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【有馬記念×全頭診断】

アイアンバローズ C
前走のステイヤーズSはマイペースの逃げがハマったという印象が強く、再現性が低いレース。また2着馬が上がり33秒台の脚を使っても全く届かない展開であったので、さすがに展開の恩恵が強かった。2走前までの戦績を見てもレベルが落ちやすい長距離戦での好走歴しかなく、一気に相手強化するG1ではさすがに厳しそう。

ウインマリリン C
昨年までと比較すると今年は明らかに精彩を欠いており、6歳となってさすがに衰えが隠せない印象。唯一のG1勝ちである昨年の香港ヴァーズはかなりメンバーが薄く、内容的には評価し難い。日経賞やオールカマー勝ちなど中山は相性の良い舞台だが、ピークを過ぎた現状では足りないか。

ジャスティンパレス S
今年はスローの長距離戦×2、小回りハイペースの宝塚記念、レコード決着の天皇賞秋とレース質の違う競馬をすべて好走しており、4歳になり本格化した印象。余裕をもったローテーションが強い有馬記念において、ジャパンカップをパスしてしっかり間隔を空けてきたのもプラス材料。昨年は7着であったが、差し有利の展開で強引に先行したこと、外有利の馬場で内に拘るマーカンドJの騎乗ミス感もあったので悲観する内容ではない。

シャフリヤール B
毎日杯やダービーでのレコード勝ち、2度のJCでの好走、2:24.3の速い決着となったBCターフ3着などから分かる通り、速い馬場でパフォーマンスを上げる馬なので冬の中山は単純に合わない。また昨年のドバイSCはイン3からの競馬、BCターフは最内枠から距離ロスなく競馬できたことが好走につながったと考えており、2年前のJCのラスト1Fの止まり方やアルアインの全弟という血統背景からも本質的には2400m以上は距離が長い可能性が高く、好走には内枠が必要。

スターズオンアース A
前走のジャパンカップ(3着)は有力馬が内枠に入る一方で8枠を引き、通ったコースの差を加味すればリバティアイランドよりも内容は上でかなり評価できる一戦。しかし東京コースでのパフォーマンスが高いことや、マイルG1での好走歴や大阪杯で後半58.5の流れを強引に差し込んできた競馬を見るとややスピード質に寄っているタイプなので、タフな中山25は守備範囲外の可能性がある。順調であれば天皇賞秋→ジャパンカップのローテを歩んでいたはずだし今回はやや狙いにくい。

スルーセブンシーズ S
4走前は牝馬でトップハンデの56kgを背負い完勝、3走前の中山牝馬はラスト2F:11.2-11.3とかなりの余力を残して0.5差完勝、2走前の宝塚記念はイクイノックスとタイム差なしの2着まで迫り、直線入り口で進路を切り替えるロスがなければ1着まであったと思わせる内容をしており、近走は全く底を見せていない。また輸送にやや課題がある馬なので関東圏での競馬もプラス材料で、中山コースも(4-1-2-0)と好相性。世間が思っている以上に強い可能性が高い。

ソールオリエンス A
ダービー以降勝ち切れていないが、3走前は差し遅れ、2走前は8枠から終始外を回す不利、前走は勝負所での立ち回りの差が出た印象。母父がサドラーズウェルズ系であり、半兄ヴァンドギャルド(父ディープインパクト)はマイルがベストで、高速決着に弱く、時計がかかったときに強さを発揮するタイプであったことからも血統的には中山替わりはプラスだが、器用さに欠ける面は頭に入れておきたい。有馬記念と好相性の3歳馬なので相手には必ず拾いたい1頭。

タイトルホルダー B
前走のジャパンカップは絶好枠を引き、パンサラッサを行かせて離れた2番手を確保。2番手以下は60.2秒と展開に恵まれながらも2着リバティから0.6差5着とやや物足りない内容。直線勝負では分が悪い馬なので、東京よりは中山の方が良いタイプだが、2走前のオールカマーも内容はイマイチ。昨年の圧勝した天皇賞春や超ハイペースを追いかけレコードを記録した宝塚記念のパフォーマンスと比較すると能力面の劣化は否めず、推し材料に乏しい。

