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コンパクトカーを買おうとする方へ

レンタカーの回送をやっていると、長距離回送ほどコンパクトカークラスか商用車ばかりなんですね。先日なんて東京から浜松までスイフト、名古屋から千葉までスイフト。しかも同じグレード同じカラーという、もはやマイカーだなこれという展開でした。

そんなわけで各社のコンパクトカーを乗り回していますので、それぞれを私の感覚で比較してみたいと思います。購入される方は参考にしてみてください。


ヴィッツ@トヨタ

もうすぐフルモデルチェンジして「ヤリス」という名前になるトヨタのコンパクトカー。初代ヴィッツはスターレットの後継車種であり、同じような安いクルマになると思いきや、大人4人と荷物を載せて快適に動き回れる性能に広い室内と高い安全性能を備え、トヨタらしい「安っぽく見えない内装」と目を引くデザインで爆発的な人気となりました。

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今見てもデザインに古臭さを感じませんね。少なくとも20年前のとは思えない。実際ヴィッツは世界のコンパクトカーを変えたとも言われており、現行モデルに至るまで妥協無く作られています。

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写真だと分かりにくいけど、ワイパーは一枚羽根です。ウォッシャー液の出し方は特徴的で、ガラス面へ広範囲に吹き付けるのではなく、一旦ワイパーゴムの上に溜める。ワイパーはウォッシャー液ごと「どっせい!」と持ち上げることで、塗りと拭き取りを同時にこなすんです。

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階段式のシフトレバーはボタンを押さずともシフトチェンジできるため非常に扱いやすい。他社でも採用してほしいな。

ただ、室内の広さは平均点で、ハンドルの軽さとサスペンションの柔らかさは「後部座席に座ってると酔うだろうなぁ」と懸念するレベルでした。内装はプラスチッキーで営業車というイメージが残ります。モデル末期なので新車で買う必要は無いと思う。

こういったベーシックな車は世界中へ輸出されるしライフサイクルも長い。ヤリスは本気で作り込んでくるはずなので、新車を買うならヤリス待ちが正解でしょう。


フィット@ホンダ

ホンダの誇るコンパクトカー、フィット。ヴィッツ同様もうすぐ4代目へモデルチェンジです。これまた初代は度肝を抜かれましたっけ。

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上述のヴィッツや日産マーチに対抗すべく送り出したホンダの「ロゴ」は、安くはあったものの他社と比べ明らかに低品質でした。

日本の小型車市場を支配する気概の元、フィットはゼロから設計し直し、ガソリンタンクを床下へ置くことで、「広大」とも言われる室内を実現しました。このセンタータンクレイアウトによる広い室内空間はホンダのドクトリンとなり、日本で最も売れるクルマN-BOX誕生へとつながります。そしてフィットは、販売台数首位を33年間守り続けたカローラの牙城を破り、本当に小型車市場を支配するに至ったのです。

現行モデルとなる3代目は最新技術を搭載して登場したものの熟しきれておらず、「月刊リコール」とでもいうような状況へ陥りました。

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それでも熟成の進んだ現在は大きなトラブルもなくなり、極めて完成度の高い小型車となっています。特に後部座席は前へ倒すと座面が床方向へ沈み込み、フラットで使いやすい荷室を実現します。

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↑ヴィッツは段差ができるけど
↓フィットには段差がない

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シャシーはホンダのコンパクトカー全てをまかなうべく作られており、しなやかで扱いやすい。ただし、エンジンパワーは若干非力であり、シート形状は私にフィットしないのが難点

また、自動運転を目指したホンダセンシングは今一歩。レーンチェンジすると前車追尾から解放されて加速を始めるんですが、ワンテンポ遅いの。その間に追い越し車線の後続車からパッシングされたりします。スバルのアイサイト、トヨタのセーフティセンスと比べ、オートクルーズやレーンキープアシストの性能は一段階落ちるなという印象です。

新車ならフィット4待ちで間違いありません。

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中古で格安ならフィット3でも十分使えるなと思ってしまうくらいには、まだまだ魅力を持ったマシンと言えるでしょう。何と言っても室内の広さと荷室の使いやすさね。シート形状ゆえロングドライブには向かないけど、整った内装に使いやすいスイッチまわり。コンパクトカーはどのようなシチュエーションで使うべきかをユーザーに教えてくれる教科書のようなクルマです。

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