作っていた。 ネットスーパーの配達に合わせていつもより遅く起きて、適当に食事を済ませて洗濯機を回す。 洗い…

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10か月前
11
#31 わかたれる私たち、ままならない読書

#31 わかたれる私たち、ままならない読書

血液型で人間の性格をたったの4種類に分けていた時代からずっと、私たちは「人間をタイプ別に分類する」という営みに奔走され続けていると思う。
巷で話題のMBTI診断、私は提唱者というやつだ。
それも2種類に分かれるうちINFJ-Tというダウナー気質の方。

共感力が強くて、表現やクリエイティブな活動に長けているけど
過度に内省し自己犠牲するきらいがある人。だそうだ。
もう、それでいいですという気持ち。

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#30 泣いたあと重ね塗りするラメみたいに

#30 泣いたあと重ね塗りするラメみたいに

(最近の日記メモです。短い順になってます)

1.
「美味しいものでも一緒に食べよう」って言ってくれる人達がいるから、
オートミールともずく酢と卵を混ぜてチンして納豆かけたやつを家ではほとんど毎日食べている。

2.
自分の顔や身体が醜くて苦しいと、自らを醜形恐怖症だと言って車のシートにうずくまって泣く女の子の動画がyoutubeに流れてきた。
こんなの見なくていい。
分かっているのに、洗濯物を取

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#29 へびにらみ

#29 へびにらみ

生きることは、殺すことだった。

レシピ動画を検索していたら何故か全く関係のない「ボールパイソンがネズミを丸呑みにする動画」がヒットした。
視野が狭く耳も退化しているヘビは、代わりにヤコブソン器官という嗅覚器官で獲物の体温やにおいを察知するらしい。
そうして音もなく忍び寄り、一瞬で急所に噛み付き、時間をかけて絞め上げ、頭から飲み込んでいく。
ひるがえって、ゆっくり息の根を止められて少しづつヘビの胃

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#27 why i dance

#27 why i dance

朝起きるとiPhoneが8:00を示していた。1時間の寝坊を悟ると同時に跳ね起きてバスルームに向かう。アラームをかけ忘れるとは迂闊だった。
昔からなぜか時刻きっかりに目が覚めることが多くて、これって自分の体内時計がすごく正確っていう ある種の特殊能力なんでは?なんて自惚れていたこともあった。
でも実際には2つ並んだ0が寝ぼけ眼の網膜に鮮烈に刻まれるから、何度か同じようなことが重なると”ほとんどいつ

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#26 お便り送っとけます

#26 お便り送っとけます

好きなダンサーさんのとある動画投稿をもう一度見たくて、instagramの「保存済み」コレクションを遡っていたら昼休みが終わった。

  この時期はK-POPよく聴いてたなあ。
  コンペで映えるメイク頑張って研究してたな。
  買おうか迷ってた服、懐かしっ。
  新しいタトゥーのデザイン
  考えるのワクワクしたなあ。
  粗品、若っ。

SNSでいつものタイムラインではなく「保存済み」欄を見返

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#25 まだ会えないひと もう会えないひと

#25 まだ会えないひと もう会えないひと

あなたがそばにいないからこそ 月とか水面とか
こころに灯る蝋燭がどうにも輝いて見えるんじゃないかって、そんなムードで踊りに向き合ってみたいと思う今日です。

2月を迎えうつ。

#24 グッドバイ、イチハチ

#24 グッドバイ、イチハチ

この歳でいることに”飽きている”。
抱いたことのない感情だった。

私は1月生まれなので、年が変わってまもなく1つ年を重ねることになる。
2023年は年末までに一年分の気力も体力もほとほと使い切って、やり残したことも特になければ新たに何か始めようと奮い立つこともできずに
早く次の章のデータをロードしたいような気持ちでいた。

ーーー

2024年最初のショーの翌日、ときおり震えるiPhoneを放置

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#23 ベリーダンスはお笑いや!(違う)

#23 ベリーダンスはお笑いや!(違う)

静かに喜びの息を呑んだのは5年ぶりだった。

大阪時代から好きだった霜降り明星が25歳と26歳の若さでM-1を制したのが2018年。その年に結成した魔人無骨が令和ロマンになって、今年優勝したんだなあ、と勝手に噛み締める。
劇場で目に焼き付けた少女漫画のネタを決勝1本目で見れたことにも熱い感慨が込み上げた。

