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2023年暮れ 技術と投資観点で生成AIを考える、その1 ざっくり全体像

注:本文は投資に関して助言やアドバイスをするものではない。投資は自己責任で行ってください。

わたし、機械学習エンジニアやっています。わたし、同じくらいの期間で投資もしています。そしてわたし、最近までnvidia株を持っていませんでした。はい。

灯台下暗しとは、こういうことだろう。特大チャンスが身の回りに転がっていても案外気づかないもので、人間はそういうもので……私だけではない。きっとそうだ。そう思っていてもやっぱり逃したことは悔しい。そんな感じでふと周りを見回してみると、そう言えば投資観点で生成AIについてまだ考えたこともなかった。(慌てて)ざっくり考えてみようと思う。

技術面で確実に言えることは今の生成AIがほんの始まりに過ぎないことだ。ここから広がっていくインパクトは、過去に比較できるものがあるとすればインターネットかパソコンくらいだろう。そしてその成長スピードはインターネットやパソコンの時を上回るでしょう。

一方で投資の方に移ろう。まずは価値だ。株価は価値ある事業につけられた価格。価値あればこそ株価がつく。生成AIの価値など今さらいうまでもないと考えるかもしれないが、ここで重要なのは、本質的な価値もしくは学術的な価値と市場価値や事業価値(投資としての価値)がずれることだ。コンピュータの父はアラン・チューリングやフォン・ノイマンだが、大金持ちになったのはビル・ゲイツやスティーブジョブスだ。人類の偉人という観点で見れば前者のほうが圧倒的に価値が高いだろうし、200年後くらいには後者を覚えている人も少ないだろうが、前者は教科書に残り続ける。ここで投資はあくまでも後者を探し当てるゲームだ(前者への投資は国かノブレスオブリージュが行うもの)。

生成AIは学問的にはこれまで積み重ねられた多くの研究の上に立っていて、それ自体の学術的な価値に関して、特にChatGPT初期のころには、多くの研究者は少し首をひねる場面も多く見受けられた。実際のところ学術的にはやはり数年前のトランスフォーマーの方を高く評価すべきだと思う。

一方で投資はまったく違う。生成AIがAI応用のハードルを大きく下げた点、そしてこれからも猛烈な勢いで下げ続けていくだろうことが決定的に重要だ。今までは事業で何かをしようとしてもコストがかかったり時間がかかったりして、事業アイディアがあってもなかなか実現まで持っていくことが難しかった。そこに生成AIがきてそれらを一気にやりやすくした。しかもかなりパワーアップした上で。

そこから言えることは今後急成長する企業が大量出現すること。それはうちの会社じゃないだろうし、あなたの会社でもない可能性が高いけれど、大躍進する企業がわんさか出てくるのは間違いないでしょう。投資にとってこれほどワクワクすることがあるだろうか。長い目で見れば今話題の利上げだとかインフレだとか景気悪化とかリセッションだとか、そんなもの全部吹き飛ばしちゃう、って言ってもいいくらいだ。

やっぱり、灯台下暗しなんだろう。

では具体的にどう投資したらいいんだろう。それはちょっと難しい問題だ。いろいろ落とし穴もある。また次で考えるとしよう。

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