タスティエーラ A
ダービーは早め先頭の競馬で押し切り勝利したが、上がり9位タイで2,3,4着馬にゴール前の脚色では完全に負けていて、騎手の好騎乗と位置取りの差で勝った印象が強かった。一方、皐月賞は58.5→62.1の先行馬壊滅の流れを唯一前で残したように、先行力としぶとく粘る脚が持ち味の馬なので中山でこそ高く評価したい。有馬記念と好相性の3歳馬なので相手には必ず拾いたい1頭。

ディアスティマ C(除外対象)
逃げたときは強く、2走前の目黒記念ではペースアップが早くなりながらも、ラスト1000mを57.9秒で走って2着と好内容。しかし2勝クラス以降は逃げたとき(3-2-0-2)⇔それ以外(0-0-1-3)となっており、今回は同型のタイトルホルダーの存在がネック。また2走前のレース後に種子骨靭帯炎の症状が見られ、順調さを欠いていることも不安材料。

ディープボンド B
スピードがなくキレない馬なので、長距離戦やレース上がりが36秒以上かかるタフな展開で強みを発揮するタイプ。前走のジャパンカップの自身上がり34.7はこの馬の限界値であり、東京ではさすがに分が悪かった印象。近走のレース振りからも能力落ちはあまりなく、中山替わりなら面白い存在だが、先週までの中山の馬場を見ると例年以上に馬場が速いことが気がかりである。

ドウデュース A
前走のジャパンカップは全体的に着差がつき、能力差がはっきりと出たレースなので、2着馬と3着馬とそれぞれ0.2差、0.1差であれば好内容の4着。またゴール前まで差を詰めていたのも好感で、叩き良化型らしく一叩きして確実に良くなっていた印象を受けた。能力は現役トップクラスであるのは間違いないが、不安は気性面。近2走は終始手綱を引いているシーンが目立ったし、以前よりも乗り難しくなっている印象なので、前走からさらに距離するのは歓迎できない。

ハーパー C
キレなくジリジリ伸びるタイプなので、2000m以上に距離延長することで牝馬限定戦では相対的に優位に立っていたが、混合戦ではその優位性がなくなる。また、近2走はスローペースを先行し、展開利の大きい好走であり、着順以上に評価はできない。とくに前走のエリザベス女王杯の上がりタイムは15頭中11位と展開の恩恵が強い好走。近走よりもかなり相手強化する場面なので、能力面で足りない可能性が高い。

ヒートオンビート B
道悪と休み明けを苦手としており、オープン昇格以降において良馬場×叩き2走目以降の戦績は(1-4-4-1)とほぼパーフェクトの成績。今週は雨予報がなく、叩き3走目となる今回は好走パターンに当てはまる。G1での力関係は未知だが、前走がトップハンデの59kgで0.2差3着、3走前が58kgで勝利と6歳にしてかなり力をつけてきている印象なので枠次第で一発あってもいい存在。

プラダリア C
成長が物足りない、相手なりに走るタイプだが勝つイメージが湧かない、水上○「前哨戦タイプ」、井内○「新潟記念は調教あんまりやってなかったけど今回上がっている」、道中最内にいた馬が1,2,4,5着だったので重馬場とはいえ開幕週らしい、近走全くだった8歳馬のアフリカンゴールドが0.2差5着に粘っているあたりレベルの低さを感じる、上がり6位タイだしインパクトはなかった、重賞だと一歩足りない馬という評価は変えなくて良さそう、後方から外回して0.1差のディープボンドには内容負けている

ホウオウエミーズ C
前走の福島記念(1着)は、前半3F34.6のハイペースで1角の後方4頭が1,2,3,5着となり、逆に先行した1,2,4番手は13-15着と前と後ろがそのままひっくり返るほどの差し決着。展開の恩恵があった勝利なので評価しづらく、それ以前のパフォーマンスを見てもここで通用するだけの能力は見せておらず。

ライラック B
これまでフェアリーS(35.3)や昨年のエリザベス女王杯(36.4)などレース上がりがかかるタフな展開で強さを発揮してきた馬だが、2走前の府中牝馬(33.9)では上がりの速い競馬に対応して2着、前走のエリ女は上がり最速で4着と4歳秋にして一気に強くなった。馬のタイプ的には中山替わりはプラスだが、一線級の牡馬相手で通用するだけのパフォーマンスまでは見せておらず少し足りない印象。


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