予選から準決勝、敗者復活戦から決勝まで語りたいことは山ほどあるけれど、一般のお笑いファンの

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#22 哀する

#22 哀する

少しの期間アンインストールしていたInstagramを開いたら、数年前の同じ日付に投稿していたストーリーが蘇ってきた。
慣れない仕事と先の見えない生活にその頃の私はすっかり心を蝕まれていて、モノクロの山手線の景色のなかに思いを隠すように
「こんな惨めな思いと生活があと何年も続くんだ」と綴っていた。

帰路につく電車から暗い自宅に戻るまで、
マスクの中で嗚咽を殺した日々のこと。

”泣いて泣いて、も

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#21 たべたいとしにたい

#21 たべたいとしにたい

「年齢確認させてください」
たどたどしく発せられた四字熟語に、言葉よりも先に苦笑いがこぼれた。

多少なりとも童顔であることは自覚しているので
知人や同じアパレル従事者に会う予定のない休日をラフな服装とメイクで過ごす私の容姿を見て、
年端もいかない少女と思う人も中にはいるのかもしれない。
日本出身ではないと思しき女性店員が
「平成」という文字列を理解しているのかは定かでないけれど、
もたもたと取り

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#20 「暮夜に踊る、月と海」後記

#20 「暮夜に踊る、月と海」後記

師事しているYuukoKader先生主催のハフラ
「暮夜に踊る、月と海- Dancing in the night, moon and ocean -」に出演させていただきました。
(つい当たり前みたいに使ってしまいますがハフラというのはベリーダンス用語で、主に近しい人達に向けたアットホームなダンスパーティのようなものです)

先生のもとに集まった出演陣のソロや群舞はどれもそれぞれの色に輝いて見え

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#19 夢とこころ

#19 夢とこころ

浜辺に建つ旅館にひとりで泊まった。
夕方、太陽が海に沈んでいくのを大きな窓から飽きもせず眺めていた。
「千と千尋の神隠し」に出てくるみたいな水上を走る電車が視界を横切るのを見て、夢の中にいると気が付く。
ー ①

<夢日記>


田舎道を走る車の後部座席に乗っていた。
みんな耳慣れた方言で話していたから、
地元の風景だったんだろう。
運転手の不注意で車内がガクンと揺らいだ次の瞬間、
車体ごと川に

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#18 雨上がりを急ぐ

#18 雨上がりを急ぐ

8月からずうっと夏風邪をこじらせている。
微熱が出たり咳が出たり治ったりを、繰り返し何度も何度も。
面白いとか思ってるなら今すぐやめた方がいい。
「体調」が変なノリを擦ってスベり続けているのはそろそろ見ていられない。

最近は少し出演をセーブしていたけれど、
イベントに出させていただくことはもちろん
次に踊る振付を考えるのも、基礎を復習するのも
レッスンに行くのも先生につけてもらう稽古も、
1日も

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#17 燻る

#17 燻る

多くはなくとも報酬をいただいて踊る立場になってから残った数少ない趣味のひとつ。
自宅からの徒歩圏内に佇む雑居ビルに
シーシャバーがあると知って、スマホと財布と本を持って赴いた。

「奥のソファにどうぞ」
電話で予約を受けてくれたスタッフの女性は、入店するなりこちらが名前を告げる前に席に通してくれた。

なんだかとても甘ったるいのが吸いたくて、
バニラとハニーのMixをオーダーする。
ほの暗い照明の

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#16 指ぱっちんで消えたい夜に

#16 指ぱっちんで消えたい夜に

4年暮らした街を離れた。

卒業までのモラトリアムを謳歌するだけの大学生だった当時、
”ほどほどに大学にも通いやすくて、
ほどほどに都心に出やすければどこでもいいや”って誰にも相談せず他人事みたいに選んだ家で、
コロナ禍でただ暦に押し流されるように実感のないまま会社員になった。
慣れない毎日の中でも、踊ることは救いのように呪いのように
変わらずずっと生活のど真ん中に居座り続けて、
遠い遠い夢だった

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#15 たった1人のあなたへ

#15 たった1人のあなたへ

高く晴れた夏の日。

「何にもしない」をする日を意図的に作っていた。

ネットスーパーの配達に合わせていつもより遅く起きて、適当に食事を済ませて洗濯機を回す。
洗い物が済んだら自由時間。
いつか時間ができたら読もう、と積んでいた文庫本と目が合った。

呼吸と空調の音が律動する隙間に、
ページをめくる音がフローリングに静かに積もっていく。
こんな風に穏やかに過ごす時間がすごく久しぶりな気がする。

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