見出し画像

入試について考える:同志社国際高校A選考

海外生の学習指導に携わっていると志望校としてよくあがる学校のひとつに同志社国際があります。
特に高校受験においては非常に人気が高い学校の一つです。

国際基督教大学高校(ICU高校)とともに、もともと帰国生受け入れ専門校として設立された学校であり、国内一般生の受け入れも当然行っていますが、帰国生というカラーが非常に色濃い学校です。

さて、同志社国際高校の帰国生入試パターンは複数あるのですが、A選考と呼ばれる外国語での小論文入試について今回は触れてみたいと思います。

何語でもいいの??

「外国語」ということなので、外国語であれば何語でも良いのでしょうか。
実は何語でも良いようです。

当然ながら一番多く選ばれる言語は英語ですが、私たちが指導していた生徒の中には中国語で挑戦し、合格を勝ち取った生徒もいます。

では、モンゴル語やスワヒリ語など、日本人があまり日常的に使用することが少ない言語で挑戦する場合、どうやって採点するのでしょうか?
そこは、さすが大学附属校の強さ、大学の教員に依頼して採点を行うそうです。ですので、何語で受験しても大丈夫ということです。

この話を同志社国際の先生からお聞きした時、すごい学校だなと思いました。
これぞ、寛容力、多様性を求める姿かなと。

とは言え、我々が直接、科目として指導できるのは英語となりますので、英語を選択しての小論文受験についてお話ししたいと思います。
(中国語での受験をした時は、中国人の先生にお願いして添削・指導をしてもらいました。)

英語力どれくらい必要?

高校入試(中学入試でもそうですが)の際、A選考の外国語小論文を選択するのは、通常はインター生もしくは英語ベースの現地校に通う生徒たちです。
このような小論文・エッセイタイプの試験の場合、問題になってくるのは英語力です。

インター生・現地校生と一言で言っても、通学歴やバックグラウンドによって英語力は大きく異なります。ネイティブレベルの生徒もいれば、インター歴1〜2年で、英語力には不安がある生徒もいます。

また、このような小論文・エッセイタイプの出題選択がある学校でも、実は学校によって求めている英語力レベルは大きく異なります。
ネイティブレベルの語学力が必要な場合から、英検2級レベルの英語力で何とかなる場合まで多岐に渡るのが実際です。

これらの要素を見極めた上で、受験校や受験型の選択をする必要があるわけです。
では、同志社国際高校のA選考入試はどうなのでしょうか?

当然、英語力に自信がある受験生が多いのは間違いありませんが、インター歴・現地校歴が浅く、英語力がそれほど高くない場合でも合格の可能性はあるというのが結論です。

過去の受験生の中には、インター歴・現地校歴がない日本人学校の受験生がA選考で合格したこともあります。もちろん、インター歴1〜2年程度で英語力はまだまだという生徒が合格を勝ち取った例は少なくありません。

ここで重要なのは英語力は必要ないということではありません。
ベースとなる英語力、せめて英検で言えば2級くらいは余裕を持って合格するレベルは必須です。

もう一つ重要な点として、では英語力があれば楽勝で合格するのかと言うと、そういうわけでもありません。
日本の学校に通ったことがないインター生、もちろん英語力に問題がない受験生が不合格になる場合も見てきました。

合格を勝ち取る力

これらの事象を総合して考えてみます。
まず、小論文を書くにあたって、必ずしもネイティブライクな英語表現である必要はないことは確かです。
(もちろん意味が通じない無茶苦茶な英語は禁物です。)

少々拙い英語表現であっても、大切なのは内容と最後まで書き切るというポイントです。

むしろ、どちらかと言えば、最後までしっかり書き切るほうが内容の充実よりも重要なのではないかという感覚を持っています。
(これも、もちろん内容がどうでも良いということではないのでご注意ください。)

少々精神論めいた話に聞こえるかもしれないですが、主張を持って、頑張ってそれを伝えようという痕跡が見えるかどうかが条件となっていると考えて間違いないでしょう。

日本人学校から合格を勝ち取った受験生は、とにかく量を書く練習をしました。
また、まずは日本語でも構わないので、トピックに対しての主張と、その主張に至る理由を、とにかくたくさん出す練習をしました。

英語力では他の多くの受験生と比べてディスアドバンテージとなるからです。


その結果合格を勝ち取ることができたわけですから、方向性は正しかったということでしょう。

ですので、同志社国際高校のA選考での受験を考えられている場合は、ご自身の英語力の高低にかかわらず、主張をしっかりと丁寧に説明し切る練習をすることをお勧めします。

参考にしてみてください。