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コロナ禍GWに考える "生物とは何か”① -私たちの生物との出会い-

コロナ禍でおうち時間を存分に楽しめるゴールデンウィークですね!皆さんは何をして過ごしていますでしょうか。

今回はキレイなデータであふれる社会にしたいと思った大きなキッカケの、”生物" について、書いていこうと思います。 ※注: 勉強会向けの軽いまとめなので、訂正あればお願いします。。!

今回は3部構成でお送りします。
1: コロナ禍GWに考える "生物とは何か”① -私たちの生物との出会い-
2: コロナ禍GWに考える "生物とは何か”② -めぐもり的生物学三種の神器-
3: コロナ禍GWに考える "生物とは何か”③ -生物学、学術界のこれから-

生物とは何か

「生物とは何か」考えたことはありますか。生物学周辺の人は "教科書の" 答えを知っていますね。一方で、周りに軽く聞いてみたら、面白い答えがいくつか返ってきました。

<情報伝達系>
- コミュニケーションを行うもの
- 生存戦略と淘汰のなかで選択を行い、進化を続けてきたもの
<生殖系>
- 子孫を継いでいくもの
- 遺伝子の器
<生命維持活動系>
- 呼吸・鼓動
- エネルギー代謝
- 接触、”食べる”
<生態系>
- 炭素循環の中にあるもの
<認知系>
- 人が生物と感じるもの
<死生観>
- 終わりがあるもの
<その他>
- いきもの(by小学校5年生)

この他にも、様々な返答があり、とても面白かったです。アンケートを取るまでは、まさかこのような広がりがあるとは考えていませんでした。

さて、一方で、教科書で習う定義は、以下のような定義がよく挙げられています。

(1) 外界と膜で仕切られている。
(2) 代謝(物質やエネルギーの流れ)を行う。
(3) 自分の複製を作る。

分類学の分野で議論されているのでしょうか、これも明確な定義を考えるために話し合われているようですね。

そして、ヒアリングをしていく中で、出てきた、”生物と非生物の中間” を漂うものたちもいくつか見えてきました。

- ウイルス
- ロボット
- AI
- 地球外生命物体

AIは概念である気もしますし、確かに、人のような "振る舞い" をしている気もします。地球外生命物体の継承されゆく情報について、考えたこともありませんでした。。これだけでも、テーマとしてはボリュームがありすぎるため、今回は少し焦点を絞って進めてまいります。それでは、昨今話題の、ウイルスと生物について考えていきましょう。

ウイルスと細菌

ウイルスの特徴

- 自己で細胞を有しない
- DNAとRNAのどちらか一方しか持っていない
- 「ウイルスは自身では増殖できないため、他の生物(宿主)の体内を利用して増殖します。」[1]

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[2]より引用。ウイルスは上記のように、とてもシンプルな構造をしています。また、自己複製ができないため、いわゆる生物の定義では、ウイルスは生物ではない、という話をされることが多いのです。

え?そんな、侵略してくる "うごめく” 存在が、生物じゃない!?と思った方もいるかもしれません。そうなのです、自己複製ができなければ、生物とは認められない世界があるのです。

生物学ってなんのために、どうして存在しているのでしょうか。こういう話をしていると、確かに、私たちが生まれて初めて「いきもの」という概念に出会ったのはいつなのでしょう。

もう少し、考えていきましょう。

【引用文献】
[1]研究用語辞典
[2]今さら聞けない「ウイルスと細菌と真菌の違い」

私たちのいきものとの出会い

「いきもの」と出会った時を思い出したくて、小学生向けの教科書や書籍を調べて見ましょう。

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学研出版サイトより[3]

こちらの書籍は、学研出版から出されている小学校1-3年生向けの書籍です。どうやら、私たちはまず最初に「いきもの」に出会うようです。小学校五年生に「あなたにとっての生物とは何か」という問いを投げかけたところ、「いきもの」と返ってきたのも頷けます。

私たちが最初に出会う「いきもの」は動物が多そうです。今回調べて見たところ、植物に関する書籍はどれも「植物」という書き方をされているような印象を受けました。これはとても面白いですね。

なんだか、共存して、一緒に生活している仲間を、最初に「いきもの」と呼ぶような気がします。これは動く仲間意識が持てる対象への "無主物” としての扱いを感じます。

「無主物 動物 日本」で検索すると、たまたま私の修士課程初期研究室担当教授の資料が出てきました[4]。

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[4]より引用。このように、各国の考え方によっても、「生物」という概念は異なるようです。この無主物かどうかという考え方は、各国の宗教的な背景も入り混じり、現在に至っていると聞いたことがあります。

このように、長い歴史や文化のなかで、私たちは「生物」という存在を認識し、共存し、生活を営んでいると考えられます。

【引用文献】
[3]学研出版サイト
[4]欧米と日本の野生動物管理法制・しくみの比較

工芸品と生き物

そんな生物との共存、生活が目に見て取れるのが、「いきもの」があしらわれた工芸品であると、私は感じています。

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公式HPから拝借しました[5]。先にあげたような文化といきものとの関係は、各地域の民芸品からも伺うことができそうですね。

人は近くにいる息吹を感じる存在を「いきもの」としてきたのかもしれません。

それが工芸として、時には模様、デザインとして用いられ、それらの間をさまよっているように思われます[6]。

【引用文献】
[5]東京庭園美術館 ブラジル先住民の椅子サイト
[6]深澤直人が、金沢21世紀美術館『工芸とデザインの境目』展に込めた思い。

生物と、AIという概念、の間

上記に挙げたような話題は、いわゆるAIや新しいテクノロジーについても同様なことが言えると感じています。 ※注: ここで扱うAIは、先端技術が実現すること全般を包含する "概念” としてのAIです。

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デジタルネイチャーの表紙より引用[7]

今日では、今まで言われていた「いきもの」よりもデジタルな「うごめくものたち」が私たちの周りにあふれています。ロボット、ゲーム、電波など。デジタルネイティブと言われる世代は、さらに "AI" な「いきもの」を身近に感じているでしょう。身の回りの書籍や雑貨はどうでしょうか。先人の民芸品と重ね合わせ、これらが未来の世界で、どのように扱われるのか、とても楽しみです。

これは極論かもしれませんが、「生物」は概念です。

アンケート結果がそれを物語っていると思います。それぞれの価値観で形成される、その体系全体を指すものなのでしょう。

つまり、私たちは、普通に生きているだけでは気づかないのですが、概念としての生物、という属性を持ちながら、日々の生活を営んでいるようです。

AIを気軽に使う人へ抵抗感がある人に、”生物" に対しても同じような感覚を持ってもらえたら嬉しいです。

【引用文献】
[7]『デジタルネイチャー』は、20年後も読み継がれる落合陽一の主著になる 宇野常寛さんに聞く

まとめ

皆様の「生物」に対する直感的な回答から、生物・いきものとは何か、考えて参りました。

結論としては、「生物」は概念に近しいものであると考えられます。

続いて、そんな「生物」はどのように実態が明らかになってきたのか、考えて見ましょう。

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