羊水(1/5メモ)

無性に、守られたいと思う。
家族に会いたくなるあの気持ちは「守られたい」の結晶化。
もう一度あの温かい羊水の中で泳げないだろうか。
無理ならばせめて母親の腕の中で眠りたい。
生まれて初めて外の空気に触れる瞬間。
息を吸って、吐く瞬間。
自らの力で泳ぎ、立ち上がらなければならない生き物がいる。
もしかしたら彼らの方が僕達よりもずっと悲しい思いをしていたのかもしれないね。

離れて気づく大切さなんて必要ないと思った。
だって僕のママやパパは「貴方を大切にしてあげた私たちに感謝しなさい」と言うはずがないから。
それならば、今世限りで忘れてしまうなら、
何にも気づかずママやパパの優しさに包まれて
これが幸せなのだと知らずに死んでゆきたい。

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