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マルチ商法の歴史・陽の章

ジャパンライフ国会

今日の国会、野党から安倍総理への攻撃は凄まじかった。何が凄まじいって、消費税増税の悪影響や、アメリカとの貿易交渉、香港の民主化デモや選挙、韓国とのGSOMIAや輸出管理等々、そういったことは何一つ、誇張ではなく何一つ語られることなく、ほぼ全て「桜を見る会」と「ジャパンライフ」に費やされたのです。

や、別に桜を見る会をやってもいいよ、私も公文書管理のずさんさには腹を立ててますし。でも「それだけ」しかやらないなら、野党はあんなにいくつも要らない。消費税増税による景気悪化とアベノミクス崩壊を突いてほしいんだけど、やらないんだよなぁ・・・・・・。

ジャパンライフ問題についても桜を見る会とセットです。同社社長は桜を見る会に招かれたことを宣伝材料に使い、お年寄りを信用させて金を使わせていた。証拠も挙がっています。

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但しこのチラシには下半分がありまして。

拡大すると・・・・・・。

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野党と一緒に自民党を攻撃する面々、アベ嫌いを隠そうともしない左派系マスコミの重鎮が並んでいる。つまりジャパンライフは安倍総理だけでなく、大手マスコミの名前も利用してお年寄りを騙していたわけです。

さらに維新の柿沢未途議員はジャパンライフから1,940万円の献金を受けていた。今回問題になっているのが2015年頃の話というならば、柿沢議員は民進党でしたからね。しかもその後、見限って希望の党へ移籍してる。

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ジャパンライフの山口社長は正解のタニマチとして有名だったようで、おそらく与野党を問わず献金を受けた議員はこれからも出てくるでしょう。大手マスコミの上層部も関与している以上、安倍政権を攻撃するには筋が悪いと言えます。

って、今日は政治の話ではありません。


世界初のマルチ商法はアメリカで生まれた

ジャパンライフとは、1980年代に多数の被害者を出したマルチ商法(連鎖販売取引、マルチレベルマーケティング、ネットワークビジネス、MLMとも言われる)の会社です。

マルチ商法とはアムウェイ的なアレ、といえば大抵通じるのではないでしょうか。

歴史は意外と古く、1930年代後半、アメリカで誕生したカリフォルニアビタミン社が始まりとされています。当時はドラッグストアも少なく、テレビも広まっておらず、中小企業が広大な国土で商売を展開しようとしたら容易じゃなかった。

そこで同社は商品販売を民間人に頼った。「うちの商品を売ってくれたらマージンあげる。売ってくれる販売員を集めてくれたら、その人の売上からもマージンあげる」といった形です。口コミを元にした直販は当時、弱小製造メーカーにとっては合理的な販売方法でした。

販売員を連鎖させること自体を悪と論じるのは乱暴でしょう。気に入った商品を誰かに勧め、それで潤うならばこんなに良いことはない。当初の理念を頭から否定するとマルチの本質を見誤ります。

51_物流とマルチ

自分で商品を仕入れて売るだけならただの商売。自分の知人友人に売らせてマージンをもらうだけなら卸売り。売った相手を自分と同じ販売員にしていくのがマルチ商法です。

マルチ商法は販売員ピラミッドの上層部にマージンが集約する仕組みなんですが、ネズミ講と違い存在を許されているのは、あくまでも「愛用し、気に入ったから他人へ勧め、一緒に商品を広げる仲間を集う」という形であるからなんです。

商品を介在しないネズミ講は違法ですが、商品を介在させるマルチ商法はただちに違法とは言えないのですね。

・・・・・・あれ、どこかで聞いたような?


マルチ商法の射幸性

本部と販売員が直接契約を結ぶ代理店方式やフランチャイズ方式と異なり、販売員が販売員を増やしていき、何代も先の販売員からもマージンを得られるのがマルチ商法。

この販売員が、いわゆる「ディストリビューター」と呼ばれる人

ピラミッドの一番上にいる人は何代も先の販売員なんて顔も名前も知りませんよ。でも末端が買った商品や他人へ売った商品のマージンをしっかり貰える。寝てても貰える、鼻くそほじっていても貰えるのですね。

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直接の売買ではないのに、販売員の連鎖によって末端の売上マージンを権利収入として受け取れる。この構造こそがマルチ商法のキモであり、最大の射幸性です

しかし、商品販売&販売員獲得を組織の下部、下部へと押しつけていく形になるため、大量の在庫を抱えて経済的に困窮したり、無茶な勧誘で人間関係を壊していくから問題化する。

愛用者というポジションから一歩も出なければいいんですけど、気に入れば気に入るほど誰かに勧めたくなるし、そうやってグループが大きくなれば収入も大きくなる。そしてその収入をを見て羨ましく思った人は自分から下の組織拡大に走る。

マージンの比率が上がる上級ランクになるためには毎月の仕入れノルマやグループでの売上ノルマがあるため、破綻する人も出てくる。脱法的、洗脳的な勧誘行為を行いがちゆえ、社会問題化もする。

当初の理念は正しかったのだとしても、欲深い人類には早すぎる仕組みなのかもしれないね。まるで共産主義みたいだ。


マルチ商法の売上ランキング

逆に言えば、純然たる愛用者の多いグループほど崩れにくい。ミキプルーンやノエビア化粧品などは、その典型と言えるかもしれません。

え? ミキプルーンってマルチなの!? ノエビア?? と驚かれた方もいらっしゃると思います。マルチなんですよー。

日本におけるマルチ商法ランキングがこちら。

アムウェイは横に置いといて、下着のシャルレや日用品のタッパーウェア、化粧品ならアイビーやイオンあたりは知ってる人も多いのでは? アイレディース化粧品も一時期CMをやっていましたね。

私は大学時代にマルチ商法で論文を書きました。その当時はソニーCPラボラトリーズという化粧品会社がありまして、名前の通りソニーの運営するマルチ商法でした。ソニーミュージックエンタテインメントの子会社で、まあ驚いたっけな。


アムウェイについて

今年のマルチ商法ランキング一位のアムウェイは去年も一位でした。一昨年も、その前も、ずーっと一位。同社は1954年に創業しますが、創業者のリッチデヴォスはカリフォルニアビタミン社(後のニュートリライト社)製品のファンで、マルチビタミンをずっと愛用していたそうです。

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アムウェイもビタミン剤を作っていましたけど品質面で追いつけなかった。そこでデヴォスは1972年、ニュートリライト社の経営権を取得します。時にあこがれ、時にライバル視した企業を買収した瞬間はどんな気持ちなのでしょうね。

デヴォスはその後、それまでの自社製品ではなく、買収したニュートリライト製品を流通させたことからも、大いなるリスペクトを感じますね。なお、今でもニュートリライトはアムウェイの主力商品として君臨し、世界で最も売れているビタミンブランドとなっています。

まあ、飲んだことないから知らんけど(苦笑)


というわけで、マルチ商法・陽の章をお送りしました。マルチは悪!とステロタイプに断じるのではなく、努めて冷静に書いてみました。

次回は「陰の章」です。期待して。

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