購入しませんか?
シェア
ここはパーラーアオイの休憩室。それぞれが飲み物を持ち寄り、足のぐらつくテーブルを囲うように早番三人がパイプ椅子に座った。勤務を終えて着替えた後、いつも30分ほど語らう。 美咲「それでは第一回早番会議を始めまーす」 翔太「唐突すぎw」 誠「早く帰りたいのですが」 なぜアルバイトの美咲が会議を開くのかという疑問は、誠にも翔太にも一切湧かなかった。美咲の唐突な行動はいつものことで、その突飛さこそが暗くなりがちな早番の雰囲気を明るく保っているのを二人は知っていたからだ。 美咲「
第二話・店長やります パチンコ屋の開店といえば、軍艦マーチと共に店内へ走り込む群衆。そんなイメージを抱いていた大成は、パーラーアオイの静かな開店にまず驚いた。音楽は無し、客も無し。あるのはパチンコから出るアニメ声のみ。 二ヶ月前まで働いていた家電量販店ならまだしも、何も分からない業界で店長なんてできるだろうか。運営マニュアルも無い、本部機能も無い、こんなパチンコ屋で。 不安の中モニターを見ると、主任の誠は店内をチェックし(何をチェックしているかは分からないが)、翔太