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ポーラ美術館

実のところ、ちょうど去年の今頃私は結核を疑われるレベルの肺炎を患って人生初の入院をする事になった。
約1ヶ月。本当に辛かったのは最初の1週間と気管支鏡検査という検査だけで(これが本当に辛かった…この話はまた今度。)、あとの2週間はつくづく暇な日々を送っていた。
空に浮かぶ雲を眺めたり、寝たきりだったので筋力が落ちてると思い筋トレしたり、手帳を書いたり…
当時大学3年生。目まぐるしい大学生活と新婚生活にサンドイッチされていた私は自分を取り戻しつつあった。そんな私が退院したら真っ先に行きたかったところ「美術館」
中でも私は箱根のポーラ美術館に行きたかった。箱根は比較的近くで、私たち夫婦のお気に入りのドライブスポットだった。ポーラ美術館には大好きな印象派の画家・ピエール・オーギュスト・ルノワールの絵画があるのだ!
お見舞いに来てくれた夫に「退院したらポーラ美術館に行きたい!」とは伝えていたが、退院後箱根にドライブに行った途中でなんの前触れもなく「ポーラ美術館だっけ?行こっか。」と言われ、心の準備が出来ないままルノワールの絵画と対面することになった。

細い入口から山道を車で登っていくと意外にも(?)洗礼された佇まいで現れたポーラ美術館。電車で訪れた人は駅からさらにバスに乗らないと辿り着けないと思う。
外にはオブジェがいくつかあって箱根のイメージとはちょっと違うガラス張りの入口。待って、興奮止まらん。
ではポーラ美術館で写真撮影OKだったものを載せながら感想を添えていきます。完全に私が後で見返す用ですね。

エドガー・ドガ【踊りの稽古場にて】
いやルノワールちゃうんかい、と思った人、すみません。備忘録なので見た順に載せてく…
ドガはバレリーナ(踊り子って言うのかな?)を多く描いたことで有名だけど、囚われた職業の踊り子に興味を持った説が有力だった気がする。ドガが描くバレリーナの足首には鎖のようなものがうっっっすら描かれていることがある。でも私は単にドガが踊り子好きだっただけでは?と思ったり…
美術館のいい所って、絵画に合わせた額縁とか壁の色とか合わせて楽しめるところ!
この絵も背景の青がいい味出してる…それにしてもチュールスカートが綺麗。

クロード・モネ【睡蓮の池】
モネはルノワールの学友で、共に印象派を築き上げてきた人物。確か同じく学友にはシスレーやバジールもいたと思う…
中学の時習ったんだけど油絵って、例えば緑色を塗りたかったら緑の絵の具をそのまま乗せるんじゃなくて先に補色(緑だったら紫)を乗せてから重ねて緑を乗せる。そうしてナイフで削りながら描いていくと深みだったり面白さが出るらしい。当時は本当に意味がわからなくて上手に再現なんて以ての外だったんだけど、モネの絵を見て初めて理解した。
なんだかこの絵は橋の雰囲気や睡蓮が日本の景色みたいで、すごく好き。これが日本で見られる幸せよ…!

そしてお待ちかね、ルノワール【レースの帽子の少女】
ルノワール作品の中でも割と上位に入るレベルで私は好きなんだけど、目にハイライトがないせいか夫にも母にも微妙な顔されてしまった。ポーラ美術館のシンボルになってるんじゃないかな?
意外と大きい作品。中学の時にフェルメールの真珠の耳飾りの少女が来日して、大好きな作品だったから見に行ったのだけどちっちゃすぎて本当に驚いたのを思い出す。ルノワールは逆に作品が大きくて驚く。
ルノワール作品の好きなところはたっくさんあるし、今卒論でも書いている途中だから語りきれないのだけど、ひとつあげるとしたらこの背景。なんとも言えない油絵ならではのマーブル模様のような背景。静物画とかこの背景が殆どだけれど、ふわふわした不思議な可愛さを感じて好きです。ふわふわといえばこの髪やレースもルノワールが得意とした筆致が存分に生かされてて良い。

何個かの作品じゃなくて分ければよかったかな、と思うくらい一つ一つに書きたいことが多すぎる。絵画だけじゃなくてちっちゃい香水瓶とかの展示もあってめちゃくちゃ可愛かったです。

これこれ。瓶の部分がバレリーナのスカートになってるものとかもあって、宝物みたいでした。

都内に住んでる人は正直遠くて来る気にならないかもしれないけれど、機会があったらぜひ立ち寄って欲しい美術館でした🦋

レストランもありましたヨ。

おわり。

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